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米ペンシルバニア州キャノンスバーグでは、1970-80年代、ウラン鉱滓を埋め立てた土地周辺でがんが多発しました。
「Multiple Exposures: Chronicles of the radiation age by Catherine Caufield」
(Part Four p.206、University of Chicago Press)
https://books.google.co.jp/books?id=TX6dzJvv5B8C&pg=PA206&lpg=PA206&dq=Multiple+Exposures:+Chronicles+of+the+radiation+age+canonsburg&source=bl&ots=Ntnb8mVtC9&sig=MjMHsp7ZujTKNlogPSl0Z-kdkqo&hl=ja&sa=X&ei=AMpFVeWfFsykgwSYy4G4BQ&ved=0CB0Q6AEwAA#v=onepage&q=Multiple%20Exposures%3A%20Chronicles%20of%20the%20radiation%20age%20canonsburg&f=false
-----(和訳ここから)------
東部で唯一除染が計画されたウラン鉱滓処分場は、ピッツバーグから20マイルの
人口1万1千人の町、ペンシルバニア州キャノンスバーグである。1942年から1960年にかけて、
ヴィトロ・レア・メタルという会社が、キャノンスバーグでウラニウムを加工していた。
すべてのウラン関連工場がそうであったように、この会社の顧客は1957年まで
米国政府だけであった。この年に民間による原子力計画が始まった。
地元民は、鉱滓が有害だとは知らなかった。彼らは、この会社が、砂状の廃棄物を
庭や家のために使わせてくれるので感謝していた。5年後、ヴィトロ・レア・メタルは
キャノンスバーグを離れ、原子力委員会(AEC)は残された廃棄物の線量が非常に高く
遮蔽が必要なことを認めた。実際、鉱滓は放射能を帯びており、その使用や所有には
政府の許可が必要であった。
AECの請負業者が防護服に身を包み、4500トンの危険な鉱滓を湿気のある穴に
ブルドーザで落とし、土と多孔質のスラグで覆った。
そしてこの汚染された土地は、町に寄付され公園になった。
1980年、この小さな町で異常に若死が多いのに住民が気づいて不安になった。
地元の主婦ジャニス・ダンは、彼女の夫、義理の兄弟そして彼女自身に
腫瘍があるのに気づいた。義理の姉妹は乳がん、彼女の夫の母もがんで死亡。
彼女が近所を調査したところ、45世帯で67人ものがん患者を見つけた。
「公園に最も近い3つの通り沿いの家のすべてで、がん患者か、がん関連で
亡くなった人が1人はいました」
彼女は英国のジャーナリスト、シルヴィア・コライアに語った。
ケニー・デイビスは引退した元鉄工所労働者で、この会社が放棄した土地の境にある
墓地の隣りに住んでいる。 彼はジャニスに家族の死亡証明書を見せた。
近所に住んでいた15人の直近親族ががんで亡くなっていた。彼の祖母、両親、姉妹3人、
叔父4人、叔母2人、そして彼らの配偶者2人である。デイビス夫人は乳がんを患っていた。
1979年卒業の高校同窓生385人のうち、少なくとも11人ががんにかかり、
3人ががんで亡くなっていた。
-----(和訳ここまで)------
ヴィトロ・レア・メタル社は、マンハッタン計画にも参加し、核兵器製造のためのラジウムと
ウランの処理・加工業務を政府から請け負っていました。
元々、スタンダード・ケミカル・カンパニーという会社がこの土地でラジウムの抽出をしており、
あのキュリー夫人も来訪しました。その後、ヴィトロがその施設を買収しました。
キャノンスバーグは、核開発史上、由緒ある町ですが、残念ながら現在では放射能汚染と
健康被害で悪名高くなってしまいました。
下記関連情報によると、マンガン、モリブデン、ウランなどによる地下水の汚染がひどく、
何百年にも渡り監視が必要とのこと。
おそらく、周辺住民は汚染地下水を飲んだか、鉱滓の飛沫を吸い込んだり、食品と一緒に
取り込んだりしたのでしょう。
砂をもらって庭に使ったとありますから、家庭菜園も汚染された可能性があります。
100キュリー(3兆7千億ベクレル)相当のラジウム226の汚染ということです。
ウランのアルファ線被ばくもあるはずですが、使用済み核燃料のように、
セシウムやストロンチウムの汚染はないようです。
100キュリーは大変な量ですが、汚染鉱滓は22万6千トンもあり、キログラム単位では
16700ベクレル/kg、東日本のホットスポットではごく当たり前の汚染です。
日本のホットスポット周辺でも、このように被ばくで倒れる人が続出、一家全滅も
珍しくなくなるでしょう。
日本では汚染土・ガレキの扱いがずさんで、焼却もしているので、被害はもっとひどくなる
可能性があります。
米国では、ウラン鉱山、核関連施設、廃棄場、軍の基地周辺で、がんなど健康被害が多発、
いくつも訴訟が起きています。
このキャノンスバーグの汚染も訴訟になり、被害者に賠償金が支払われています。
核兵器、原子力開発の負の遺産に米国も苦しんでいるのです。実に愚かなことです。
今後、政府の規制も住民の監視もますます厳しくなり、米国内では放射性物質の加工や処分は
困難になるでしょう。
それでは、汚れついでに日本にやらせよう、日本に持っていこうということになるのではないか。
そして、米国の忠犬・安倍晋三は、尻尾を振ってそれを受け入れるのではないか。
とても心配です。
(関連情報)
「Vitro Manufacturing (Canonsburg) 」 (Wall Street Journal 2013/10/29)
http://projects.wsj.com/waste-lands/site/514-vitro-manufacturing-canonsburg/
「FACT SHEET Office of Legacy Management Canonsburg, Pennsylvania, Disposal Site」
(US Department of Energy)
http://www.lm.doe.gov/Canonsburg/Fact_Sheet_-_Canonsburg.pdf
「Standard Chemical Company, Marie Curie, and Canonsburg」 (byJoel O. Lubenau, 2012/2/12)
http://www.canonsburgboro.com/History/Standard%20Chemical.htm
「Radiation Lawsuit Settled Out of Court」 (Associated Press 1985/4/2)
http://www.apnewsarchive.com/1985/Radiation-Lawsuit-Settled-Out-Of-Court/id-38c0b0ad23c244af424f6a279f953c50
「Dunn v. United States」
http://elr.info/sites/default/files/litigation/18.20969.htm
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