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ワシントン条約とバーゼル条約、そして放射性廃棄物に関する条約。核廃棄物は力関係で国境を超える
http://www.asyura2.com/15/genpatu42/msg/563.html
投稿者 taked4700 日時 2015 年 4 月 16 日 18:19:12: 9XFNe/BiX575U
 

http://blogs.yahoo.co.jp/taked4700/12787916.html
ワシントン条約とバーゼル条約、そして放射性廃棄物に関する条約。核廃棄物は力関係で国境を超える

 ワシントン条約は絶滅危惧種などの取引を規制するものです。

「第2条 基本原則
一 附属書Tには、絶滅のおそれのある種であって取引による影響を受けており又は受けることのあるものを掲げる。これらの種の標本の取引は、これらの種の存続を更に脅かすことのないよう特に厳重に規制するものとし、取引が認められるのは、例外的な場合に限る。」

と決めています。

 バーゼル条約は危険物の取引についての条約です。この前文では次のように述べています。

「有害廃棄物及び他の廃棄物並びにこれらの廃棄物の国境を越える移動によって引き起こされる人の健康及び環境に対する損害の危険性を認識し、(中略)いずれの国も、自国の領域において外国の有害廃棄物及び他の廃棄物の搬入又は処分を禁止する主権的権利を有することを十分に認め、(中略)有害廃棄物及び他の廃棄物の発生及び処理から生ずることがある悪影響から人の健康及び環境を厳重な規制によって保護することを決意して、次のとおり協定した。」

 ワシントン条約にはない「主権的権利」という言葉がバーゼル条約には使われています。つまり、バーゼル条約では、「いずれの国も」「主権的権利を有する」としていて、権利行使をしない可能性を認めているのです。ワシントン条約では国による違いはなく一律に規制をしていますが、バーゼル条約は国と国の間の力関係で規制内容を決めることが出来るようになっているわけです。

 こういった違いが出るのは、危険物の処分を先進国が自国内でやりたくないという意味がバーゼル条約にあるからでしょう。

 バーゼル条約の第1条3では次のように述べて放射性物質についてはバーゼル条約の対象にならないとしています。

「放射能を有することにより、特に放射性物質について適用される国際文書による規制を含む他の国際的な規制の制度の対象となる廃棄物は、この条約の適用範囲から除外する。」

 そのため、放射性廃棄物に関する条約が必要になり、それが

 「使用済燃料管理及び放射性廃棄物管理の安全に関する条約」( http://www.mofa.go.jp/mo…/gaiko/treaty/pdfs/treaty156_8a.pdf )というものです。略称を「放射性廃棄物等安全条約」というそうです。

 この条約は、http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/treaty156_8.html に説明があり、

平成 9年 9月 5日 ウイーンで作成
平成13年 6月18日 効力発生
平成15年 6月11日 国会承認
平成15年 8月26日 加入書寄託
平成15年 9月5日 公布及び告示(条約第5号及び外務省告示第314号)
平成15年 11月24日 日本について効力発生

という経過をたどってます。

 条約作成の平成9年は1997年であり、3月に東電OL殺人事件が起こっていて、5月にはサカキバラセイト事件が起こっています。4月1日に消費税が3%から5%に増税されています。5月に映画「失楽園」が封切り。12月、地球温暖化防止京都会議で京都議定書が採択されました。

 日本に於いて条約発効した平成15年は2003年で、911のアメリカ同時テロが2001年に起こり、その結果、米軍がイラク侵攻を始めた年です。 7月には東京小6女児4人監禁事件が発生しています。

 放射性廃棄物等安全条約は、その前文で

「いかなる国も、外国の使用済燃料及び放射性廃棄物の自国の領域内への輸入を禁止する権利を有することを認識」

としています。つまり、ここでもバーゼル条約と同じように権利行使すれば国境を超えた核廃棄物の移動を禁止できるとするだけで、加盟国一律に国境を超えた核廃棄物の移動禁止をしているわけではないのです。

 更に、この条約にはとても興味深い部分があり、「処分」についてはその定義が第二条定義で、

(d)「処分」とは、使用済燃料又は放射性廃棄物を、再び取り出す意図を有することなく適当な施設に定置することをいう。

と定められています。「再び取り出す意図を有することなく」ですから、日本で言うところの「最終処分」であるはずですが、「処分」という用語が使われています。

 また、国境を超える移動について次のように定め、国境を超える移動があること明確に認めています。

第二十七条国境を越える移動
1国境を越える移動に関係している締約国は、この移動がこの条約及び関連する拘束力のある国際文書の規定に合致する方法で実施されることを確保するため、適当な措置をとる。
このため、
(i)原産国である締約国は、国境を越える移動が、仕向国に事前に通報され及び仕向国の同意がある場合にのみ認められ及び実施されることを確保するため、適当な措置をとる。
(ii)通過国を通過する国境を越える移動は、用いられる特定の輸送方式に関連する国際的な義務に従う。
(iii)仕向国である締約国は、この条約に合致する方法で使用済燃料又は放射性廃棄物を管理するために必要な事務上及び技術上の能力並びに規制の体系を有する場合にのみ、国境を越える移動に同意する。
(iv)原産国である締約国は、仕向国の同意があることにより、(iii)に定める要件が満たされていることを事前に確認することができる場合にのみ、国境を越える移動を認める。
(v)原産国である締約国は、この条の規定に従って行われる国境を越える移動が完了しないか又は完了することができない場合には、代わりの安全措置をとることができる場合を除くほか、自国の領域に戻すことを認めるため、適当な措置をとる。

 もう一つ、とても興味深い点は、緊急事態について次のような規定をしている点です。

第二十五条緊急事態のための準備
1締約国は、使用済燃料管理施設及び放射性廃棄物管理施設の使用前及び使用中に敷地内及び必要な場合には敷地外の適当な緊急事態計画が準備されることを確保する。この緊急事態計画は、適当な頻度で検証すべきである。
2締約国は、自国の領域の近隣にある使用済燃料管理施設又は放射性廃棄物管理施設における放射線緊急事態の影響を受けるおそれがある限りにおいて、自国の領域に係る緊急事態計画を作成し及び検証するため、適当な措置をとる。

 つまり、自国に影響があると思えるときに何らかの緊急事態計画を作り、適当な措置を取れるとしているわけです。

 福島第一原発事故ではどうだったのでしょうか。

第二十四条使用に際しての放射線防護では、次のように述べています。
「放射性物質の環境への計画されておらず又は制御されていない放出を防止するための措置をとること」
「締約国は、規制された原子力施設の使用期間中、放射性物質の環境への計画されておらず又は制御されていない放出が発生した場合には、その放出を制御し及びその影響を緩和するための適当な是正措置がとられることを確保するため、適当な措置をとる。」

 素直に読むと、原発事故時に他国が適当な措置を、自国の領域に係る緊急事態計画に基づいて取ることができると解釈できると思います。実際はどうだったのでしょうか。

 ともかく、核廃棄物の国境を超えた移動は一律に禁止されているわけではなく、当事国が同意すれば移動は合法的にできる制度が既に作られているのです。

2015年4月16日18時00分 武田信弘   

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コメント
 
01. 茶色のうさぎ 2015年4月19日 12:33:24 : qtmOTsgWNIsK2 : 0MPFx9LAJk

ジュネーブとロンドン。。。条約。。との、関係は???

核物質は危険物では、あるが、毒物では無い。!

多いに、核爆弾、劣化ウラン弾を使いましょう。?????健康に良い。!?????ばか


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