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再稼働で揺れる 川内原発の地震対策は、 まったくなっていない!
http://diamond.jp/articles/-/74801
2015年7月17日 広瀬 隆 [ノンフィクション作家] ダイヤモンド・オンライン
福島第一原発事故を半年前に予言した書『原子炉時限爆弾』で衝撃的な事実を発表したノンフィクション作家の広瀬隆氏。
あの原発事故から4年が経った。
このたび、『東京が壊滅する日――フクシマと日本の運命』でおそるべき予言をした著者が、再稼働目前となった、鹿児島県にある川内(せんだい)原発の知られざる危険性を緊急警告する。
■川内原発は“わが国初の大地震の直撃を受けた原発”
広瀬 隆(Takashi Hirose)
1943年生まれ。早稲田大学理工学部卒。公刊された数々の資料、図書館データをもとに、世界中の地下人脈を紡ぎ、系図的で衝撃的な事実を提供し続ける。メーカーの技術者、医学書の翻訳者を経てノンフィクション作家に。『東京に原発を!』『ジョン・ウェインはなぜ死んだか』『クラウゼヴィッツの暗号文』『億万長者はハリウッドを殺す』『危険な話』『赤い楯――ロスチャイルドの謎』『私物国家』『アメリカの経済支配者たち』『アメリカの巨大軍需産業』『世界石油戦争』『世界金融戦争』『アメリカの保守本流』『資本主義崩壊の首謀者たち』『原子炉時限爆弾』『福島原発メルトダウン』などベストセラー多数。
もうすでに2年間近く「原発ゼロ」のまま、電気が充分に足りる静かな時を過ごしてきた日本である。
「原発がなければ江戸時代に戻る」と言っていたのに、おかしいではないか。
ところが、無知無謀な電力会社と、天狗熱に浮かれた安倍晋三の日本政府と、原子力規制委員会・原子力規制庁が、日本にまったく不要の鹿児島県の川内《せんだい》原発を再稼働させようと、なりふり構わず暴走をしている。
今にも“第二のフクシマ原発事故”を起こそうとしているのだ。にもかかわらず、一般の日本人には、その危険性がほとんど認識されていない。
それは、テレビと新聞のマスメディアが、大声で警告を発しないからである。テレビと新聞の記者には、思考力がないのだろうか?
そもそも川内原発は、“わが国で最初に大地震の直撃を受けた原発”なのである。それは、たまたま幸運にも戦後半世紀、日本列島に続いた地震の静穏期を過ぎて、1995年の兵庫県南部地震によって死者6000人を超える阪神大震災を招いた直後であった。
つまり、過去に明治・大正・昭和に頻発したと同じような地震の大激動期に入って2年後、1997年3月と5月に川内《せんだい》市(現・薩摩川内市)を襲った震度5強と6弱の激震であった。
「断層がない」と言われていた、原発からわずか十数キロが震源だったのだ。
日本列島には、原発大事故の脅威となる最大の活断層として、列島を縦断する中央構造線と、日本の中央部を横断する糸魚川〜静岡構造線(糸静線)がある。
4年前の東日本大震災以後、ついに昨年末の長野北部地震で、その糸静線が動いて、1メートル近いズレを起こした。大変な断層の動きである。
■日本最大の活断層の上に建つ原発の恐怖
同じように、中央構造線もそろそろ動くだろうと見られている。川内原発は不幸にして、その日本最大の活断層の上に建っているのだから、そもそもこんな場所にあることが間違いなのだ。
中央構造線が動けば、マグニチュード8という内陸型地震として最大の揺れに襲われる。しかも、大地震が原発の直下で起こるのだから、東日本大震災で、至るところが破壊された福島第一原発とは比較にならない巨大な揺れに襲われるのである。
原子力発電所の敷地そのものがはね上がるので、耐震性も何もない。原発ごと吹き飛ぶ大惨事となる。
加えて現在は、それを予告するかのように、地球の動きが止まらない。
誰もがご存知の通り、九州全体の火山の噴火が日本一、という活発な状態を続けているのだ。
すなわち、2009年にはじまった鹿児島県の桜島の大噴火は、2010年以後、1000回を超える噴火を4年間も記録し続け、昨年だけ爆発的噴火が450回へと半減したが、安心できるどころか、逆に、噴煙の高さが3000メートルを超える噴火が16回を数え、爆発の規模はむしろ拡大傾向にあるのだ。
2011年1月26日には、桜島の北にある霧島山の新燃岳《しんもえだけ》で大噴火が起こった(その直後に東日本大震災が起こったのである)。
2014年11月25日には阿蘇山噴火が起こって噴煙が1500メートルに達したかと思うと、2015年5月29日には、前年に噴火がはじまった鹿児島県の口永良部島《くちのえらぶじま》で大噴火が起こり、噴煙が9000メートルに達した。つい先日のことだ。
■規制庁を動かす集団はどんなメンバーか?
つまりこれら活発な火山に囲まれた川内原発を、大地震が襲う日は、刻々と、目前に迫っている。
この原発の耐震性を検討しているのは、原子力規制委員会である。
だが、実質的には、その配下にある原子力規制庁の「官僚」たちが、九州電力の提出した書類を審査している。
規制庁とは、その8割が、フクシマ原発事故を引き起こしたあの悪質・無能な原子力安全・保安院のメンバーなのである。
フクシマ原発事故前と何も変っていないのだ。
この規制委・規制庁とも、2012年の発足以来、「原発の敷地に活断層があるか・ないか」だけを議論してきた。彼らに何度言えば分るのだろうか。
原発の敷地近くに、大地震を誘発する可能性のある活断層が存在すれば、その原発は即座に廃炉にしなければならないことは常識だ。
しかし過去の地震において、原子力発電所で危険とされるマグニチュード6.5を超える地震が発生しながら、断層が地表に出現しなかった記録は、山のようにある。
さらに、それより大きなマグニチュード(M)7.0を超えて断層が地表に出現しなかった地震は、1900年・宮城県西部地震(M7.0)、1914年・桜島地震=桜島大正大噴火(M7.1)、1914年・秋田仙北地震(M7.1)、1924年・丹沢山塊地震(M7.3)、1961年・北美濃地震(M7.0)、1995年・兵庫県南部地震=阪神大震災(M7.3)がある。
阪神大震災では、淡路島に野島断層が出現したが、大被災地の神戸側では大きな断層が出現しなかった。
つまり活断層の存在が確認されないからといって、それは、何ら「大地震が発生しない」という科学的根拠とはならないのである。これが、地震学の初歩知識である。原子力規制庁の「官僚」たちは、その知識さえ持たない集団だ。
ほんの7年前の2008年6月14日に起こった岩手・宮城内陸地震は、「活断層がない」とされていた地帯での内陸直下型(M7.2)の地震であった。
しかも、この岩手・宮城内陸地震で、震源断層の真上で観測された最大加速度4022ガルが、「人類史上最大の揺れ」として、ギネスブックの記録に認定されたのだ。
特にこの地震で上下動3866ガルを記録したことは、全国の地震学者に、もはや日本に原発を建設・運転できる適地は存在しないということを知らしめた。なぜなら、日本の原子力発電所は、耐震性の計算において、主に横揺れ(水平動)を考えて建設されてきたので、上下動には非常に弱いからである。
地球の万有引力(重力加速度)は980ガルだから、長時間にわたってこれを超える揺れに襲われると、地上にあるものは、巨大なビルでも浮き上がる。その4倍の大地震が、岩手・宮城内陸地震であり、現地では山が崩れて消滅したのだから、原子力発電所の敷地ごと吹き飛ぶ、というのは、決して大げさな予測ではない。
■日本の破滅は目前!不可解で科学的な根拠ゼロの地質調査
こうした目の前で起こっている歴史的な事実を無視して平気な、地震学についてほとんどド素人と呼んでもよい人間たちが、今日も川内原発の耐震性の審査をしているのだ。
しかも九州電力の耐震性の計算のもとになった断層の分布図を見ると、川内原発に近づくと、断層がなくなってしまうという、まことに不思議な地質調査である。
左の図で、赤い点線のところは、誰が見ても、つながっているはずだと思うだろう。
事実一昨年、2013年2月1日の政府地震調査研究推進本部(本部長・文部科学大臣)の地震調査委員会(以下、推本、と呼ぶ)が衝撃的な発表をした。
それによれば、川内原発のすぐ南にある五反田川断層は九州電力の発表より、はるかに川内原発に近いことが明らかになり、九州電力の判定で19kmであったものが推本の調査で25kmであったことが判明した。
それによる推定マグニチュードが6.9→7.2へと、想定すべき地震エネルギーが約3倍になった。
またF−A断層とF−B断層は、九州電力の判定でそれぞれ18kmと15kmとされていたが、推本の調査でこの両者は一体となった甑《こしき》断層39kmと判定され、想定マグニチュードは6.9→7.5へと、想定すべき地震エネルギーが約8倍になった。
さらにF−C断層は、九州電力が16km(推定マグニチュード6.8)としていたが、推本の調査では38kmの甑海峡中央断層と判定され、マグニチュード7.5へと、地震エネルギーを11倍に想定すべきと判定されたのだ!
想定される地震エネルギーの予測が11倍になったのなら、耐震性(原発の基準地震動)は、それまでの372ガルの11倍、4092ガルにしなければならない。
ところが、その6分の1以下の620ガルで、規制庁が「OK。安全です」と再稼働にゴーサインを出したのだから、どういうことか理解できる人間はいないだろう。
おいおい、九州電力も、原子力規制委員会・規制庁も、これを「世界一厳しい基準だ」とのたまう安倍晋三も、頭は大丈夫か?
このように事業者(九州電力) が勝手に論ずる一方的な耐震性「安全論」を、規制委・規制庁が合格としたのは、「私はSTAP細胞を作りました」と主張する研究者の言葉を信じて、それを何ら検証もせずに手放しで礼讃した社会が示した態度と同列である。
そこには科学的・技術的に安全を論ずるに何の根拠もない。
日本の破滅は目前だ!
■なぜ、『東京が壊滅する日』を緊急出版したのか
このたび、『東京が壊滅する日――フクシマと日本の運命』を緊急出版した。
現在、福島県内の子どもの甲状腺ガン発生率は平常時の70倍超。2011年3〜6月の放射性セシウムの月間降下物総量は「新宿が盛岡の6倍」、甲状腺癌を起こす放射性ヨウ素の月間降下物総量は「新宿が盛岡の100倍超」(文科省2011年11/25公表値)という驚くべき数値になっている。
東京を含む東日本地域住民の内部被曝は極めて深刻だ。
映画俳優ジョン・ウェインの死を招いた米ネバダ核実験(1951〜57で計97回)や、チェルノブイリ事故でも「事故後5年」から癌患者が急増。フクシマ原発事故から4年を迎える今、『東京が壊滅する日――フクシマと日本の運命』で描いたおそるべき史実とデータに向き合っておかねばならない。
1951〜57年に計97回行われた米ネバダの大気中核実験では、核実験場から220キロ離れたセント・ジョージで大規模な癌発生事件が続出した。220キロといえば、福島第一原発〜東京駅、福島第一原発〜釜石と同じ距離だ。
核実験と原発事故は違うのでは? と思われがちだが、中身は同じ200種以上の放射性物質。福島第一原発の場合、3号機から猛毒物プルトニウムを含む放射性ガスが放出されている。これがセシウム以上にタチが悪い。
3.11で地上に降った放射能総量は、ネバダ核実験場で大気中に放出されたそれより「2割」多いからだ。
不気味な火山活動&地震発生の今、「残された時間」が本当にない。
子どもたちを見殺しにしたまま、大人たちはこの事態を静観していいはずがない。
最大の汚染となった阿武隈川の河口は宮城県にあり、大量の汚染物が流れこんできた河川の終点の1つが、東京オリンピックで「トライアスロン」を予定する東京湾。世界人口の2割を占める中国も、東京を含む10都県の全食品を輸入停止し、数々の身体異常と白血病を含む癌の大量発生が日本人の体内で進んでいる今、オリンピックは本当に開けるのか?
同時に、日本の原発から出るプルトニウムで核兵器がつくられている現実をイラン、イラク、トルコ、イスラエル、パキスタン、印中台韓、北朝鮮の最新事情をはじめて触れた。
51の【系図・図表と写真のリスト】をはじめとする壮大な史実とデータをぜひご覧いただきたい。
「世界中の地下人脈」「驚くべき史実と科学的データ」がおしみないタッチで迫ってくる戦後70年の不都合な真実!
よろしければご一読いただけると幸いです。
<著者プロフィール>
広瀬 隆(Takashi Hirose)
1943年生まれ。早稲田大学理工学部卒。公刊された数々の資料、図書館データをもとに、世界中の地下人脈を紡ぎ、系図的で衝撃的な事実を提供し続ける。メーカーの技術者、医学書の翻訳者を経てノンフィクション作家に。『東京に原発を!』『ジョン・ウェインはなぜ死んだか』『クラウゼヴィッツの暗号文』『億万長者はハリウッドを殺す』『危険な話』『赤い楯――ロスチャイルドの謎』『私物国家』『アメリカの経済支配者たち』『アメリカの巨大軍需産業』『世界石油戦争』『世界金融戦争』『アメリカの保守本流』『日本のゆくえ アジアのゆくえ』『資本主義崩壊の首謀者たち』『原子炉時限爆弾』『福島原発メルトダウン』などベストセラー多数。
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