http://www.asyura2.com/15/genpatu42/msg/444.html
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http://blogs.yahoo.co.jp/taked4700/12728306.html
地層処分は可能だという議論が出ていますが勘違いをしています。
「ガラス固化体 地層処分が最適」( http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/150330/cpd1503300500001-n1.htm )という記事では、
>1990年代に国内研究機関の地質分野の専門家約130人と関連学会が調査した結果、「日本では10万年程度の期間、安定であると考えてよい地層は広く分布している」という共通認識が得られている。
ということを根拠に地層処分が可能だとしているのですが、
「日本では10万年程度の期間、安定であると考えてよい地層は広く分布している」
ということの意味を誤解しています。座布団を一つ畳の上に置いて片手で座布団の隅をつかんで多少横へ動かしてもほとんど変形しない部分はかなりあるでしょう。つまり、全体としては揺れ動いているが、部分部分としては、周りと同じように揺れているだけで、周りに対して変形をしていないということです。上の引用の「安定」とはこのことを指していて、活断層が存在せず、地層のずれなどがないという意味です。実を言うと、自分は、このことさえ本当は疑問だと考えていますが、まあ、そのことは置いておきます。
問題は、地層処分する場合、地下に総延長で数キロメートルから10キロメートル以上もの坑道を造ることです。こういった構造物は周囲の地盤から見ると異物ですから、地震波の影響を受けて様々な傷みが発生し、コンクリートが割れたり、水漏れが起こったりしてしまうのです。上の座布団の例えで言えば、30センチメートル程度の物差しを座布団カバーの内側に入れて座布団を動かすことに当たります。物差しの当たった部分の座布団カバーはかなり簡単に動いてしまうはずです。
この記事にはもう一つ誤解があるようです。それは、再処理により核廃棄物が減ると考えている様子だからです。実際、国は現在でもそういった主張をしていますが、明らかにごまかしです。
再処理とは使用済み核燃料からプルトニウムとウランを回収してリサイクルすることとされています。しかし、再処理した結果の回収ウランには、天然ウランにはないウラン232とウラン236が混じってしまうのです。ウラン232は半減期が短く、崩壊してタリウム208とかビスマス232など強いガンマ線を出す放射性物質へ変化します。ウラン236は中性子を吸収しやすく核分裂を阻害します。そのため、再処理の回収ウランはリサイクルできないのです。このことは世界的に同様であり、フランスやイギリスでも回収ウランをMOX燃料製造には使っていないということです。(岩波書店「科学」2014年5月号「核燃料サイクルの本当の話をしよう」参照のこと)
つまり、再処理は、その過程で環境に放射性物資を大量に放出してしまうだけでなく、廃棄物の減容ということも現実にはできないのです。
世界的に地層処分が可能だと考えられていたのなら、核の平和利用が言い出された1950年代から地層処分の実験プラントが少なくとも原子爆弾保有国のすべてで造られていたはずです。何千年、何万年の安定性があると実証するためには早ければ早いほどいいのは当然だからです。つまり、世界のどの国も、本気では、自国で地層処分などする気はないのです。
しかし、他国で地層処分すればいいというのも短期的な見方でしかなく、地球上どこでも地層処分は不可能です。核廃棄物は放射能毒性だけでなく、重金属毒性を持つことが多く、重金属毒性は永遠に消えないからです。結局、人類が存続する限り、自分の目の届く範囲に置いて管理し続けるしかないのです。
2015年3月31日03時15分 武田信弘
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