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なんのための原子力発電なのか?これは「大量殺人」ではないのか?
http://diamond.jp/articles/-/75637
2015年8月5日 広瀬 隆 [ノンフィクション作家] ダイヤモンド・オンライン
『原子炉時限爆弾』で、福島第一原発事故を半年前に予言した、ノンフィクション作家の広瀬隆氏。
このたび、壮大な史実とデータで暴かれる戦後70年の不都合な真実を描いた『東京が壊滅する日――フクシマと日本の運命』が大反響となり、第3刷が決まった。
新著で「タイムリミットはあと1年しかない」と、身の毛もよだつ予言をした著者が、おそるべき危険性を緊急警告する!
■人間には、“超えてはならない一線”がある
原発とは、原子力発電の略語である。
つまり日本では、「発電する」ことに、原発本来の目的がある。
ところが、アメリカ・ヨーロッパ・ロシア・中国の核兵器保有国では、それ以外に、原子炉を使って、ウランから原子爆弾や水素爆弾の原料であるプルトニウムをつくりだす、というおそるべき軍事的な目的がある。今でも、それが続いている。
そもそも歴史的には、アメリカが第二次世界大戦中に原爆の開発に成功したあと、核分裂のエネルギーを爆弾以外のところに実用化しようという発想から、戦後の1954年にアメリカ海軍の原子力潜水艦第一号が、ディズニー映画『海底二万哩《マイル》』の潜水艦に因んでノーチラス号と名づけられ、進水した。
この原子力潜水艦の動力として使われた小型の原子炉が、のちに陸にあがって巨大な原子力発電所となっていった。それが、電気を利用する原発の生みの親となったわけである。
その原水爆の利権が、途方もない規模の巨大な軍需産業──人殺し産業を全世界に生み出してしまったのだ。
その利権を求める欲望が、とどまるところを知らずに膨張してゆき、われわれの背後では、それが今でも、全世界の原発を動かす巨大な動力となっている。その経過を書いたのが、『東京が壊滅する日――フクシマと日本の運命』である。
だが、安倍晋三や麻生太郎のように、核兵器を保有したいという願望に取り憑かれた危険思想の人間たちに言っておきたいことがある。
8月6日と8月9日に、広島・長崎に原爆が投下されてから70年目の記念日がやってくる。原水爆を枕元に置いて寝たいという人間は、その悲劇の記念式典で語られる言葉に、心から耳を傾け、広島と長崎で起こった歴史上の出来事を、再びしっかり目を開いて見る必要がある。
その原爆の熱線に焼かれる惨劇を体験した語り部の方たちは、現在生き残っている人も高齢に達し、今では語り口も、きわめておだやかである。
だが、内心の怒りと哀しみは、他人には到底分らないほど強く、また深いものである。戦後に育った私たちには、この人たちの心中を思い測るだけの人間としての想像力が求められる。人間には、“超えてはならない一線”というものがあることを。
■安倍晋三の無知
原水爆を求めて狂っているのは、政治家と職業軍人だけだ。少なくとも現在の日本では、彼らを除けば、大方の日本人は、たとえ「原発が必要だ」という意見の人間であっても、「原水爆が必要だから原発を動かせ」とは言うまい。
では、そのほかの「原発が必要だ」という人たちは、何が目的で、原発の再稼働という危険な言葉を軽々しく口にするのか?
今にも鹿児島県の川内《せんだい》原発が、次の大事故を引き起こし、この国を滅亡させようとしているのに……そして再稼働の二番手に挙げられている愛媛県の伊方《いかた》原発も、日本の西に位置して、日本最大の活断層・中央構造線の真上にある四国の原発だという点では、川内原発とまったく同じ危険性を持っている。
これらの原発を再稼働しようとする最大の原因は、無知にある。
人体におよぼす放射能の危険性について、医学的なメカニズムをまったく知らないのである。
ヒロシマ・ナガサキの被爆者と同じように、悲しいことに、4年前に起こったフクシマ原発事故によって、私たち日本に住む人間の細胞に、至るところ大きな破壊が起こされた。
すでにこの事実は、リセット不能である。
たとえ、全身を測定できるホールボディーカウンターで体内の放射性物質の量を測定しても、それによって、「すでにできた細胞の傷跡」を知ることはできない。これから相当な注意を払って被曝を避けるように注意しても、誰一人、事故前の体には戻れない。
実は、私が“大事故目前”を予感した2010年に、「もし大事故が起こったら、何も言うまい」と決めていたのも、被曝した人に対して「その細胞への影響」を口にする勇気がなかったからである。
ところが翌2011年にフクシマ原発事故が起こってしまうと、みなが平然と高濃度の放射能の空気中を動き回り、ますます被曝しているのを黙って見ていることができずに、これ以上の被曝を避けさせなければならないと思い、全国を回って、300回にもおよぶ講演をしてきた。
だが、どうしても口にできなかったのが、「そのこと」(全身の細胞につけられた傷跡)である。事故によって被曝したあとでは、すでに取り返しがつかない。言っても意味がないと思ったからだ。
しかし安倍晋三たちが、強引に川内原発の再稼働を進めて、大事故を再現しようとやっきになっているのだから、やはり“最も重大なその事実”を言わなければならない。そこで意を決して書いたのが、『東京が壊滅する日――フクシマと日本の運命』である。
読者も、過去に生み出された被バク者の苦しみの体験という史実から目をそむけないようにしてほしい。膨大な数の人間が、癌になり、白血病に冒され、白内障で失明し、心筋梗塞で短い命を断たれてきたのだ。
■人口密度が高い東京一帯では、これから大変なことが起こる!
具体的には、こういう事実がある。
1986年に起こったソ連のチェルノブイリ原発事故の放射能汚染地帯となったベラルーシでは、ミンスク大学放射線化学研究所のエフゲニー・ペトリャーエフ教授が、事故が発生した翌年の1987年から1992年までに、11〜70歳の一般死亡者の遺体300体を解剖して、放射能の被害を調査した。
その結果、実に7割の遺体からホットパーティクルと呼ばれる「強い放射線を出す微粒子」を検出したのだ。
このホットパーティクルは、セシウムではなく、いくつかの放射性物質の混合物から成っていた。したがって、ウランを主体として、プルトニウムやルテニウムなどの猛毒物が含まれている。吸いこんだ空気を通して、肺の深部や気管支に分布し、その粒子の数は、遺体一人あたり数百個〜2万個前後にも達した。
ホットパーティクルは、排出されることなく、死ぬまで肺にとどまり続ける。そのため、間違いなく癌を引き起こして、多くの人命を奪ってきたのだ。
では2011年のフクシマ原発事故では、何が起こったのか?
内部が数千度の高温になった原子炉からは、同じようにウラン、プルトニウム、ルテニウムがガス化して、東日本全域の空気中を漂い、われわれがそれを吸いこまされたのである。
事故当時、フクシマ原発が爆発した翌月に自動車で走行したエアーフィルターを取り出し、レントゲンフィルムに感光させた写真をみると、アメリカ北西部のシアトルではきれいだが、東京や福島市では、放射性の微粒子が大量に検出されていた。自動車が吸いこんだと同じ空気をわれわれが吸っていたのだから、体内にホットパーティクルが大量に取り込まれたのだ。
この写真の上の赤い数字で示される通り、空間線量を測っても、シアトルと東京では、ほとんど変らないが、体内の細胞が受けた傷跡は、まったく異なるのだ。この傷跡が、いずれ動き出す。
いや、もうすでに多くの人がその被害の渦中にある。
次々と、亡くなった方の報告が届いている。まだ医学的な統計が出ていないだけである。
人口密度が高い東京一帯の首都圏では、これから、大変なことが起こる。
■原発大事故は、「大量殺人」である
原発の大事故は、子どもたちだけでなく、膨大な数の人間を悲劇に巻き込む「大量殺人」なのである。加害者の電力会社は、まぎれもない人殺しなのだ。
なぜこれほど単純な事実が、誰からも指摘されないのか。なぜ東京電力の責任者は、誰一人、裁かれていないのか。
こうした事実さえ知っていれば、再稼働などという発想は、二度と、どこからも出てこないはずだ。
再稼働に突進する電力会社、とりわけ、九州電力の社長・瓜生道明、四国電力の社長・佐伯勇人、そして電気事業連合会の会長として電力業界の親分を気取る関西電力の社長・八木誠に、強く言っておく。
また再稼働に次々とゴーサインを出してきた原子力規制委員会の田中俊一委員長と、原子力規制庁の無能官僚たちに、強く言っておく。
被曝の深刻さをまったく報じないテレビと新聞の報道記者にも言っておく。
今後も大事故を防ぐことは、この地震国で、この火山国で、さらに四周を海に取り囲まれたこの津波国家では、絶対に不可能なのである。
では、誰が、加害者=殺人者と呼ばれたいのか?
九州電力の社長・瓜生道明、四国電力の社長・佐伯勇人、関西電力の社長・八木誠に尋ねているのだ!
原子力規制委員会の田中俊一委員長に尋ねているのだ!
安倍晋三に尋ねているのだ! 答えよ!
■なぜ、『東京が壊滅する日』を緊急出版したのか
このたび、『東京が壊滅する日――フクシマと日本の運命』を緊急出版した。
現在、福島県内の子どもの甲状腺ガン発生率は平常時の70倍超。2011年3〜6月の放射性セシウムの月間降下物総量は「新宿が盛岡の6倍」、甲状腺癌を起こす放射性ヨウ素の月間降下物総量は「新宿が盛岡の100倍超」(文科省2011年11月25日公表値)という驚くべき数値になっている。
東京を含む東日本地域住民の内部被曝は極めて深刻だ。
映画俳優ジョン・ウェインの死を招いたアメリカのネバダ核実験(1951〜57年で計97回)や、チェルノブイリ事故でも「事故後5年」から癌患者が急増。フクシマ原発事故から4年余りが経過した今、『東京が壊滅する日――フクシマと日本の運命』で描いたおそるべき史実とデータに向き合っておかねばならない。
1951〜57年に計97回行われた米ネバダの大気中核実験では、核実験場から220キロ離れたセント・ジョージで大規模な癌発生事件が続出した。220キロといえば、福島第一原発〜東京駅、福島第一原発〜釜石と同じ距離だ。
核実験と原発事故は違うのでは? と思われがちだが、中身は同じ200種以上の放射性物質。福島第一原発の場合、3号機から猛毒物プルトニウムを含む放射性ガスが放出されている。これがセシウム以上にタチが悪い。
3.11で地上に降った放射能総量は、ネバダ核実験場で大気中に放出されたそれより「2割」多いからだ。
不気味な火山活動&地震発生の今、「残された時間」が本当にない。
子どもたちを見殺しにしたまま、大人たちはこの事態を静観していいはずがない。
最大の汚染となった阿武隈川の河口は宮城県にあり、大量の汚染物が流れこんできた河川の終点の1つが、東京オリンピックで「トライアスロン」を予定する東京湾。世界人口の2割を占める中国も、東京を含む10都県の全食品を輸入停止し、数々の身体異常と白血病を含む癌の大量発生が日本人の体内で進んでいる今、オリンピックは本当に開けるのか?
同時に、日本の原発から出るプルトニウムで核兵器がつくられている現実をイラン、イラク、トルコ、イスラエル、パキスタン、印中台韓、北朝鮮の最新事情にはじめて触れた。
51の【系図・図表と写真のリスト】をはじめとする壮大な史実とデータをぜひご覧いただきたい。
「世界中の地下人脈」「驚くべき史実と科学的データ」がおしみないタッチで迫ってくる戦後70年の不都合な真実!
よろしければご一読いただけると幸いです。
<著者プロフィール>
広瀬 隆(Takashi Hirose)
1943年生まれ。早稲田大学理工学部卒。公刊された数々の資料、図書館データをもとに、世界中の地下人脈を紡ぎ、系図的で衝撃な事実を提供し続ける。メーカーの技術者、医学書の翻訳者を経てノンフィクション作家に。『東京に原発を!』『ジョン・ウェインはなぜ死んだか』『クラウゼヴィッツの暗号文』『億万長者はハリウッドを殺す』『危険な話』『赤い楯――ロスチャイルドの謎』『私物国家』『アメリカの経済支配者たち』『アメリカの巨大軍需産業』『世界石油戦争』『世界金融戦争』『アメリカの保守本流』『日本のゆくえ アジアのゆくえ』『資本主義崩壊の首謀者たち』『原子炉時限爆弾』『福島原発メルトダウン』などベストセラー多数。
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