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<例1>大手電力会社の2015年度上半期決算で、東日本大震災後初めて全社が黒字になった、というニュース。黒字額は10社合計で、驚くべし、1兆円弱。
電力料金値上げ苦しむ庶民には、怒ってしまう数字だ。
しかも、ついこの間まで、原発停止で経営難だという報道が続いていたが、この期間に再稼働していた原発は1基だけ(九州電力の川内原発)。燃料安などの要因もあるが、少なくとも現状では、原発なしでも黒字になった。
釈然としない。
(2)電力に関して腑に落ちない報道が続いている。
<例2>昨冬に続き、今冬も節電の数値目標を設定しない、というニュース。北海道電力でもピーク電力に対する予備率は14%だ。最低限必要な比率が3% だから、楽々クリアしている。最も需給が逼迫する関西電力さえ3.3%、しかも西日本全体では5.4%。各社で融通し合えば問題はない。
問題ないのに、電力会社は依然として、「老朽化した火力発電所の事故もあり得る」などと、うそぶいて「電力は足りている」とは認めない。認めたら「原発は不要だ」と突っ込まれても抵抗できないからだ。
しかし、実際には、大手電力の電力販売量は減少する一方なのだ。企業や国民の節電が進んだのが大きい。この動きはさらに加速するだろう。
(3)大手電力には「ハムレットの悩み」がある。
「節電要請をすべきか、すべきでないか」
本音では、原発を動かして、電力販売を増やしたい。そのためには節電は困る。
しかし、節電しなくていいと言えば、「電気が足りているのか、それなら原発はいらん」と言われてしまう。
そこで、「数値目標のない節電要請」という答えに行き着く。
数字を出せば、実現のための具体的な施策が必要となるが、それで本当に需要が減ったら困る。そこで、「無理のない範囲で節電を」と呼びかける。「本気で節電しないでね」と言うのと同じだ。
(4)(3)の「ハムレットの悩み」を象徴するとんでもない話がある。
関西電力が、来年4月から、電気を大量に使う家庭向けに特別割引の新プランを用意し、その原資とするために、いくつかの深夜割引プランなどへの新規加入を廃止する、というのだ。
関電は、高浜、大飯、美浜などの原発を動かしたい。しかし、その結果として電力がジャブジャブに余るので、消費者にもジャブジャブ電気を使ってもらいたい、というわけだ。
(5)日本の家庭向け電力料金は、消費量が増えると段階的に割高になる仕組みだ。省エネを推進するうえで重要な政策になっている。
ところが、関電は国策に背いて、オール電化のように大量の電気を使う家庭をどんどん増やし、その人たちだけ特別に割安の料金を適用する、というのだ。
一生けんめい節電し、家計をやりくりしている家庭に割高の料金を払わせて、節電しない家庭を優遇するというのだ。企業のエゴ丸出しで、国全体のことを考えていない。「公共事業」の名を汚す行為だ。
(6)安倍政権は、小売り自由化の名のもとに、こうしたデタラメな行動を許すだろう。
原発推進のためなら、何でもありだ。
これほど論理破綻した政策に固執するのは、利権のためか、核武装のためか。
□古賀茂明「エゴ丸出しの大手電力 〜官々愕々第177回〜」(「週刊現代」2015年11月21日号)
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