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関電、廃炉に海外企業 アレバ・WHが応札へ
美浜原発、三菱重と連合
関西電力は美浜原子力発電所1、2号機(福井県)の廃炉(総合2面きょうのことば)で国際企業連合を組む。美浜の設備を納入した三菱重工業と欧米で廃炉経験を持つ企業を組ませて共同企業体(JV)をつくる。海外企業は入札で選ぶ計画で、仏アレバと東芝傘下の米ウエスチングハウス(WH)が応札する見通し。国際連携で廃炉を効率的に進め、電気料金に上乗せされる廃炉費用の圧縮を狙う。
関電は今月17日に稼働後40年以上たち老朽化した美浜1号機(出力34万キロワット)、2号機(50万キロワット)の廃炉を決めた。廃炉計画の策定を進めており、入札は4月にも実施する。コストの見積もりや技術を評価し、5〜6月に落札企業を決める。関電、三菱重工を含む3社連合で2016年上期までに廃炉作業に入る。
入札対象となるのは「系統除染」と呼ぶ作業。原子炉内の配管や格納容器などにどれくらい放射性物質が付着しているかを分析し取り除く。除染しないと施設を解体できないため、廃炉の基礎となる中核的な工程だ。
アレバとWHは核燃料から原子炉まで手掛ける原発関連の世界大手。米スリーマイル島原発や旧ソ連のチェルノブイリ原発の廃炉処理などの経験を持つ。関電は入札で優れた技術をできるだけ低いコストで導入し、廃炉を安全・円滑に進める。
日本では全48原発のうち、約20基が稼働から30年超になる。東日本大震災後、政府は運転期間を原則40年に定めた。今後廃炉が増えるとみられ、20〜30年間に及ぶ作業を国内企業だけで同時に進めるのは難しい。アレバやWHにとっては欧米に続く市場となる。
経済産業省の試算では出力50万キロワット級の原発の廃炉費用は350億〜476億円。ただ日本原子力発電が進める東海発電所(茨城県、約16万キロワット)の廃炉費用は、国内初の廃炉で試行錯誤したこともあるが約900億円とされる。廃炉ノウハウがなければ費用が想定以上に膨らみかねない。
廃炉にかかる巨額の費用は電力会社が電気料金に上乗せする積立金で賄っている。関電が費用を圧縮すれば、将来的に利用者の負担増を抑える効果がある。国内では中部電力浜岡原発(静岡県)でも廃炉が進められているが、計画的な廃炉作業に海外企業が参画するのは美浜が初めて。
関電の美浜1、2号機とともに、九州電力玄海1号機(佐賀県)、中国電力島根1号機(島根県)、日本原電敦賀1号機(福井県)も廃炉を決めている。他電力も海外勢の廃炉ノウハウ導入で追随する可能性がありそうだ。
[日経新聞3月25日朝刊P.1]
廃炉 終了まで20〜30年、特殊な工程
▽…運転を止めた原子力発電所の敷地から建屋などを取り除き、更地に戻す作業。放射能が弱まるのを待つ必要があり、終了まで20〜30年かかる。使用済み核燃料を取り出し、解体した機器を地中に埋めるなど特殊な工程を経る。
▽…国内では日本原子力発電東海原発(茨城県)や中部電力浜岡原発1、2号機(静岡県)がすでに廃炉を決め、作業を進めている。東日本大震災後に政府が原発の運転期間を原則40年に制限したことで、関西電力美浜原発1、2号機(福井県)など5基も3月に廃炉を決めた。米国やドイツには廃炉を完了した例があるが、国内の商用原発にはない。
▽…廃炉には数百億円の費用がかかり電力各社は負担を恐れて廃炉を先延ばしにしてきた。政府は廃炉に必要な費用を10年間に分割計上できる会計制度をつくり、負担を和らげた。それでも作業の遅れなどで最終的な費用が膨らむ可能性もある。事故を起こした福島第1原発の廃炉費用は2兆円規模ともいわれる。
▽…廃炉の解体作業で出てくる廃棄物の処分場がないことも課題だ。廃炉した原発から取り出した使用済み核燃料の保管場所もないため、電力各社は共同で設置する検討を始めた。
[日経新聞3月25日朝刊P.3]
関電、海外の廃炉技術取り込み 新たな商機にらむ
関西電力が美浜原子力発電所1、2号機(福井県)の廃炉作業で国際入札を実施するのは、海外の廃炉技術やノウハウを蓄積する狙いもある。石油危機後に大量に建設された古い原発が国内外で相次ぎ廃炉時代を迎えるなか、技術を培い廃炉ビジネスという新たな商機をにらむ。
国際原子力機関によると、2013年時点で世界の原発437基のうち、運転開始から30年を超える原発が3分の1超の162基に達する。仏アレバ、米ウエスチングハウス(WH)や米ゼネラル・エレクトリック(GE)、ロシアのロスアトムなど世界の原子力大手がこぞって廃炉ビジネスへの参入を狙っている。
廃炉の事例が少なかった日本の原発メーカーや電力会社は海外勢に技術蓄積で後れをとっている。関電は15年度中に産学連携で福井県内に廃炉研究機関を新設する。三菱重工業は2月、福井県内で地元の建設会社などと廃炉技術の情報交換会を開いて準備を進めてきた。玄海原発1号機(佐賀県)を廃炉にする九州電力は関電と情報交換して国際入札に興味を示す。
日本企業はトルコやベトナムで原発新設を受注してきた。廃炉技術を育てれば建設だけでなく、運営や廃炉まで一貫したサービスを提供できる。電力各社にとっても、廃炉技術は海外市場を開拓する武器になる。
[日経新聞3月25日朝刊P.4]
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