12. taked4700 2015年9月25日 19:52:34
: 9XFNe/BiX575U
: qVpvQNfcgo
>>03多分、04さんと同じ方だと思いますが、論文の内容について誤解をされているのでは? この論文は、「ランダムな変異」と内部被ばくや外部被ばくの結果起こる細胞内での変位の関係、特に、ガンマ線などの影響が「ランダムな変異」にどの程度あったかについて触れていません。または、そういった影響がない環境下でのデータをもとにしたということが述べれられていないのです。確認しておきますが、ガンマ線などの放射線による細胞のダメージはある意味、ランダムな変異の典型です。いつどの細胞に放射線が当たり、どの遺伝子が傷つけられるのか、まさにランダムなのです。 プラスして、アメリカは日本よりもずっと大規模に大地の放射能汚染がされています。これは、主にネバダでの核実験のためで、アメリカ全土が相当程度に様々な放射性核種で汚染されていると言っていい。 以下、重要だと思える点について、コメントをしておきます。 >がん発生の主な原因は、ランダムな変異によって起こる不幸な偶然/ジョンズホプキンス大学 2015年1月26日 幹細胞の分裂回数によるがんリスク統計学的モデリング 2015年1月1日 これ、はっきり言って、遺伝子変異によって癌化すると言うことを前提にすれば、ある意味、分かり切ったこと。遺伝子変異を特定の薬物などで人工的に制御することはできないのですから。もちろん、特定の薬物で癌化を促すことは可能ですが、非常に多数ある遺伝子の、そのまた多数ある塩基のどれをどんなものと入れ替えるかを制御は当然ながらできていないのです。 >ジョンズ・ホプキンス大学キンメルがんセンターの研究者らは、多くの組織について、幹細胞分裂時に生じる(DNAの)ランダムな変異が主な原因でおこる、がんの発生率を評価する統計モデルを作成した。この統計から、成人組織でのがん発生のうち、3分の2は主にがん化促進遺伝子内で生じるランダムな変異、つまりこの「不運な偶然」が原因であると説明することができる。一方、残りの3分の1は環境要因や遺伝形質が原因である。 この文章はある意味多少トリッキーです。環境が「幹細胞分裂時に生じる(DNAの)ランダムな変異」に与える影響を評価していないからです。環境は例えば栄養状態とか疲労の蓄積度、または、睡眠が十分とれているかなどを含むわけであり、こういった影響が全く「幹細胞分裂時に生じる(DNAの)ランダムな変異」に影響を与えないと考えることの方が、多分、現代の常識から言っておかしいと思います。 >このモデルのもたらす影響は、がんのリスク要因についての一般的認識を変えるに留まらず、がん研究の財政的支援にまで及ぶと研究者らは述べる。「各組織でのがんの発生の3分の2が幹細胞の分裂時に生じるDNAのランダムな変異によって説明されるならば、生活様式や生活習慣を変えることが一部のがんの予防に非常に役立つとしても、多様な他のがんに対しては有効ではないのかもしれません」と生物数学者であるCristian Tomasetti博士(ジョンズ・ホプキンス大学医学部兼ブルームバーグ公衆衛生大学院腫瘍学助教)は述べる。「私たちはこのようながんを治癒可能な早期に発見する方法を見出すことにより多くのリソースを集中すべきです」とTomasettiは言葉を添える。 この文章も、トリックというか、論理に繋がりが必ずしもあるわけではないと思います。つまり、「がんの発生の3分の2が幹細胞の分裂時に生じるDNAのランダムな変異」であると言うことの意味は、残りの3分の1は、幹細胞はない細胞の分裂時に生じるDNAのランダムな変異であるということ。このことと、「生活様式や生活習慣を変えることが一部のがんの予防に非常に役立つとしても、多様な他のがんに対しては有効ではないのかもしれません」とは論理的につながりがあるわけではないはず。つまり、「生活様式や生活習慣」から幹細胞の分裂時に生じるDNAの変位は影響を受けないということが証明されていないから。但し、もちろん、幹細胞は体の表面とか肺や腸の粘膜部位から遠いところにあることが普通ですから、幹細胞よりもそれ以外の細胞の方が環境変化の影響を受けやすいということは十分に言えると思います。ただ、繰り返しになりますが、だからと言って、幹細胞でのランダムなDNA変異が放射線の影響を受けていないとは言えないのです。そもそも、カリウム40の問題があります。カリウム40は普遍的に存在していて、カリウム40からの放射線から影響を受けない生物は地球上に存在しえないのです。 >特定の器官で死滅する細胞の再生は、幹細胞の「自己複製」によりなされている。 これもある意味、単なる常識を述べているだけです。 >組織特異的な幹細胞が、細胞分裂の複製過程で、DNAの塩基1つが他の塩基に不適切に置き換えられるランダムな誤りである変異によってがんが発生することは良く知られていた。これらの変異が多く蓄積されるほど、細胞が制御されずに増殖する(つまり、がんの特徴)というリスクが増加すること、遺伝や環境要因の関与と比較して、これらのランダムな誤りががん発生に実際に関与していることは、これまでは知られていなかったと、Vogelstein氏は述べている。 少なくとも「これらの変異が多く蓄積されるほど、細胞が制御されずに増殖する(つまり、がんの特徴)というリスクが増加すること」は常識的に知られていたはずです。「遺伝や環境要因の関与と比較して、これらのランダムな誤りががん発生に実際に関与していること」を証明するのは、多分、非常に困難です。環境要因を排除する方法がそもそもなかなかみつからないからです。一つの方法として、同じ環境に一定の人びとを置いて、比較する方法がありますが、それでも遺伝要因は排除できません。新薬開発に於いては特定の薬物の効果を確かめることが行われるのですが、ガン関係での薬の有効性を確認するのはかなり困難というか、微妙な問題を含んでいる様子です。その典型が武田薬品のアクトスという薬の膀胱がん発生との関係です。こういった問題が起こるのは遺伝子変異が基本的にランダムで、そのランダムさを一定の範囲で制御することしか、現代の科学ではできていないからです。 >「一般的に、ある組織型における幹細胞分裂回数の変化は同一組織のがん発生率の変化と大幅に相関していることが私たちの研究により示されます」とVogelstein氏は述べる。1つの例が結腸組織で、ヒトでは結腸組織の幹細胞分裂回数は小腸組織のそれの4倍であり、同様に、結腸がんは小腸がんよりもはるかに多い。 多分、これもかなり常識的なことです。細胞分裂の回数が多い方がDNAの複製エラーが起こりやすいことは、放射線の影響を若い人の方が受けやすいと言われていることと同じです。なお、上の文章の後に述べられている「マウス結腸は小腸よりも幹細胞分裂回数が少なく、かつ、マウスでは結腸がん発生率は小腸がんのそれよりも低いこと」はとても興味深いことですね。なぜなのか、自分も不思議に思います。 >研究者らは統計理論を使用して、幹細胞分裂回数によるがんリスクの変動をどの程度説明できるかを算出した。その数値は0.804×0.804、すなわち、約65%である。 このことと、「各組織でのがんの発生の3分の2が幹細胞の分裂時に生じるDNAのランダムな変異によって説明される」ということは同値であるように思えますが、どう違うのでしょうか。0.804の根拠が示されずにいるのはちょっと??です。 >最後に研究者らは、調べたがん種を2群に分類した。次に、どのがん種が幹細胞分裂回数により発生率が予測されるか、ならびに、どのがん種でその発生率が高くなるのかを統計学的に算出した。そして、22種類のがんは細胞分裂時に生じるランダムなDNA変異の「不運」な要因によって大部分は説明が可能であることを突き止めた。残りの9種類は「不運」によって予測される以上に発生率が高く、かつ、不運と環境要因もしくは遺伝要因の組み合わせに由来すると推定された。 これ、相当に???です。どうやって環境要因を遮断したのか、それが問題です。 >「喫煙や他の好ましくない生活様式の要因により、がん発症リスクが増加することが本研究から示されます。しかし、多くのがんは生活様式や遺伝要因とは無関係に、がん化促進遺伝子内の変異の獲得という不幸が主な原因です。これらのがんを完全に治療する最善の方法は、がんがまだ外科手術で治癒可能な早期に発見することです」とVogelstein氏は言葉を添える。 これも何か???な内容です。「がん化促進遺伝子内の変異の獲得」ががん発症の根本原因なら、「がんを完全に治療する最善の方法は、がんがまだ外科手術」ではなくて、「がん化促進遺伝子内の変異の獲得」が起こらないようにすることでは?
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