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合意のための原発論その2 基準の決め方がいい加減だったか?
http://takedanet.com/archives/1027037671.html
2015年05月10日 武田邦彦 (中部大学)
日本の被曝の限度は「1年1ミリ」と決まっていますが、これは国際的にもほとんどの国と同じです。人工物からの被曝限度を国際的にも統一しておかないと、工業製品などの輸出入で困るので、国際的にも決まっています。
また、日本ではたとえば国立がんセンターが、「1年1ミリの被曝は、日本人全体では1年で8000人の致命的発がんと重篤な遺伝性疾患」というデータを出し、それに基づいて「このぐらいは我慢しよう」という「正当化の原理」で決めていきます。
国際的、国内的に決めていった経過は政府、専門家はみんな知っていることです。そして、国際的な基準はかつて0.5ミリだったこともあり、もっと高いときもあったのですが、現在では1年1ミリで収まっています。
学問的には、データのばらつきがあって、科学者や医師の意見は統一されていません。被曝と健康の関係が分からないから原発をやらないというわけにも行かないので、とりあえず「1年1ミリ」で「合意」しているというのが正しい表現です。
「どのぐらいが科学的に安全か分からない」というのが事実ですから、昔から「1年1ミリ」には疑問があり、「もっと高くても良い」という人と、「もっと低くなければ危険」という人がいました。民主主義ですから、意見の違いを超えて合意したのが1年1ミリだったのですが、その過程では「原発反対派がうるさいから」というのがありました。
関係者のほとんどは「原発は安全で爆発などしない」と思っていましたから、1年1ミリは十分に守ることができる数値だったのです。だから、「反対派がうるさく言うので、1年1ミリにしておけ」という感じだったのです。また、日本では裁判所で「1年5ミリ以上被曝して白血病になったら労災」との判決があり、従業員は20ミリまで良いのですが、原発の作業員まで1年1ミリで自主規制をしていました。
つまり、原発推進者の多くは「1年1ミリでなくても良いけれど、面倒だから1年1ミリにしておけ」というのが本音だったと私は思います。だから、福島原発事故で現実に1年1ミリが守れなくなると、それが吹き出して、「被曝しても大丈夫」などという意見が出てきたと思います。
1年1ミリで1年8000人の犠牲者ですが、福島の事故で10万人の人が1年1ミリ以上の被曝をしても、犠牲になる人は6人から7人程度ということですから、少ないと言えば少ないと言えます。つまり「交通事故並み」の犠牲までならOKという考えだったのです。
事故のあと4年経って、「被曝は大したことは無い」と言っている人は、このことを踏まえて「10万人で6,7人だから、大騒ぎする必要は無い。規制はもう少し緩くても問題は無い」と考えておられると思います。
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