日経ビジネスから
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110225/218599/

中国が独占意欲「トリウム原発」とは 米国はしたたかに“潜行”、日本の出遅れ感は大きい

去る1月25日、中国科学院（the Chinese Academy of Science=CAS）がショッキングな公式発表を行った。

　中国の“戦略的・先導的科学技術特別プロジェクト”としてトリウム溶融塩原子炉の開発プログラムを実施するということだ。（文新伝媒の報道による）

ウラン原子炉は燃焼効率の悪い“石炭ストーブ”

　このプロジェクトの責任者、中国科学院、上海応用物理研究所の徐洪傑がWenhui Newsの許埼敏記者に語ったことを翻訳すると次のようになる（一部要約）。

＊　　　＊　　　＊

　化石エネルギーはいずれ枯渇する。再生可能エネルギーは柱になり得ない。中国の更なる発展のためには膨大なエネルギーが必要。一方で、温暖化ガスは減らさなければならない。これは“馬を速く走らせるが、草を食べさせない”ことと同じだ。しかし、30〜40年後の将来、エネルギーの柱をトリウム原子力発電にすればそれが可能になる。（1トンのトリウムは200トンのウランあるいは350万トンの石炭と同じエネルギーを発生させる：ノーベル物理学賞受賞者、カーロ・ルビア博士、筆者注）

　現在の原子力エネルギーシステムはウラン-235 を燃料としている。その埋蔵量は少なく、石油・石炭など化石燃料と同時期に枯渇が懸念されている。

　わが国はトリウム資源大国。1000年にわたって枯渇の心配がない。（世界のトリウム資源はウラン資源の約4倍：USGS、筆者注）

　トリウムを燃料としてどのような原子炉を作るのか。

　現在、世界で常用しているウラン原子炉は燃焼効率の悪い“石炭ストーブ”のようなものだ。わずかな最上質の燃料を燃やしただけで大量の‘石炭の燃え滓’（核廃棄物）を残す。

　それに対して中国は、トリウムを核燃料としながら、これまでの原子炉から出る核廃棄物を再利用もできる原子炉を研究・開発しようというわけだ。それには幾つかの選択肢があるが、中国は溶融塩炉という方式を選んだ。

長期連続運転が可能で、燃料の“雑食性”が強い

　この方式は、核燃料（トリウム-232）をフッ化物にして、フッ化物塩からできている溶融塩に溶解した状態で燃やす。地殻の中のマグマに少し似ていて、“ストーブ”の中で燃え続け、絶えず巨大なエネルギーを出す。液体燃料の原子炉ということがほかの原子炉と違うところだ。

　その特徴は構造が簡単で、長期連続運転が可能で、燃料の“雑食性”が強いなどの利点がある。しかも、小型かつ精巧に作ることができ、一定量の核燃料を装入すれば数十年の安定運転ができる。さらに、理論的に、核廃棄物は現在の技術による原子炉の1000分の1しか発生しない。次世代原子炉は世界で研究開発中であるが、我が国がトリウム溶融塩炉の研究を今始めれば、おそらくすべての知的所有権を獲得することになる。

　これまで人々は、“核”に言及すると顔色が変わる。広島・長崎の原爆、チェルノブイリ原発事故など悪夢のように人類の歴史に刻まれている。しかし、トリウム原子力は平和の象徴で、人類を新しい紀元へと導いてくれる。伝統的な原子炉で発生した核廃棄物の中には核兵器に使われるプルトニウム-239が多く含まれるため、核拡散のリスクにつながる。“新しいストーブ”でトリウム-232を燃やすと核燃料としてのウラン-233を出すと同時に不純物としてウラン-232 も出るが核兵器には利用できない・・・

以下はリンク先参照。

＜参考リンク＞

◆中国、次世代原子炉の開発急ぐ　「トリウム」に脚光
編集委員　安藤淳（日経）
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD120T8_T10C13A6X21000/

◆脱原発を目標に日本、韓国、モンゴルのクリスチャンが連帯（クリスチャン新聞）
http://www.asyura2.com/14/genpatu41/msg/890.html

◆メディア発表 「NNAA の設立と目標」(IWJ）　何故か朝鮮人が日本で脱原発　中国・北朝鮮以外は敵です
http://www.asyura2.com/13/cult12/msg/782.html 　

コメント
01. 2015年5月20日 06:47:02 : aiMZAOJQqY トリウム原発は、プルトニウムは生成しないかわりに、他の核分裂生成物ができ、 その質量合計はウラン燃料よりも多い。 長期間の管理が必要な核廃棄物ができるのは現在の原発と同じ。 爆発の危険性も変わらない。 こんなものにだまされてはならない。 「トリウム原発に騙されてはいけない！１〜ウランとトリウムって何が違うの？」 http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2011/05/000894.html 「トリウム原発に騙されてはいけない！！　２〜トリウムなら大丈夫って本当？」 http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2011/05/000895.html
02. 2015年5月20日 08:03:40 : xvaoIJOipc トリウムも核融合もいらない
03. 2015年5月20日 13:03:33 : xAQCJA1WS6 原発のような危険で非効率で将来性のないエネルギーなど、米国や中国に任せておけばよいではないか。彼らは日本よりずっと大国だから壮大な無駄にも耐えられるだろう。 省エネルギーや再生エネルギーは、雇用創生効果も多く、イノベーションの期待が大きく、経済成長と地方創生にも有益だ。その上嘘偽りのない国産エネルギーだから、安全保障のためにも良い。 真の国士なら、なぜ原発を棄て、省再エネルギーを支持するはずだ。核の平和利用はまやかしで、本質は軍事技術だから、純粋に軍事技術として核の研究をすればよい。そのためには近隣諸国との友好を深め、警戒心を解き、米国のくびきから自立することが必要だ。 原発を推進して国土を汚染し、自衛隊の米国傭兵化をすすめ近隣諸国との緊張を高めるばかりの親米右翼の真意は自己利益誘導、利権拡大にであり、愛国者の仮面をかぶったペテン師だ。
04. 2015年5月20日 15:23:20 : yUDqv3T4uU バスに乗り遅れるな式の煽りか。 世界の脱原発の動きに乗り遅れるな 原発を推進しているのは全て覇権主義的で遅れた国だよな。 日本も核兵器開発の芽を育てるため核発電を導入した。 そうしないと核爆弾の研究ができないから。 研究目的で兵器級プルトニウムもアメリカから貸与という名目で大量保有している。 そのアメリカが返せとうるさく要求しているが、日本は断固として返さない。 返せないんだろう。 既に使った、または横流しした後だから。
05. 2015年5月20日 17:15:28 : uyRYN3Rer2 　中国はトリウム原発の燃料であるモザナイトがレアアースの副産物として出てきて捨て場所に窮するほどだ。そこでトリウム原子炉に乗った。 日本の場合はトリウム原子炉の話も出た。しかし、現在型の利権団体たる政府、原子炉企業が総がかりで潰したＷ。 それが証拠に三菱重工などはこの期に及んで「絶対安全」な４Ｓ炉なる恐ろしく非効率的なものを都市の真ん中にも造れるほど安全だと宣伝してるＷ。
06. 2015年5月20日 17:41:50 : tctY4BgZcg 　　核のウンコ　デブリを手づかみしてから　言いやがれ 、
07. 2015年5月21日 08:33:38 : Q3qbpnbECo 会員番号って、核兵器戦略の観点から原発必要だって言ってるんじゃなかったっけ？ トリウム（サイクル）って核兵器の製造には使えないって聞いたきがするけど間違ってる？ 原発の安全性・有用性を悉く否定されて維持になってるのか？ まあ、トリウムサイクルを推すなら 阿修羅の読者を説得する前に、日本の支配者（どこにいる誰か知らんがｗ）を説得するのが先だぜ
08. 2015年5月21日 14:16:35 : LdCZftGbko 　中国の場合捨てるに捨てられないモザナイトで現在の電力需要２００年分が賄えるほどだ。それ故トリウム原発に色気を出す。 　日本の場合は軽水炉が行き詰ったんで失業したエンジニア、学者の失業対策以上の効果はない。技術云々と言っても過去の蓄積を担った方々の多くが既に亡くなられてしまった。これからやるといっても時すでに遅し。

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