http://www.asyura2.com/15/genpatu42/msg/767.html
Tweet |
“廃炉ラッシュ”到来でさらなる電気料金値上げも?〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150513-00000011-sasahi-soci
週刊朝日 2015年5月22日号より抜粋
原発問題の難しさは、最終的には廃棄物の処分問題に行きつく。これは原発を保有する世界各国共通の課題で、廃炉先進国のドイツも同じだ。
ドイツでは、過去に埋設した放射性廃棄物の対応に苦労している。ニーダーザクセン州にある旧岩塩鉱山のアッセでは、64年の閉山後に67年から78年まで旧西ドイツの放射性廃棄物が廃棄された。その数は、ドラム缶で12万6千本。当初は長期間にわたって安全な保管場所と考えられていたが、88年に坑内で地下水がしみ出ていることが発覚し、大問題となった。施設を視察した立命館大学の大島堅一教授(環境経済学)は言う。
「現在では一度地中深くに埋設したドラム缶を地上に運び出すため、埋設場所までの坑道を掘り起こす作業をしています。ですが、地層にヒビが入っていて、崩壊の危険もある。地下800メートルの場所に、24時間体制で500人が働いていて、慎重な作業がされています」
この作業には、少なくとも40億ユーロ(約5380億円)の費用と数十年の期間が必要とされている。自然エネルギー財団の大林ミカ事業局長は、欧州の試算に比べて、日本は廃炉費用の試算が甘いと指摘する。
「廃炉費用は日本では1基あたり550億〜700億円程度と見積もっていますが、廃炉を先に進めたドイツやイギリスでは、炉型にもよりますが2500億〜3500億円と試算しています。日本はまだ廃炉の経験が浅いので、まだ全体像がわからず、今の見積もりでは資金不足になりかねません」
日本は今後、すでに廃炉が決定している8基に加え、福島第一原発の1〜6号機も含めた計14基が同時に廃炉作業を進める“廃炉ラッシュ時代”を迎える。資金不足に陥れば、電気料金の値上げや国費の投入という形で、国民負担が高まることになりかねない。
また、廃炉ラッシュで技術者の不足も懸念される。原子力デコミッショニング研究会の石川迪夫(みちお)会長は言う。
「溶融燃料のある福島第一原発を除けば、経験豊富な技術者が作業に参加すれば、廃炉は難しい工事ではありません。それが人手不足で未熟な技術者が作業をするようになると、工事現場ですから思わぬ事故が起こる可能性もある」
処分場と技術者の不足という喫緊の課題に、どう対応すればいいのか。石川氏は続ける。
「工期を短縮することです。そうすれば廃炉の専門家が多くの作業を担うことができます。技術の蓄積も進み、費用も下がるでしょう。そのためには二つのことが必要です。一つは、現場の裁量を大きくすること。現在は、作業の品質管理を重んじるあまり、マニュアルにないことはできない。危険度の低い作業は現場の創意工夫に任せたほうが、技術の発展にもつながります。もう一つは、廃棄物処分のルール作りに国民自身が参画することです」
原発を推進するにしろ、反対するにしろ、目の前にある老朽化した原発の廃炉は避けては通れぬ道だ。前出の大島教授も言う。
「処分場を誰が、どの場所で、どの程度受け入れるのか。その同意を住民の意思決定という形で得ることが大切です。大事なのはそこに至るまでの過程で、ドイツでは住民との合意を得るための専門家もいます。日本は、すぐにお金で解決しようとする。それでは問題の解決にはつながらない」
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素42掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。