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【 信じられますか?安全!ニッポンのゲンパツ : 避難区域への帰還2015 】《前編》
http://kobajun.chips.jp/?p=25596
2015年11月9日 星の金貨プロジェクト
もう故郷には戻りたくない…その最大の理由は日本の政府当局への不信
福島第一原発が吹き上げた放射性物質は、北西方向の市町村を何十年も人が住めない場所にしてしまった
除染作業に注ぎ込まれた巨額の国家予算、被災者の生活再建に充て方がはるかに有効だったのではないか?
エコノミスト 10月24日
腐敗物とネズミの排泄物から漂い出す悪臭が、猪狩良衛さんの自宅の居間にたちこめていました。
猪狩さんは2011年3月11日に襲った巨大地震と巨大津波が重要な設備である原子炉冷却システムを破壊し、福島第一原発の3基の原子炉でメルトダウンが発生した事故により、翌12日に楢葉町から避難した住民のひとりです。
2015年9月5日、楢葉町の避難命令が解除され、猪狩さんは実際の様子を確認するため町内の自宅へと急ぎました。
無住にせざるを得なかった間、野生のイノシシが手入れが行き届いていたはずの庭園にあった、背の高い見事な庭石を破壊して行きました。
それでもあちこちが腐ってしまった内装の中にあって、仏壇につい最近供えられたばかりのヒナギクの花は、猪狩さんが先祖代々暮してきたこの家に戻る決心をするかもしれないという事を示唆しています。
掲載した地図にもある通り、日本政府は福島第一原発の周囲に設定されていた避難指定区域を徐々に縮小し、今年ついに避難区域内の全市町村の中で初めて楢葉町全域の安全が宣言され、避難指定が解除されました。
「2011年3月以来停止していた楢葉町の時計が、今また時を刻み始めました。」
松本幸英町長がこう語りました。
事故発生時、福島第一原発が放出した放射性物質は北西方向に向かいました。
日本政府は年間20ミリシーベルト未満に下がればその場所を安全とみなすという方針を示していますが、福島第一原発の北西方向に位置する町の放射線量は、未だに年間50ミリシーベルト(mSv)以上計測されており、今後も数十年間は人が暮らすことができないままの状態が続くと見られています。
しかし4年半前の事故発生当時の風向きと続けられてきた除染作業のおかげで、楢葉町に加え、北西方向に向かった放射性物質からかろうじて逃れることが出来た2つの町村について、日本政府は安全宣言を行うものと見られています。
これに先行して、昨年4月田村町の都路地区(旧都路村)で初めて避難住民の帰還・永住が認められました。
この後10月には川内村も続きました。
この二つの地区については、非難する必要が無い場所にあった店舗、病院、学校などが帰還区域を支えられる状態にあります。
これに対し楢葉町はどうでしょうか?
避難した飼い主に捨てられた牛たちがついこの間まで通りをさまよっていたこの町には、地域での生活を支えるためのこうした基盤はありません。
地域社会を復活させるためには、まずは生活のための基本サービスから再度整備していく必要があります。
楢葉町の駅は昨年業務を再開しましたが、改札口の上に取り付けられた放射線を測定するためのデジタル線量計がいやでも目につきます。
来年には中学校が再開される予定ですが、かつて約8,000人いたこの町帰還したのは、たったの300人です。
心配の種は尽きることがありません。
日本政府は日本人なら誰でも持っている共通の感情、故郷への愛着、望郷の思いに惹かれて住民の帰還が進むことを願っています。
さらに2020年の東京オリンピックの開催時には、福島第一原発周辺地区の『復活』を世界に向け喧伝できるようになることを切望しています。
そして何より福島第一原発の事故により全国で停止している原子力発電所を再稼働させられるために、政府としての事故処理能能力をアピールしたいのです。
福島県内の放射性物質によって汚染された農地や住宅地の除染作業を終えるまでには、およそ6兆円の国家予算がつぎ込まれるものと見られています。
これ程巨額の国家予算をつぎ込むのであれば、どこかほかの土地で被災者の生活再建を図った方がはるかに賢明であったという指摘もなされています。
〈 後篇に続く 〉
http://www.economist.com/news/asia/21676828-lack-trust-authorities-hindering-resettlement-near-fukushima-back-nuclear-zone?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227
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【 信じられますか?安全!ニッポンのゲンパツ : 避難区域への帰還2015 】《後篇》
http://kobajun.chips.jp/?p=25609
2015年11月11日 星の金貨プロジェクト
事故発生以降、福島県内の子供たち、青少年の間で甲状腺ガンの発症割合が異常に高くなっていることを確認
土地が安全になったのなら、なぜそこで収穫した農産物の放射線量の検査をしなければならないのか?
政府機関に対する不信感は、町や村の再建を不可能にする程、住民の間に広くかつ抜き差しならぬものになっている
エコノミスト 10月24日
かつて福島第一原発の周辺で暮らしていた約80,000の人々のうち、多くの人々がすでに別の場所で生活を再建しました。
帰還を果たした人々の多くは高齢にさしかかっています。
地元自治体では帰還する住民は多くても半分程度と見積もっており、特に放射線による健康被害が発生しやすい子供たちがいる家庭は、二度と戻らない可能性がある考えています。
人びとが放射線による被害を恐れる大きな理由は、日本政府と東京電力が公表している計測値に対する不信、そして放射性物質がもたらす本当の脅威です。
10月20日には、福島第一原発で事故収束作業にあたっていた作業員が、メルトダウンによる放射性物質の放出と関連性があるガンを発症したと公表されました。
これは福島第一原発の事故とガンの発症との因果関係が公式に認められた初めてのケースですが、最近行われた医療調査では福島第一原子力発電所の巨大事故が発生して以降、福島県内の子供たち、青少年の間で甲状腺ガンの発症割合が異常に高くなっていることが確認されています。
2011年に発生した福島第一原発の事故へのその後の対応のまずさは、日本の原子力関係諸機関に対する一般国民の信頼を大きく損ねることになりました。
2013年田村町都路地区の再開を当局が認めたとき、住民は帰還することの安全性に不信を露わにし、もっと徹底した除染作業を行うよう要求しました。
避難命令が解除されて1年後、川内村の遠藤町長は政府機関に対する不信感は、もはや村がかつての規模を取り戻すことは不可能な程住民の間に広く、かつ抜き差しならぬほどのものになっていると語りました。
彼は29年前に世界最悪の原子力発電所事故を引き起こしたウクライナのチェルノブイリ周辺地区を視察しました。
そこで目にしたまるで墓場のようないくつもの捨てられた町や村は、逆に川内村再建の彼の決意を一層強いものにしたと語ります。
しかし帰還を果たした人々もその多くが、彼らに対して示された保証を果たして信じていいものかどうか、未だに迷い続けています。
たくさんの人がこんな疑問を持っています。
土地が安全になったのなら、なぜそこで獲れた農産物はいちいち放射線量の検査をしなければならないのか、と。
楢葉町には旧都路村や川内村には無い、もうひとつの希望の光があります。
この町は福島第一原発の事故収束・廃炉作業、そして3.11の巨大地震・津波の被害が比較的軽微に済んだ福島第二原子力発電所に関連する仕事の恩恵を受けることが出来ます。
もうひとつ、楢葉町の喫緊の課題は新しい街灯を設備することです。
そのための資金は日本政府から出される助成金によって賄われます。
街灯が整備されれば町は蘇ったように明るくなり、その分住民の帰還が進むものと松本町長は期待を寄せています。
しかしいまは、すでにある街灯もほとんど点いてはいません。
夜は暗闇が支配し、不気味な気配があたりを支配したままです。
〈 完 〉
http://www.economist.com/news/asia/21676828-lack-trust-authorities-hindering-resettlement-near-fukushima-back-nuclear-zone?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227
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