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http://blogs.yahoo.co.jp/taked4700/13033931.html
被曝による遺伝子異常の固定化、この影響は百年以上続くので甘く見ることはできません。
遺伝子修復のメカニズムは次のようなものです。
遺伝子修復のメカニズム
http://www.research.kobe-u.ac.jp/brce-sugas…/research_1.html
>DNAの2本の鎖のうち損傷を含む方の鎖の2か所に切れ目を入れることにより、短いDNA鎖として損傷を切り出します。その後、取り除かれた部分のDNA鎖が反対側の無傷のDNA鎖を鋳型として合成し直され、元通りのDNAが正確に復元されます。
つまり、2本一組のDNAの正常な方をコピーして行くのです。2本あるDNAの同一部分が同時に損傷することはほとんどないために、普通はこれで修復が出来ます。ところが、放射性微粒子を体内に取り入れてしまうと、その微粒子の周辺の細胞が集中的に放射線を浴びます。普通の状態であるなら、遺伝子異常は体中にある程度均等にばらけて起こるので、2本一組のDNA鎖の同じところがほぼ同時に壊されることはないのですが、集中的に放射線を浴びると、状況が変わります。2本一組のDNA鎖のほぼ同じ個所がほぼ同時に壊されてしまうことがあるのです。こうなると、修復を担う酵素が正常なDNA鎖を探しても正常なものがありません。その結果、修復が効かなくなり、時には、異常であるはずのDNA鎖が正常なものとして認識されてしまうことがあるのです。
問題は、こういった遺伝子異常の固定化が生殖細胞で起こった場合です。人間の場合、一つの細胞の中に22対の常染色体と1対の性染色体があります。それぞれの染色体にはDNA鎖がいっぱい詰まっています。「22対」と言うように「対」という表現を使っているのは二つの染色体でで一対になっているという意味です。この時も、DNA鎖と同様に、同じ染色体が二つで組になっています。ただし、性別決定に関係のある染色体は別で、男はXYで一組になり、女はXXで一組です。生殖細胞は、この二つ一組の遺伝子がほぐれ、一個一個になり、別の性からの遺伝子と新たな組を作るのです。この時、例えば一番染色体の二つの染色体は、正確に全く同じDNA鎖を持っているわけではありません。父親由来の染色体の方割れと、母親由来の染色体の方割れでは、同じ一番染色体であっても、微妙にDNA鎖の内容な異なるのです。よく優性遺伝とか劣性遺伝とか言いますが、これは染色体の一方の方割れにある遺伝情報が、もう一方の染色体の方割れにある遺伝情報よりも強かったり弱かったりするという意味です。
2本一組のDNAは、基本的に全く同じ遺伝情報を持っています。ところが、二つで一対の染色体は、例えば髪の色についての遺伝情報を持つという意味では同じでも、黒や赤、または金髪など幾つかの選択の幅があるのです。例えば、ある一対の染色体の一方が黒毛、他の一方が赤毛の遺伝情報を持つと言うことはごく普通にあります。
このことは別の言い方をすれば、染色体に含まれるDNA鎖の情報の幅は相当に広く、ある意味、常に新たな組み合わせが試されていると言えます。目の色が黒か、緑か、茶か、のような変化はどれも正常な範囲内での変位です。よく、色盲と言いますが、これはある意味、異常ではなくて、単なる正常な範囲内の変位だと言うこともできると思います。ところが、DNA鎖に異常があると、変位が正常範囲外に出て行ってしまうのです。正常範囲から出ると言うことは、生命活動に決定的に不利な影響を及ぼすと言うことであり、心臓弁膜症とか癌化というものです。
遺伝的に乳癌にかかりやすいので、人工乳房にしてしまったという有名人が居ますが、この有名人の家系が最初から乳がんにかかりやすいという遺伝傾向があったとは思えず、たまたま乳がんを発症しやすい遺伝子異常が積み重なり、それが固定化してしまったと言うことのはずです。
放射性セシウムの半減期は30年ですから、ある程度放射性物質によって汚染された地域からの環境中からほぼ無くなるまでには100年以上は十分にかかります。放射性ストロンチウムはベータ線を出しますから、ガンマ線を計測する普通の線量計では計測ができませんが、放射性ストロンチウムもかなり環境中に出てしまっている様子です。
こういった環境汚染のため、非常に広範囲に低線量被曝が起こっていますが、甲状腺がんとか心筋症などという目に見える症状のあある変化だけではなく、目に見えない遺伝子異常も今進行しつつあり、親の代では遺伝子の1%で異常が固定化されただけであっても、その子供世代では5%、孫世代では15%と言うように遺伝子異常が加速度的に累積して行くのです。新しい生命が、全くのまっさらな状態からの再出発ではなく、新しい世代ほど、異常が積み重なり、様々な病気にかかりやすくなっていくのです。
今現在ほとんど健康被害がなくとも、数十年後に疾病が現れてくることは確実ですし、子や孫の世代にも影響があるのです。
一世代が30年とすると、孫世代になるまでには約100年かかります。福島第一原発事故を直接経験された人々はほぼ生きてはないでしょうが、被曝の影響は確実に残っていくのです。
広範囲で遺伝子異常が一定程度以上起こってしまうと、新たに被曝しなくとも、遺伝子異常の累積と言うことがあり得ます。多分、全地球的に見た場合、今の人類、又は生命一般は、この段階にいると思えます。つまり、既に非常に広く低線量被曝をする環境が出現してしまっていて、今後、仮に被曝被害を受けない環境に移ったとしても、遺伝子異常の固定化とその異常の次の世代への遺伝が起こり続けていくのです。
もう一度、乳がん家系と言うものが最初からあったとしたら、そういった家系の方たちが何時までも生き残っていけたとは思えません。一定の環境からの影響を受けた結果、そういった遺伝子情報が固定化され、遺伝するようになっていったのです。
多分、ここまで読まれて、多くの方は、「自分は大丈夫だ。まだ健康だし、遺伝子異常が固定化などしていない」と思われるでしょう。
実際のところ、遺伝子異常のが固定化とはどんなことをいうのでしょうか。遺伝子異常の固定化の典型例は老化です。老化と遺伝子、または被曝との関連は複雑で、単に遺伝子の突然変異だけで細胞が老化するとは限らない様子です。遺伝子のメチル化が関係しているという説もあります。また、細胞の老化と生命体自体の老化の関係も一概には言えず複雑です。
しかし、日焼けすると肌の老化が進みやすいのは誰でも経験的に分かっていることです。日焼けのものとである紫外線はガンマ線と同じく電磁波です。電磁波による生体への影響はいろいろあり、主なものは電離作用により活性酸素が作られ、その活性酸素が過度な酸化作用を及ぼすというものです。
更に、それだけではなく、例えばセシウムは放射性が無くなっても、セシウム自体が重金属毒性を持ち、心臓の鼓動の異常を引き起こすとされます。生命が進化した過程、それは数十億年と言う長い年月ですが、その期間に地球環境中にはほとんど存在していなかった元素が原子炉や原爆の核反応で作られてしまうので、生命体は新たな適応を求められているのです。最終的に適応して行くのだと思いますが、それには新たにやはり相当な長期間が必要になり、多くの生物種は適応がうまく出来ずに淘汰されていくはずです。地球上の生物種の中で最も精密にできているだろう人類の生命の仕組みは、仕組みが精緻である分だけ適応も大変であると思えます。
核分裂生成物は、地球生物の数十億年と言う進化の過程で存在しなかった元素を作り出しているのです。人間は数十兆個の細胞でできているわけですが、それぞれの細胞にはそれこそ1兆の1兆倍以上の原子が含まれていて、被曝影響はある意味そういった原子レベルでの影響ですから、人間の目にはなかなか捉えることが出来ません。
太平洋戦争末期から繰り返された原爆の爆発とその後普及した原子力発電によって、ある意味地球規模で放射能汚染が進んでしまっています。福島第一原発事故での汚染も問題ですが、地球規模で進行しつつある放射能汚染も深刻であり、核兵器と原子力発電の廃止が急務です。
そして、同時に、放射性キセノンの毒性などを公開するべきです。確実に研究はされていて、どんな影響があるかはかなり分かっているはずです。
低線量被曝は地球的な問題であり、今後非常に広範囲で健康影響が顕在化していくのです。既に、1970年代からそういった現象はあり、様々な環境因子の影響の性だとされてきましたが、今後そういったごまかしは効かなくなっていくでしょう。福島の事故があったかなかったかとは、ある意味、関係なく、被曝対策としての健康管理は必要です。
2015年6月25日06時15分 武田信弘
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