http://www.asyura2.com/15/genpatu42/msg/443.html
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この記事、最後のところで、
>「地層処分できるところは日本にない。即時原発ゼロを」と訴える小泉純一郎元首相らの有識者を含めて誤解している人、理解できない人が意外と少なくないのは残念だ。
としているが、この記事自体が誤解をしていると思う。
>「日本では10万年程度の期間、安定であると考えてよい地層は広く分布している」
という話を真に受けている様子だが、この話は何も手を加えていない地盤としてという意味。
例えば、生卵をプチプチのあるビニールの梱包用紙や新聞紙などで包み、箱に入れて揺らしても、ほとんどの場合卵はそのままだ。しかし、卵の10個パックをそのままやはり同様に包んで段ボール箱に入れ、揺らしたら、多分多くの場合、パックの容器は壊れてしまうだろう。
地層処分するということは地盤の中に何キロ、実際には数十キロにもなる坑道を掘ることになる。そういった坑道は明らかに周りの地層にとって異物だから、地震波を受けてそれなりに傷みだす。
日本全国、地震の揺れが全くない場所は存在しない。その意味で、地下に広大な空間を作ったとき、その空間が数万年も無事にそのままであるところなどない。これは真実と言ってもいい。
この記者の方はこのことを誤解されている。
なお、
>「日本では10万年程度の期間、安定であると考えてよい地層は広く分布している」
という意味は、例えば、段ボール箱があったとして、それを膝の上に置いて足をバタバタしたときに、特に変形しない部分があると言う事と同じ。段ボール箱自体はいろいろと揺れ動き、場所によってはつぶれたりへこんだりする。
変形しない場所は、たまたま膝が直接接していないとか、そういった場所であるだけで、まったく力がかかっていないと言う事ではない。
つまり、変形力自体は段ボール箱全体にいろいろな形でかかるわけで、地盤も同じように変形力自体は常にかかっている。だから、そういった地盤が安定していると言っても地中に構造物を作れば、その構造物が周りの地盤と同じような変形しかしないと言う事にはならない。
http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/150330/cpd1503300500001-n1.htm
【電力考】ガラス固化体 地層処分が最適
2015.3.30 05:00
青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場(ブルームバーグ)
ガラス固化体の最終処分に関する新しい基本方針が概ねまとまった。国のポーズを示しただけという厳しい声もあるが、科学的に安全性を検証し、EU(欧州連合)指令などグローバルスタンダードにもかなったものだ。原子力発電所は「トイレなきマンション」と言われて久しいが、次世代に先送りせず、現世代での廃棄物問題解決と地層処分を早期実施し、汚名返上を実現してもらいたい。
ガラス固化体とは、原発で発生する使用済み核燃料を再処理し、再利用可能な資源を回収した後に生じる高レベル放射性廃液をガラスで安定状態にしてステンレス容器内に固めたものだ。約90%がガラス成分で、残りは核分裂生成物とマイナーアクチナイド。核分裂生成物はストロンチウムやモリブデン、セシウムなどで、半減期が数十年以下のものが多い。マイナーアクチナイドはウランより重い超ウラン元素のうちプルトニウム以外のネプツニウムやアメリシウムなどで、半減期が数百年〜数千年のものが多い。
◆30〜50年貯蔵し隔離
強い放射線と熱を発するので、日本では100度以下にするため30〜50年間貯蔵し、幾重にもバリアを設けた上で地下300メートル以深に地層処分し隔離することになっている。地層処分後、分離効率の優れた青森県六ケ所村再処理工場で製造したガラス固化体は、約8000年たてば自然界に普通に存在するウラン鉱石並みに放射能レベルは減衰する。しかも地層処分するためには、その年限の安定地盤でよしとするのではなく、念のため自然レベルに戻る期間の10倍以上の期間の安定地盤を探す。
つまり約8000年ではなく、約8万年以上の安定地盤で処分するのだ。1990年代に国内研究機関の地質分野の専門家約130人と関連学会が調査した結果、「日本では10万年程度の期間、安定であると考えてよい地層は広く分布している」という共通認識が得られている。同様の検証は99年に核燃料サイクル機構が、2000年に原子力委員会が、昨年5月に国の技術ワーキングが行った。こうした科学的成果を直視すれば、ガラス固化体の最終処分に安全上の問題は見当たらない。
さらに最も注目すべきは、海外でも地層処分は的確な評価がなされ、グローバルスタンダードとなっている点である。特にEUは11年、加盟国に対し再処理と直接処分のどちらでも高レベル廃棄物の地層処分を考慮すべきだとし15年までに処分計画の整備を求めるとともに、貯蔵は暫定的な措置にすぎず地層処分だけが最も安全な選択肢であるとするEU指令を発している。
◆米国も強い関心
日本学術会議は50年間、地上で暫定保管、その間に処分地選定で国民の合意を得るなどとする暫定保管論を提言しているが、これはEU指令を無視した事実上の問題の先送りではないか。また日本で回収可能性が最近注目されている中、米エネルギー省が使用済み核燃料の直接処分・暫定保管に対し、核分裂生成物の放射能が減衰した後に回収すれば核兵器原料となりうる物質が取り出しやすくなるという核不拡散上の懸念を示し、むしろ“回収不可能”となる「超深孔処分」に予算をつけるなど地層処分に強い関心を示していることに真剣に目を向けるべきだ。
さらには国内で唯一、使用済み核燃料の中間貯蔵が実現している青森県むつ市が協定書の中で、中間貯蔵の前提に再処理を置いている事実を直視し再処理なしの暫定保管を提唱することの非現実性に気づくことが大切だろう。
すでに日本は、1.7万トンの使用済み核燃料を国内で保管中だ。再処理分も合わせると、ガラス固化体にして2.5万本分の高レベル廃棄物が最終処分を待っている計算になる。これは、原発再稼働を行うかどうかとは全く関係がない。最終処分は不可欠である。
日本とは異なり、使用済み核燃料の直接処分を実施しているフィンランドの現場(直接処分では天然ウラン並みに放射能が減衰するのに約10万年を要す。同処分には100万年以上の安定地盤が必要)を見て「地層処分できるところは日本にない。即時原発ゼロを」と訴える小泉純一郎元首相らの有識者を含めて誤解している人、理解できない人が意外と少なくないのは残念だ。(芝一太郎)
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