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スウェーデンの電力大手Vattenfall社 国内の原発2機の廃炉を決定。「経済的に優位性がない」と判断。(RIEF)
http://rief-jp.org/ct13/55705?ctid=76
2015-10-23 17:14:50
スウェーデンの電力・エネルギー会社Vattenfallは、同国南西部のイヨテボリ近郊にあるリングハルス原子力発電所の1、2号機を廃炉とすることを確認した。原発運営の経済的優位性が失われたことなどが理由。
リングハルス原発はVattenfallが70.4%の株を所有、残りはドイツのエネルギー企業のE.ONが所有している。稼働中の原発は1-4機あり、1号機は沸騰水型、それ以外は加圧水型。主要株主のVattenfallは年初に、同原発の閉鎖の検討を表明していた。今回、原発運営会社リングハルスの特別株主総会で2号機を2019年に、1号機は2020年に廃炉とすることを正式に決めた。E.ONも合意した。
同国には10機の稼働中の原発があるが、8機に減ることになる。原発による発電量も約2割減となる。廃炉の年限は、年初の予想より早まった。いずれも44年の稼動期間で終了することになる。
スウェーデンでは電力の40%を原子力に依存しているが、昨年9月の総選挙で社会民主労働党(社民党)が勝利し、緑の党を含めた連立政権が発足した。その結果、原発縮小・廃止を展望したエネルギー委員会が政権内に発足、原発政策の見直しを推進している。
Vattenfallは廃炉理由として経済的理由をあげている。同国では原発に対しては他の再生可能エネルギー発電より相対的に高い税金が課せられている。現在は、kWh当たり0.67ユーロで、これらの税負担額は発電運営費用の3分の1を占めるという。 さらに核燃料廃棄物処理等の費用が、同じくkWh当たり0.436ユーロかかり、こうした税負担合計で人件費の2倍に達する。
一方、風力やバイオマス発電などの再生可能エネルギーに対しては、政府の促進策として、原発の税負担の約3倍の補助金が投じられているという。ちょうど、日本で原発に多額の税金が投じられ、再エネ発電については国の補助金ではなく、消費者負担の固定価格買取制度(FIT)でまかなわれているのと対照的な負担の構造なのだ。
つまりスウェーデンでは原発は政策的にも、経済的にも間尺に合わなくなっている。また日本の福島原発事故後、安全対策強化投資が求められており、ますます原発コストは増大することになる。こうした理由からVattenfallは廃炉前倒しを決めた。他の原発についても今後、運営のあり方を見直すことになるという。
http://corporate.vattenfall.se/press-och-media/engelska/r1-and-r2-in-operation-until-2020-and-2019/
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