http://www.asyura2.com/15/genpatu43/msg/215.html
Tweet |
先週、横須賀のグローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン(GNF)から、
東電が再稼動を目論む柏崎刈羽原発へ、核燃料がトラックで輸送されました。
このトラックと並走して放射線量を測定し、YouTubeに動画をアップした方がいます。
「20150609 核燃料輸送車の線量測定」 (9分 canchampool YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=j4R5h-hXwP0
「横須賀GNFでの搬出時の放射線量測定と、圏央道走行時、並走での線量測定。
測定器はホットスポットファインダー。
並走時、検出器は助手席側高さ1.2m下向き。金属による遮蔽なし。 」
緑色のカバーをした5台の核燃料輸送車を追い抜いて行きますが、並ぶたびに
線量は毎時1マイクロシーベルトを軽く超過、輸送車から強い放射線が出ていることは明らかです。
原発PR館などでは、未使用核燃料の放射線は微弱で安全であるかのように説明していますが、
真っ赤なウソだということです。
かつて北電では職員のデタラメな説明が問題になりました。
「原発PR館 本物のウランペレットです! 」 (shasharide YouTube 2008/9/4)
https://www.youtube.com/watch?v=U0FkPRmSv14
未使用核燃料の輸送規制について調べてみました。
新ウラン燃料は、輸送物の表面および表面から1mの点での線量当量率が各々毎時2ミリシーベルト、
100マイクロシーベルト以下のA型輸送物として輸送されるということです。
「わが国の核燃料物質輸送に係る安全規制」 (Atomica)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=11-02-06-01
「発電所用ウラン燃料の輸送」 (同)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=11-02-06-02
「核燃料物質の車両運搬」 (同)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=11-02-06-13
1メートルで100マイクロシーベルトなら、数メートル離れて並走する車で1-2マイクロシーベルトを
検出するのに不思議はなく、おそらく、これらのトラックは核燃料輸送の安全規則には
違反してはいないのでしょう。
しかし現行の安全規制自体が非常に甘い、甘すぎると言わざるを得ません。
未使用とはいえ、こんな高線量の燃料が我々の住む町を頻繁に通ること自体が問題です。
近寄れば被ばくします。輸送車が隣に並んだまま渋滞したらと思うとぞっとします。
事故で車が横転したり、家に突っ込んだり、燃え出したりしたら大変なことになります。
海や川に転落するかも知れません。
そうでなくとも、被ばくの影響か、最近は重大な交通事故が増えているのです。
いくら輸送車の運転手が注意していても、予期せぬ事故に巻き込まれる可能性はあります。
燃料の輸送容器も脆弱です。BWR用燃料輸送容器の内側は鋼の容器ですが、外側は何と木箱です。
強い衝撃や火災に耐えられるとはとても思えません。放射線も漏れ放題です。
「BWR用燃料集合体輸送容器」 (Atomica)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/11/11020602/07.gif
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/11/11020602/08.gif
輸送する運転手の被ばくも深刻です。
運転席は毎時20マイクロシーベルト以下に規制されていますが、これは通常の環境の200倍以上です。
「放射性物質(RI)等の輸送に係る規制」 (国土交通省)
https://www.nsr.go.jp/archive/nc/siryo/bougo09/siryo9-5.pdf
そんな高線量下で長時間運転するのですから、運転手の健康への影響が心配です。
ちなみに、米軍は毎時0.33マイクロシーベルトの汚染が検出されると兵士を撤退させます。
保安上も問題があります。
警察による警備もなく、誰でもこのように並走できるのですから、テロリストが輸送車を襲って、
ハイジャックするのは容易でしょう。
車を輸送車に激突させるだけでも、汚染が拡がり大混乱になるでしょう。
核燃料がそのまま核兵器になりうることは以前の投稿で指摘した通りです。
遮蔽度の高い強固な輸送容器にしたり、護衛を厳重にしてより高い安全性を確保することは
可能なはずですが、彼らはお金がかかるので絶対にやりません。
政府も、天下り先企業の利益が減るのは困るので、たとえ問題があっても見て見ぬふりです。
核燃料の輸送一つ取っても、このようにコストを最優先して安全性を犠牲にしています。
線量の低い新燃料の輸送でさえ、これだけいろいろ問題があるのです。
超高線量の使用済み核燃料の輸送がどれだけ危険か、言うまでもありません。
たとえこの先、全原発がめでたく廃炉になっても、使用済み核燃料の輸送は続きます。
そのうち輸送中にとんでもない事故が起きるのではないか、とても心配です。
(関連情報)
「反原発派も触れようとしない原子力最大のタブー 槌田敦氏が追及」 (拙稿 2013/7/1)
http://www.asyura2.com/13/genpatu32/msg/357.html
「柏崎原発、3年ぶりに核燃料搬入 (新潟日報モア) 」 (拙稿 2015/5/20)
http://www.asyura2.com/15/genpatu42/msg/839.html
「柏崎原発で2回目の核燃料搬入 反対派が抗議活動 (新潟日報モア)」 (拙稿 2015/6/9)
http://www.asyura2.com/15/genpatu43/msg/194.html
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素43掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。