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チェルノブイリ原発事故から29年、がんや白血病、健康被害が増加、石棺も老朽化し、周囲は廃墟に(4/26 NHK)
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Monday, April 27, 2015 東京江戸川放射線
史上最悪の原子力発電所の事故とされる旧ソビエト・ウクライナのチェルノブイリ原発事故から26日はちょうど29年となり、現地では原発の関係者らが事故で犠牲になった人たちを追悼しました。
ウクライナにあるチェルノブイリ原発では、ソビエト時代の1986年4月26日試験運転中の原子炉で爆発が起きて大量の放射性物質が外部に放出され、半径30キロ以内の住民13万人余りが避難しました。
この事故で、原発の職員と消防署員らおよそ30人が高い放射線量の影響などによって死亡したほか、周辺の住民や事故処理に当たった作業員の間で、がんや白血病で亡くなったり、健康被害を訴えたりする人が増えていると報告されています。
チェルノブイリ原発の職員らが多く住む町スラブチチでは、26日未明、事故の起きた時間に合わせて原発の関係者ら数百人が集まり、犠牲者を追悼する碑の前でろうそくを手に祈りをささげました。
チェルノブイリ原発では、事故のあと、爆発が起きた原子炉の建屋がコンクリートや金属で覆われ、石で出来たひつぎを意味する「石棺」と呼ばれていますが、老朽化によって崩れるおそれが指摘され、内部にある放射性物質を含んだちりなどが外部へ飛び散ることが懸念されています。
このため原発の敷地内では、「石棺」を覆うために、2年後の完成を目指して高さ108メートルの巨大なアーチ型の構造物の建設が進んでいます。
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廃炉の経緯と課題
爆発が起きたチェルノブイリ原発の4号炉では、放射性物質の放出を防ぐため、爆発によって崩れた建て屋を鉄筋コンクリートと金属で覆い、その姿から石でできたひつぎ、「石棺」と呼ばれるようになりました。
「石棺」の耐用年数はおよそ30年間とされていますが、事故直後に高い放射線量のなか突貫工事で建設されたため老朽化で隙間が広がり、崩れ落ちる危険性があると指摘されてきました。
「石棺」の内部には、核燃料およそ170トンが溶けてコンクリートなどと混ざり合った固まりが残されており、「石棺」が崩れ落ちた場合、放射性物質を含んだちりとなって広い範囲に飛び散ることが懸念されています。
これまでにも壁や内部のはりなどの補強工事が行われましたが、2年前には「石棺」に隣接する機械室の屋根と壁の一部が積雪などによって崩れ落ちました。
ウクライナ政府は「石棺」を覆うアーチ型の構造物の建設を計画し、欧米や日本などに支援を呼びかけてきました。
この構造物は高さ108メートル、幅が257メートル、長さ162メートルで、合わせて3万5000トンの金属が使われるということです。
フランスの企業が中心となって2009年から建設を始め、このあと300メートル余り離れた「石棺」まで移動させて2017年11月の完成を目指すとしています。
建設費の総額は15億ユーロ(日本円で1900億円余り)で、耐用年数は100年間とされています。
ウクライナ政府は、この間に石棺の解体や核燃料の撤去を進めたいとしていますが、依然として放射線量が高く、放射線を遮りながら核燃料を取り出す技術が確立されていないとして、計画の時期の具体的なめどは立っていません。
廃虚となった原発城下町
チェルノブイリ原子力発電所からおよそ4キロ離れた町プリピャチ。原発の職員とその家族のために16階建ての高層アパートをはじめ、住宅や学校、病院、文化会館などが建設されおよそ5万人が暮らしていましたが、29年前の事故の直後、住民は当時のソビエト政府の指示によってほかの地域への避難を余儀なくされました。
その後も、高い放射線量のため住民がプリピャチに戻ることは禁じられ、現在町は廃虚となっています。
こうしたなか、放置された住宅などの老朽化が進み、一部の建物ではコンクリート製の壁や屋根が崩れ落ちており、ウクライナ非常事態省では今後5年以内に建物の大規模な崩落が始まるとの見方を示しています。
プリピャチの元住民で、事故後原発から30キロ圏内の立ち入り禁止区域の安全管理にあたってきたベルビツキーさんは、建物が崩落しても放射性物質がさらに拡散する危険性は低いとする一方で「自分たちで築いてきた生活の場、昔の思い出が崩れ去ってしまうのはつらい」と話していました。チェルノブイリ原発の事故では、29年たっても、住民がかつて住んでいた町に戻れない状態が続いています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150426/k10010061781000.html
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