17. taked4700 2015年8月28日 19:52:37
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>>16「原発再稼働、今でしょ!」 http://megalodon.jp/2015-0827-1402-13/ironna.jp/article/1826 読みましたが、明らかに現状の誤認がありますね。 以下、「原発再稼働、今でしょ!」からの引用を付して、それがどう間違っているかを述べます。 >風力と太陽光を使えば使うほど、バックアップ用の火力発電に対する依存度は上がっていく。発電システム全体で見ると温室効果ガスの排出は減ることはない。 多分、この部分が「原発再稼働、今でしょ!」と言う記事の最も肝心な部分だと思いますが、全くの誤解と言うか誤誘導というか、誤りです。前半部分は正しいのですが、「発電システム全体で見ると」と言う部分が曲者で、現実の電力供給のことではないと言っているわけです。太陽光の稼働率が13%程度、風力は30%程度ですから、反対に言えば、太陽光が究極まで普及しても83%はバックアップ電源が必要になるという意味で、「発電システム全体で見ると温室効果ガスの排出は減ることはない」というのはほぼ正しいと言えます。しかし、これは、発電システムの中で、稼働率を比較したということであり、現実の発電では、当然、太陽光・風力が稼働すれば、その分だけ火力をやる必要が減りますから、温室効果ガスの排出は減少します。 このことに関連して、次に問題なのは >電気は貯められない。 の部分。揚水発電が典型ですが、電気は貯められます。つまり、太陽光と風力だけであっても、揚水発電の様な蓄電システムが充実していれば、火力は必要ないのです。まあ、もっとも、現状では蓄電システムのほとんどはかなり高価ですから、現実的な話ではありません。それでも、今後の技術進歩は有り得るので、「電気は貯められない。」と言い切ってしまうのは問題です。 次に取り上げるのは、「原発再稼働、今でしょ!」の中でもこの部分はかなり罪深いなと思ったところです。
>放射線を大量に浴びることによって、人間の細胞の中にあるDNAに傷がつく。もし、この傷が修復されなければその細胞はガンになる。しかし、人間の体にはDNAの傷を修復する能力が備わっている。つまり、放射線によってDNA傷がつくスピードより、その傷を修復するスピードの方が遅ければガンが発生し、その反対の場合はガンが発生しない。私と同世代の日本人が自らの肉体を人体実験に供して証明したことは、今回の原発事故の何倍もの放射線を浴びても、人間の体はそれを十分に修復する能力があるということだ。 この文章、あまりにも単純化しすぎです。少なくとも、福島第一原発事故と「1963年から1980年まで支那共産党は公式には46回、実際には50回以上にわたる核実験を続けてきた。この時に大量の放射性物質を含む塵が大気中に巻き上げられ、偏西風に乗って日本に振ってきた。」という状況を比べるのは、あまりに大まかです。 まず、原発や原爆から放出されたホットパーティクル、つまり、放射性の原子は大気中ですぐに酸化されたり、硫酸イオンや硝酸イオンと結びついて分子化します。この段階では分子が非常に小さく、肺や消化管から取り入れられたものが体内へ吸収されやすいのです。また、野菜などの生体内部へ取り入れられていきやすいのです。葉面吸収がされてしまいます。 放射性の希ガスは反応しないまま、周囲の大気で冷やされ、やがて地表近くへ降下して人々の肺に取り込まれていきます。 ところが、数百キロも離れると、ホットパーティクルのほとんどは空気中のチリなどへ付着し、中にはスギ花粉程度大きさになるものもあります。そのため、肺や腸管からの吸収はかなり抑えられるのです。よって、中国での原発実験の結果のホットパーティクルは日本に来るまでにはほぼ完全にチリなどに付着してしまい、日本でそれほど深刻に考える必要があるほどの被害はなかったということです。ただし、それでも、食物連鎖で家畜が体内へ蓄えた放射性物質が人間に影響を与えた面があるのは確実です。 福島第一原発事故においては初期被ばくがまったく隠ぺいされてしまっていますが、初期被ばくの影響は相当に大きいと言うべきだと思います。そもそも、福島第一原発の時に放出されたホットパーティクルは相当に高濃度であったはずで、白い雪のようなものがひらひらと空から降ってきたという状況は、中国での核実験の結果の大気汚染とは全く比べものにならない状況です。 更に、被曝の程度は状況によってかなり異なります。原発にごく近くにいた人でも、幸運にそういったホットパーティクルに接することなくほとんど被ばくを免れた方もいたでしょうし、運悪く、何時間も屋外に居て、知らないうちに体内被曝を相当にしてしまった方もいたはずです。 原発の問題、特に被曝の問題は、相当に慎重に考えないといけない問題だと思います。 |