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中国が南米に原発輸出してましたが、日本の「反原発派」は中国の手先なんでしょうか?
ダイヤモンドオンラインから
http://diamond.jp/articles/-/74399
米国の専門家が評価
「柏崎刈羽原発の安全性は世界最高水準」
安全・危機管理コンサルタントのチャールズ・カスト博士(Dr.Charles Casto)が6月29日、東電・柏崎刈羽原発を視察した。カスト博士は、2011年3月の福島第一原子力発電所事故の直後に、米国・原子力規制委員会(NRC)を代表して来日し、事故対応に協力した人物である。
同氏は、数年前までBWR型原子炉の運転に従事。福島事故対応の任務の際、ルース駐日大使に対して直接報告する立場にあった。11ヵ月間にわたる福島事故対応の任務の後、国際原子力機関(IAEA)のレビューチームに加わった時期もある。
6月30日、カスト博士と懇談させていただく機会を得た。福島事故を踏まえた柏崎刈羽原発の安全対策レベルや、日本の原子力規制の在り方について御意見を伺った。以下、聞き手は筆者である。
◇
スリーマイル島事故では
「全原発を止めろ」とはならなかった
──福島事故は、発電中ではなく、停止中の事故だった。だが日本では、政治もマスコミも、“発電しているから危険、停止していれば安全”という空気となっているせいか、全ての原発は定期検査で停止した後、今もまだ発電を再開していない。
米国では、1979年のスルーマイル島(TMI)事故後、事故炉以外は発電を続けていた。旧ソビエト連邦では、1986年のチェルノブイリ事故後、事故炉以外は発電を続けていた。米ソと比較すると、原発事故後の対処をめぐる日本の特異性が際立っていると思うのだが、これについてどう思われるか。
TMI事故もチェルノブイリ事故も、運転員による運転ミスが引き起こした事故。米国では前に別の原子炉で似たような事象は発生していたのだが、安全に復旧した。その事象発生からの教訓を生かせなかったことや、運転員が十分な訓練を受けていなかったことが、TMI事故に繋がった。原因は、プラントの設計・設備面でのものではなく、人為的ミスであった。福島事故は、震災時に運転員が最善の対応をしたので、人為的ミスではなかった。むしろ、プラントの設計が関係していると思う。
TMI事故の際は、今の日本のように、国中の原発を停止しろ、などという声はなかった。ミスをした運転員の責任が追及されたし、TMIを保有していたメトロポリタン・エジソン社が悪者扱いされたというのはあった。しかし、電力業界全体が悪者扱いされたことはない。当時は、1973年のオイルショックの記憶が新しく、しかも石油価格が高かったので、原発を止めようというようなことにはならなかった。米国民はエネルギー価格には敏感だ。
──福島事故は、1973年と1979年の2度のオイルショックから長い時間が経ってのことなので、日本国民はエネルギー価格高騰に関する感覚が薄いのかもしれない。今の日本では、原発代替として莫大な量のLNG(液化天然ガス)や石油を追加的に輸入していることで電気代が高騰しているが、それを問題視する風潮は全体的には強くない。
だから、日本で化石燃料輸入増や、それによるエネルギー安全保障上の問題を説いても、なかなか理解が得られない。一般大衆のみならず、多くの政治家も同じような感じだ。
それを一般大衆に理解させるのは難しいだろう。スイッチを押したら電気は点くものだ、とみんな思っている。政治家に理解させるのが難しいのは、米国も同じだ(笑)。
原子力規制委は「独立」ではなく
「孤立」している
──福島事故から1年半後、日本の原子力安全規制の行政機関は、経済産業省傘下の原子力安全・保安院から、独立系の原子力規制委員会(NRA)に移管された。このNRAは新しい基準を策定したが、それに適合していないと発電再開を許さない運用にしており、かつ、政権与党もそうした運用を追認している。日本の全ての原発が発電再開できないでいるのはこうした理由もある。
原子力規制であれ、石油・ガス規制であれ、通常の安全規制は、一定程度(例えば5〜10年程度)の猶予期間を設けて、その期間内に新基準に適合させればよく、それまでは旧基準で稼働させるというのが世界の常識だと、私は思っている。
NRAのこうした規制運用をどう思われるか。また、改善すべき点があるとすると、それは何だとお考えか。
今のNRAは、とにかく可能な限り高い基準を適用して規制しようとしている点で、非常に保守的な機関だと思う。「一番安全な原子炉とは、運転を停止している原子炉だ」と思っているようだ。日本の政治的な状況を見ると、NRAだけが原子力安全に関する全責任を負っているという構図だ。
だが、それは健全な安全システムではない。安全責任は、NRA単独で負うのではなく、電力会社と分担すべきだ。説明責任を最も負うべきは電力会社であり、NRAは監督役であるべきだ。今の状況はアンバランスで、NRAは自分たちだけが原子力安全に対する唯一無二の権限と説明責任を持っていると思い込んでいる。
外国の助言者たちが日本に対して、「NRAは独立していなければならない」と多く助言した。だが、NRAは「独立」ではなく「孤立」してしまっている。独立と孤立は全然違うのだが、それを上手に伝え切れなかったのだろう。
NRAは電力会社を監督するのだが、NRAを監督するのは政権。国として許容できる原子力リスクとはどの範囲なのか、政権が国民との対話を通じて決めていく必要がある。
柏崎刈羽の安全性は世界最高水準
再稼働させない理由はない
──安倍政権は、NRAが合格とした原発だけを再稼働させることとしている。つまり、政治がNRAに丸投げしている状態だが、これをどう思われるか。
日本の国民や政権がそれで良いのであれば仕方ないが、健全な在り方はそうではない。原発が長期停止している状態が安全上いかにマイナスの影響をもたらすか、ということをNRAは本当に理解しているかどうか疑問だ。長期停止していると、現場職員たちは運転の感覚を失ってしまうし、設備や機器も劣化する可能性が高い。
稼働しながらでないと、良いパフォーマンスを発揮できない。原子力安全の基礎は、定期的に稼働していることによって成立するもの。安全については「絶対的な安全」と「合理的な安全」の2つの考え方があるが、今のNRAは「絶対的な安全」を求めているので、「合理的な安全」とはなっていない。
稼働していることのもう一つメリットは、何か不具合があった場合に即応するようになり、危機意識も維持できることだ。しかし、稼働していなければ、何かあった場合でも停止しているので現場職員は妙に安心してしまい、危機意識が希薄になる。ひいては、プラント全体の安全水準も低下する。
──それは例えて言うなら「ペーパードライバー」であり、そんなドライバーばかりでは交通安全のレベルは向上するはずもなく、逆に危険な状況が生まれてしまう。
まさにその通りだ。停止し続けること自体は簡単だが、停止し続ければ安全レベルが維持されるというわけではない。
──ところで昨日、東電・柏崎刈羽原発を視察されたそうだが、福島事故の教訓はどのように生かされているとお考えか、また、安全レベルはグローバルスタンダードに照らしてどうか。
私の知識で見る限り、柏崎刈羽原発は、今すぐ再稼働できるほど十分に安全性は確保されており、私がこれまで原子力界で見てきた多くのプラントのいずれもはるかに超える対策が講じられている。柏崎刈羽原発の安全対策は世界最高水準。米国政府ならば再稼働させない理由はない。
──福島第二原発についてはどう思われるか?
きちんとした安全対策を講じれば、技術的には再稼働は十分できると思う。安全対策にかかるコストと比較しながら、再稼働するかどうかを決めるのは東電だ。その場合、技術的な問題ではなく、政治的な問題が障害になるかもしれない。
──米国では今年、原発新設が実現する見通しだ。TIM事故から約40年経っているとはいえ、自国で原発事故を経験した米国民が原発新設を容認したのは、今の日本から見るとたいへんなことなのだが、米国民が容認できた理由は何か?
米国では、世論調査でも原発を支持する声の方が以前から多い。米国で原発新設が進んでこなかったのは、世論ではなく、経済的理由だ。過去に原発新設に投資した後にコスト超過で損をした投資家たちがいて、それ以来、ウォール街では原発新設への投資はしたくないという状況が続いてきた。それが今般、状況が変化してきたということだ。
日本では、原子力に関して政府と国民の間に健全な対話がもっとなされるべきだ。今のところ、それが不十分なのだと思う。「停止=安全、発電=危険」ではない。
高レベル放射性廃棄物は
米国では発電所敷地内貯蔵が定着
──2018年に期限切れとなる日米原子力協定の改定に向けて、今後、日米両国は議論を深めていくべきだと思うのだが、どのような点を主要論点にすべきとお考えか。使用済み核燃料の再処理や、高レベル放射性廃棄物の最終処分の分野で、世界の原子力平和利用の発展のために日米が協調していくべきことは何か。
米国が原発輸出をするのは、相手国が核兵器に転用しないこと、つまり核不拡散に合意することが条件。だが、この核不拡散を条件にしていることが隘路になって、米国の原発輸出は進んでいない。米国は技術を持っているので、日本が米国と協調していくことで、日本の原発輸出は円滑に進むと思う。中露などに対抗する日米協調は重要だ。
使用済み核燃料の再処理について、米国は核不拡散政策の下、使用済み核燃料の全量を、再処理はせず直接処分する。ただ、再処理技術の維持・向上のためには、日本での再処理は必要であるし、米国は日本の核不拡散を信頼している。
高レベル放射性廃棄物の最終処分については、米国ではもはや話題にならない。廃棄物は発電所敷地内に貯蔵することが最も安全で、しかも原子力発電の妨げにならないということで、その路線で定着しているからだ(筆者註:この件は、米国NRCも認めている)。環境団体も、それを容認している。ユッカマウンテン最終処分場の件はまだ揉めており、それは長期的に解決すれば良いのだろうが、いずれにせよ、発電所敷地内で貯蔵することで十分に安全であるので今後問題にはならない。
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