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MOX燃料は原子炉装荷後、数百年のプールでの冷却が必要だが、その議論は無視されている
半年ほど前だと思いますが、MOX燃料を普通のウラン燃料炉へ装荷することを予定していた原子炉がある自治体で、MOX燃料についてどのような議論がされているかを調べたことがあります。驚いたことに、自分が調べた限りでは、どこも、「プールにはMOX燃料を冷却する能力があるから問題なし」とだけ述べられていて、どのぐらいの期間冷却が必要になるかは触れらていませんでした。
例えば北海道の資料には、「(4)MOX 燃料の使用後(使用済MOX 燃料の貯蔵、搬出、処理・処分) 【論点2−5〜2−7】」( http://www.pref.hokkaido.lg.jp/…/saisyuuhoukoku_honnpenn3_4… )というタイトルでかなりの項目に渡って説明がされていますが、プールでの冷却期間については触れられていません。大変に興味深いことに、「有識者検討会議の検討・評価」として、テロの可能性とか、作業員の方が被ばくを余計に受けないかと言ったことについてはかなり丁寧に議論されていて、一般市民が読むと、「ああ、かなり丁寧に議論がされていて、これだけちゃんとやっているのだから安全性はかなりあるのだろう」と思ってしまうはずです。または、かなり知識のある方であっても、政治家やマスコミ関係者であってもそう勘違いしてしまうでしょう。しかし、冷却期間がウラン燃料のように10年以下で済むのか、数百年以上になるのかはかなり重要な点です。原子炉メーカーの方たちや電力会社の関係者は冷却期間が数百年必要になることを明確に分かっているはずで、背後にあるのは、「どうせ使用済み核燃料については国が面倒を見てくれる」という意識でしょう。
なお、使用済みMOX燃料について、再処理すればいいのだと考えている方がいるはずです。しかし、中性子が非常に強く出るわけで、原子炉から取り出してからどのぐらいの期間水冷すれば再処理できるのかは明らかにされていません。つまり、再処理が可能だとしても数百年の水冷は必要になるはずなのです。
そして、現実問題として、どんなに頑丈に作ったプールでさえ、50年程度の耐久性しかないはずです。つまり、50年程度ごとにプールを新設して、MOX燃料体を移動する必要があると言う事になります。更に問題なのは、プールは建て替えができますが、MOX燃料体自体を詰め替えるのは非常に危険だという事実です。中性子線が普通の使用済みウラン燃料に比べて10倍程度強く出るため、空気中で扱うことはできず、水中で容器の詰め替えをやる必要があり、多分、これは大変に危険な作業になります。ペレット容器とか燃料棒容器の耐久性がそもそも100年以上あるのかどうかさえ分かりません。継続的に発熱と放射線の影響があるわけで、どんな変化があるかは、当然確認されていません。
そもそも、普通のウラン燃料でさえ、その大部分は重金属毒性を持っていて、永遠にその毒性は消えませんから、地下500m程度のところへ何万トンもまとめて処分などしたら、結局は地下水汚染を避けることはできません。つまり、半地下式の貯蔵施設で永遠に詰め替えをくり返しながら管理するしかないのです。
使用済みMOX燃料は、こういった普通の使用済みウラン燃料よりもより一層管理が困難であり、数百年間きちんとプールで冷却水を循環させ続ける必要があるのです。それだけ、崩壊熱が継続して強く出続けるので、途中で冷却がストップすると福島第一原発事故で起こったのと同様のメルトダウン、メルトスルーになってしまうのです。
青森県で建設中の大間原発は全量MOX燃料の原子炉で世界初の試みです。これ、プルトニウムを燃やすために必要だとされているのですが、結局、燃え残りのプルトニウムが大量に発生し、一説によると500年間もの期間プールでの冷却が必要だとされているのです。しかもそのことについてきちんとした議論はされた跡がありません。
福島第一原発事故後、最初に大間原発の建設工事再開を必要だと発言したのは現在の岡田克也民主党代表です。現在の自民党政府も大間原発の建設工事続行についてストップをかけていません。
地元に原子炉がある地域の住民の方はもちろんでしょうが、地元に原発がない地域の住民の方も、MOX燃料使用について、その危険性をもっと理解するべきです。もちろん、理解するだけではなく、MOX燃料使用について反対をするべきです。そうしないと、核兵器保持国からの圧力に負けている、または目先の利権に縛られている官僚や政治家、または実業家は、MOX燃料使用を実行してしまうでしょう。彼らの精神は「後のことは知らないよ」であり、実際、核兵器保持国の関係者は「後のことは知ったことか」と思っているのでしょう。
しかし、現実問題として、既に作ってしまったプルトニウムは永遠に管理するしかないのです。核兵器にして管理するか、核廃棄物として管理するか、どちらにしろ管理が必要で、永遠にコストをかけて管理するか、または放置してその毒性が環境に及ぶのを黙認するか、どちらかです。多分、現状では、黙認です。今の福島で行われていますからね。こうやって地球生命は滅びに至るのだと思います。
2015年5月4日18時25分 武田信弘
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