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川内原発再稼働「いわゆる自然現象というのは工学的な機械と同じようにはいかないので、思ったように予測というのはできないと考える方が適切だろうと思います」〜第135回小出裕章ジャーナル
http://www.rafjp.org/koidejournal/no135/
2015年08月08日 ラジオフォーラム
20150808 R/F #135「小出裕章ジャーナル」【川内原発再稼働】
湯浅誠:
さて今日の小出裕章ジャーナルですが、川内原発再稼働目前ということでですね、この番組でも、何度も取り上げてきたテーマではあるんですが、この時期が時期ということもありまして、改めて川内原発の再稼働問題について、小出さんに伺いたいと思っております。小出さん、よろしくお願いします。
小出さん:
こちらこそ、よろしくお願いします。
湯浅:
川内原発、いくつかの課題があるにも関わらず、それがきちんと解決されないまま、再稼働されようとしていると。まずそのうちの問題点のひとつとして、アイラカルデラ等の周辺火山の噴火対策、大丈夫なのかっていうことがありますが、いかがでしょうか?
小出さん:
はい。私は、火山の専門家ではありませんので、私がお答えするのが適当かどうかは分かりません。だたし、もう皆さんご存知だと思いますが、九州には巨大なカルデラ、皆さん阿蘇に行ったことがあるかもしれませんが、何10キロという巨大な穴が開いているわけですね。それが5つも並んでいるということですので、もし本当にカルデラが生じるような巨大な爆発が起きたらどうなるかということは、もちろんみんな心配してきたわけです。
九州電力の方は「いやそんな巨大な爆発は滅多に起きないから大丈夫だ」「もし起きるとしても、前兆現象が観測できるから、そうなった時から準備をすれば、十分に被害を食い止められる」というようなことを言ってきているわけです。ただし最近になっても、例えば御嶽山の爆発というのがあって、まさか誰も御嶽山が爆発するなんてこと思ってもいなかったけれども、爆発した。ごくごく最近では、口永良部島もそうですけれども、まさかと思うような時に巨大な爆発が襲ってくるわけです。
火山の専門家は、そのへんのことを十分知っているわけで、川内原発についての新規制基準の、一応合格したという答申が出た時にも、火山学会の人達はみんな集まって、「いやそんな爆発が予測できるななんてことはあり得ない」と彼らが言っているわけです。私もたぶんいわゆる自然現象というのは工学的な機械と同じようにはいかないので、思ったように予測というのはできないと考える方が適切だろうと思います。
湯浅:
「そんなことは滅多に起きないんだから、まあ大丈夫でしょう」って、なんか前にも聞いたことあるような気がします。
小出さん:
そうですね。はい。
湯浅:
住民の方達にとっては、万が一の時の避難ということがとても大事というか、死活問題になるわけですが。
小出さん:
そうですね。
湯浅:
結局、この避難計画はどこまで進んでるんですかね?
小出さん:
まず基本的なことですけれど、原子力発電所を造って、安全性が確保。安全性が確保ということは、私あんまり言葉を使いたくないけれども、少なくとも社会的に合意できる程度の安全性が確保できるかどうかということは、原子力規制委員会が新規性基準の中できちんと判断するべきだと、私は思ってきました。
しかし、原子力規制委員会の新規制基準には避難計画は全く含まれていない。規制委員会自身は、機械としての安全性だけしか判断しない。そして、事故が起きた時のことは、もう自治体が勝手に考えろというようなことで、自治体に押し付けてしまった。丸投げされた自治体の方は、そんな規制基準も知らないというような事態に対して、きちっとした避難計画などできる道理がないわけですし、実際に福島第一原子力発電所の事故の時にも、いわゆる災害弱者と言われるような人達がみんな取り残されて、命を落としていったわけです。
川内原発の場合にも、病院関係者の人達は「もうほとんどそんな避難なんかできる道理がない」と当事者自身が言ってるわけですし、鹿児島県知事にしても「10キロ以遠はもうどうにもならない」と言ってるわけで、避難計画なんてもともとできないと、やはり思うしかないだろうと思います。
湯浅:
そして、さらに老朽化問題もあるんですかね?
小出さん:
そうですね。原子力発電所も機械ですから、どんどんどんどん老朽化していくわけです。世界の基本的な常識としては、40年程度でもう原子力発電所というのは運転停止する。そして、廃炉に向けた作業に入るのがいいというのが、これまでの常識でした。
日本でも40年を超えた原子力発電所が次々と生まれていくということで、敦賀1号機、美浜1号機というのは、もう原子力関係者自身が廃炉に向けて作業を始めるという宣言をしているわけです。川内原発1号機もすでに30年を超えてしまっていますので、仮に今から再稼働をしたところで、そんなに長く動くわけではありませんし、さまざまな安全対策をお金をかけてやって動かしたところで、またすぐにもう寿命がきてしまうということになってしまいます。
湯浅:
しかしあれですよね。最初の頃は「原発動かさないと電力がもたないぞ、夏が乗り切れないぞ」って言ってて。
小出さん:
言ってましたね。はい。
湯浅:
そのうち「原発動かさないと、輸入でお金がかかってしょうがないぞ」って言ってて。それで今度は「CO2がなんとかしなきゃいけないぞ」って言い出して、結局「やっぱりベースロード電源なので必要だね」って。まあなんかいろんな理由がこの間、手を替え品を替え出てきましたが、やっぱりあれですかね? どうしても動かしたいっていうことなんですかね?
小出さん:
どうもそのようですね。福島第一原子力発電所の事故が起きた時も、「原子力がなければ停電してしまう」と脅かしてきたわけですし、それより前は「原子力発電所が日本の電機の3割を支えているので、もう原子力から抜けることなんてできないんだ」と、ずっと国民は聞かされてきたわけです。
しかし、実際には原子力発電所なんか即刻、全廃したとしても日本の電力供給が不足するなんていうことは元々なかったのです。私は、福島第一原子力発電所の事故が起きる前から、そのことをずっと発言してきましたし、国の統計データを見るだけでも、原子力を全く使わずに火力と水力だけで十分足りるということは、もう分かっていたことなのです。
それが今、事実として証明されてるということになっているわけで、これからも川内原子力発電所を含めて、全ての原子力発電所を即刻全廃しても、電力供給ということに関する限りは全く困りません。
湯浅:
はい、ありがとうございました。
小出さん:
ありがとうございました。
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