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美浜原発、存続の瀬戸際:40年超の運転、迫り来る審査期限 残り1年、規制委と関電が神経戦
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/376.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 11 月 23 日 04:59:30: Mo7ApAlflbQ6s
 


[真相深層]美浜原発、存続の瀬戸際
40年超の運転、迫り来る審査期限 残り1年、規制委と関電が神経戦

 関西電力の美浜原子力発電所(福井県)が存続の瀬戸際に立たされている。古くて出力も小さい1、2号機は廃炉が決まり、3号機も国の規制で定められた原則40年の「寿命」が迫る。1970年に大阪万博の会場に電気を送り、日本の原子力利用の歴史に一歩を刻んだ美浜原発は役目を終えてしまうのか。


美浜原発は日本で最も古い原発の一つ(福井県美浜町)

 10月27日、原子力規制委員会の臨時会合は重苦しい雰囲気に包まれた。田中俊一委員長をはじめとする5人の委員に向き合うのは、八木誠社長ら関電経営陣。美浜3号機の運転延長の前提となる安全審査の進め方が最大の焦点だった。

 「期限に間に合うか確信を全く持てない」。規制委の更田豊志委員が指摘したのが、審査が「時間切れ」になる事態だ。東京電力福島第1原発事故後の法改正で原発の運転期間は原則40年に制限された。規制委が認めれば最長60年まで延ばせるが、その是非を判断するための期間は限られている。

 近く運転開始から39年になる美浜3号機の場合、延長認可の期限は2016年11月末だ。まだ1年ちょっとあるとはいえ、のんびりはできない。安全審査に加え設備の詳細な確認手続きを経る必要があり、一筋縄でいくものではないからだ。

 全国43基で最も早く今年8月に再稼働した九州電力川内1号機(鹿児島県)でも、この作業に2年近くかかった。美浜3号機は設備の設計が古く、技術的な対応はさらに難しい。4月に始まった審査は停滞しており、八木社長の「全力を尽くす」という言葉には切迫感がにじむ。


「歴史刻んだ灯」

 審査に遅れが生じた要因は地震対策を巡る対立にあった。「まったく理解できない」。9月15日の審査会合では更田委員が関電への不満をあらわにした。設備の耐震性をどう評価するか、方法論への見解が食い違い、議論は平行線をたどった。

 8月までは、そもそもどの程度の地震を想定するかでもめていた。規制委が安全を考慮してより強い揺れに備えるよう迫り、関電がこれを受け入れる形で折り合ったが、施設の耐震性をいちから見直す必要が生じた。

 原発は無数の機器で構成される巨大なシステム。耐震性の評価をやり直せば膨大な時間がかかる。メーカーの三菱重工業にしかできない作業もあり「遅れを取り戻すのは至難の業だ」(規制委の田中委員長)。

 期限までに審査が終わらないと、廃炉が現実味を帯びる。関電の対応に不満を持つ規制委側も「時間切れは本意ではない」(事務局幹部)。「電力会社の経営には関知しない」のが基本姿勢だが、民間企業の重要な資産の廃止につながりかねず、責任は重い。

 美浜原発は日本で最も古い原発の一つで、関電の象徴でもある。1号機は運転開始にあたり、大阪万博の会場に「原子の灯」をともして原発時代の到来を印象づけた。

 地元との結びつきは深く、関電の原子力事業本部は美浜町にある。建設の理解が得にくい使用済み核燃料の貯蔵施設の受け入れにも、美浜町は前向きな姿勢を示してきた。ある幹部は美浜町を「足を向けては寝られない存在」と表現し「簡単に灯は消せない」と語る。

2号機に続き3号機も廃炉になれば、もはや美浜原発は「発電所」ではなくなる。雇用を含め地元経済への打撃は必至だ。国からの交付金も減る。関電の八木社長は「原発は地域と一緒に運営する基本的な考え方がある」として、運命共同体の関係を強調する。

「大飯急げ」の声

 関電にとって悩ましいのは美浜3号機ばかりに集中できないことだ。15年3月期まで4期連続で最終赤字だっただけに、業績回復に向けてより規模が大きい大飯3、4号機(福井県)などの再稼働を急ぐべきだとの声が社内にはある。

 出力の大きい原発が動けば発電コストは下がり、来春以降の電力小売り全面自由化による競争でも有利になる。関電としては「美浜も大飯も譲れない」(幹部)のが本音だ。審査官の人員が限られる規制委は10月27日の会合で「同時並行で審査はできない」と関電に取捨選択を迫ったが、八木社長は「優先順位は付けられない」と反論し続けた。

 審査対応の人員を増やしあくまで正面突破をめざす関電。延長に向けた審査で「合格を出せるかどうかも約束できない」とくぎを刺す規制委。両者の神経戦は続く。

(鈴木大祐、生川暁)

[日経新聞11月20日朝刊P.2]

 

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コメント
 
1. 2015年11月23日 09:08:19 : qFBZAvwg0G

 廃炉しちゃいなよ〜〜

 悪あがき しないことだよね!!
 


2. 佐助 2015年11月23日 10:17:33 : YZ1JBFFO77mpI : B7E8ljgaGg
安全審査ってなんですか!
加速度ごとの品質確認(応力・性能・整備性・安全性など)テストの実施と合否
確認できなければ廃炉の手順標準書作成

そして福島事故原発の横ニラミ対策内容と各種マニュアル標準書の公開


3. アミタバ 2015年11月23日 19:09:41 : ta/w.GwmlsPxg : nSKEvWQuSk
 
 年数を経る毎に中性子照射による圧力容器の脆性破壊の危険性が増し、熱水や圧力による蒸気発生機等の細管や配管の減肉劣化が深刻化する。もともと耐用年数40年自体が無理な数字で、実際の設計寿命はせいぜい15〜20年だ。
 過酷な条件で運転される原子炉の寿命は余裕を持って設定されるべきで、一度過酷事故が起こされればイチエフ核事故同様に亡国の瀬戸際に至ることは必至。稼動期間を無理に延長するなど以っての外、製造後40〜60年も経って老朽化した機械に命を托したい人はまずいないだろう。

 とはいえ、廃炉技術も未確立で、高レベル放射性廃棄物の処理も出来ぬまま、一体どうするつもりか。電力会社の全額負担で「石棺」にして半永久的に保管する以外に道はなかろう。誘致自治体もその負担に堪えるほかないだろう。電力会社も自治体も、美味い汁だけ吸って、後は知らぬ存ぜぬは通らない。それだけの覚悟はあったはずだ。何より、これ以上無数の人々を危険に晒す権利などない。


4. 2016年8月03日 18:20:25 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-8846]
2016年8月3日 夕刊

美浜3号機、新基準「適合」判断 原子力規制委
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/images/PK2016080302100149_size0.jpg

 原子力規制委員会は三日、十一月末に運転開始から四十年となる関西電力美浜原発3号機(福井県)について、耐震対策などを進めれば新規制基準に適合するとの審査書案を了承した。老朽原発では、関電高浜原発1、2号機(同県)に続く三基目の判断。運転期間を四十年に制限する原子炉等規制法の原則に例外がまた一つ加わる。ただ、工事には四年近くかかり、再稼働は工事完了後となる。

 この日の定例会合では、事務局への質問が若干出ただけで、特に審査書案への異論は出ず、議論は約十三分で終わった。

 規制委は、審査書案に対する意見を四日から来月二日まで公募。集まった意見を踏まえ、正式に判断する。3号機は運転期間が終わる十一月三十日までに具体的な対策工事の計画認可を得るほか、老朽化対策の審査にも通過しなければ廃炉が決まる。

 関電は二〇一五年三月、美浜3号機の審査を申請。審査の過程で耐震設計の目安となる地震の揺れを当初の七五〇ガルから九九三ガルに引き上げた。これに伴う設計変更に時間がかかり、昨秋には規制委が期限内に審査が終わらない可能性を指摘したが、関電は今年五月に補正書の提出にこぎ着けた。

 耐震化などの工事費は千六百五十億円。原子炉内の部品を取り換え、使用済み核燃料を保管するラックも床や壁に固定せずに揺れを逃す方式に変える。既にある防潮堤よりも内陸側に高さ六メートル、長さ四百メートルの防潮堤を新設。重大事故時に作業員の拠点となる「緊急時対策所」なども新設する。

 千キロに及ぶケーブルを防火シートで覆ったり、燃えにくい素材に替えたりする必要もあり、工事は二〇年三月までかかる予定。地元同意の手続きもあり、再稼働はさらに先となる。

 原子炉等規制法は原発の運転期間を原則四十年と制限しているが、規制委が認めれば一回に限り最大二十年間延長できる。
◇老朽化顧みず 相次ぐ「例外」

 <解説> 原子力規制委員会は三日、十一月末で運転開始から四十年となる関西電力美浜原発3号機(福井県)が新規制基準に適合していると判断した。原発の運転期間は原則四十年に制限すると法令で定めたにもかかわらず、「例外」が認められたのは早くも三基目となった。

 四十年廃炉の原則は、いくつもの理由があったからこそ導入された。原子炉が長期間強い放射線にさらされると、圧力容器はもろくなり、緊急停止による急な温度変化に耐えられなくなる。古い原発では耐火性の低いケーブルが使われていることが多く、建屋も経年劣化の恐れがある。

 「古い部品さえ取り換えれば、原発はピカピカ」。かつては、それが原子力の世界の通説だった。だが、東京電力福島第一原発では、間もなく運転開始から四十年になろうとしていた1号機が、被災からわずか二十四時間後に水素爆発。現場が苦労して築いた仮設の注水ラインを吹き飛ばし、収束を一層困難にした。古さとリスクは決して別物でないことを証明した。

 「福島第一のように、格納容器は小さくない」「炉は旧式ではない」。例外とされた関西電力高浜1、2号機、美浜3号機(いずれも福井県)を巡っては反論があるだろう。しかし、古くなれば、劣化は確実に進む。海という厳しい環境にさらされている日本の原発の場合はなおさらだ。福島の苦い教訓を忘れてはならない。

 (東京社会部・山川剛史)

 <美浜原発3号機> 福井県美浜町にある関西電力の加圧水型軽水炉で、出力は82万6000キロワット。小型の1、2号機(出力はそれぞれ34万キロワット、50万キロワット。いずれも2015年4月に運転終了)に続き、1976年12月に運転を始めた。04年8月にタービン建屋で配管破裂による蒸気噴出事故が発生した。

http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016080302000252.html


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