http://www.asyura2.com/15/genpatu42/msg/467.html
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原爆投下後、広島・長崎はめざましく復興発展したのだから、福島もすぐに復興するはずだ、
という楽観的な意見があるが、残念ながらこれは希望的観測に過ぎない。
それはなぜだろうか。理由を考えてみよう。
(1) 原爆の爆発で放出されるのは短寿命核種が大半である
一瞬で核分裂を起こさせる原爆で生成・放出されるのは短寿命核種が大半であるが、
原発では寿命が長く厄介なセシウム137やストロンチウム90などが大量に生成される。
同じ死の灰でも中味が違うので、原爆と同じだと言う議論はできない。
「放出核種の図/チェルノブイリ・福島・広島」 (m1se氏ブログ 2011/11/20)
http://m1se.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
「事故で大気中に放出された放射性物質とその量(チェルノブイリ事故、原子爆弾との比較)」
(ポストさんてん日記 2012/7/1)
http://icchou20.blog94.fc2.com/blog-entry-280.html
「広島原爆による放射能の研究:2.フォールアウト(降下物)の放射能測定」
(名古屋生活クラブ・広島大学工学部・HIROMI HASAI 1991)
http://www.nagoyaseikatsuclub.com/essay/syokuhinnzyouhou/192.html
(2) 原爆と原発では核物質・死の灰の量がケタ違いである
広島原爆で、実際に核分裂を起こしたウラン235は1キログラム程度と言われている。
一方、原発1基で燃やす核燃料は数十トンであり、比較にならないほど多い。
生成される死の灰も同様にケタ違いに多い。
政府発表によれば、福島原発事故で放出された放射性物質は、セシウム137換算で
広島原爆168個分だという。
これは大甘な試算で、実際ははるかに多いだろうし、海へ流出した分は含まれていない。
汚染がケタ違いだということがわかるだろう。
(3) 原爆の放射性物質は上昇気流により成層圏近くまで上昇し拡散した
広島・長崎とも上空500メートルで爆発が起こり、死の灰は、強力な上昇気流に乗って
成層圏近くまで上がり広範囲に拡散した。
しかし、福島原発事故では、たかだか高度1000-2000メートルに留まり、放射性雲として拡がり、
雨や雪に混じったり、あるいは山肌にぶつかって、地上に降下した。
発生したキノコ雲の大きさを比較すればわかるだろう。
汚染の拡がり方と密度が全く違うのだ。
「原子爆弾の放射能汚染と、福島原発周辺地域の放射能汚染」 (原爆先生の特別授業)
http://www.hiroshima9.com/osen/osen.html
(4) 本来なら広島・長崎は一定期間、立ち入り禁止にすべきだった
原爆の爆発で放出されるのは短寿命核種が多かったとは言え、相当量の残留放射線が
あったはずである。また分裂しなかったウランやプルトニウムによる汚染も、当然あっただろう。
今の常識からしたら、原爆投下後の広島・長崎では、きちんと線量測定や除染を行ない、
安全な放射能レベルになるまで、一定期間、少なくとも数年は、立ち入り禁止にすべきだった。
しかし、当時は放射能に対する知識も測定装置もなく、終戦の混乱の中で
火事が収まると焼け跡を片づけて、すぐに人が住み始めてしまった。
直接、原爆の閃光を浴びて被「爆」しなくても、残留放射線による被ばくで亡くなったり、
病気になった人はかなり数に及ぶはずである。
つまり、広島・長崎は住民の健康を犠牲に早期復興ができたのであって、
現在ではとても許されることではない。
被ばく被害に慎重に配慮していたら、かなり復興は遅れていたはずである。
以上、4つの点を挙げたが、原爆と原発は同じ土俵で話ができないことが理解できると思う。
広島・長崎では20万人以上が犠牲になり、70年を経た今でも、多くの人が被ばく障害に苦しんでいる。
決して忘れることはできない、忘れてはならない悲劇である。
しかし、残念ながら、これから我々を待っている災禍は、比較にならないぐらい大きいだろう。
「これから日本の方々を襲おうとしている健康問題は想像を絶します」 (デルテ・ジーデントプフ博士)
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