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フランスの原子力防災について語るオリヴィエ・フロラン氏
原子力防災、世界は今でも"いい加減"だった 国連防災世界会議で浮かび上がる危機
http://toyokeizai.net/articles/-/63259
2015年03月14日 関口 威人:ジャーナリスト 東洋経済
世界では、いまだに原子力防災がおざなり(いい加減)なまま−−。仙台で3月14〜18日の日程で行われる「第3回国連防災世界会議」に関連した市民フォーラムで、こんな課題が浮かび上がった。
いまだ福島県民だけで2万5000人近くが避難し続ける東電福島第一原発事故を教訓に、日本では原発を抱える各地域で避難計画が立てられているが、もう一つの原発大国であるフランスでも、対策はお寒い。中東ではIS(イスラム国)のテロに脅かされるヨルダンでも原発の新設が計画されている。フクシマの経験が生かされていないという訴えだ。
■フランスは「子ども残し大人が逃げよ」
仙台市の東京エレクトロンホール宮城で開かれたのは「市民参加による原子力災害の予防と対応」と題したシンポジウム。NPO法人日本イラク医療支援ネットワーク(JIM−NET)と同シャローム、そしてピースボートの3団体が国連防災世界会議のパブリックフォーラムの一つとして共催した。
フランスから招かれたヴォークリューズ県議会副議長のオリヴィエ・フロラン氏は、同県に隣接して立地するフランスでも最大級の「トリカスタン原発」について、「原発から10キロ圏以内に約8万2000人が住むが、事故があったら子どもを学校に残したまま大人は逃げることになっている。しかし、学校の備蓄は40人の子どもに対し5本程度のパンと缶詰め、ビスケットとチョコレート、6リットルの水だけだ。避難させるためのバスも運転手も足りない」と明かした。
フクシマを教訓に、事故の想定地域を100キロ圏まで広げるよう訴えているが、地元はアレバ社やフランス電力など原子力事業者の影響力が強く、実現していないという。
同じフランス・リモージュ大学名誉教授のミシェル・プリエール氏は「原発事故に対する国際法が十分に整備されていない。国際条約では情報を機密にすることが重要だとうたわれているが、本当は情報が公開されるべきだ。市民が健康に関する情報にアクセスし、長期的な避難に対しても人権が配慮されなければならない」と指摘した。
■ヨルダンでも原発新設へ
ヨルダンのNPO「エネルギー節約と持続可能な環境社会」代表のアイユーブ・アブダイエー氏は「ヨルダンでは3基目の原発が新設されようとしている。『核のヤクザ』たちが原子力の重要性を説きながら武器をつくる。IS(イスラム国)などがこれだけ戦争を引き起こしている中東で、絶対に原発を造らせてはいけない」と訴えた。
海外の専門家らに向けて福島の現状を訴える参加者
国連防災世界会議は国連加盟193カ国の首脳級や代表者らが参加し、18日までの予定で開かれる。本体会議では10年前の神戸で採択された「兵庫行動枠組」を引き継ぎ、東日本大の教訓を取り入れた新枠組が議論される。
だが、日本政府の原発再稼働の動きもあり、原子力防災についての議論は消極的な様子だ。「原発の存在そのものが人権への脅威である」などとする提言を本体会議で取り上げるよう求めているというプリエール氏は、「国連の会議の中で原子力が触れられないのなら、これはスキャンダルだ」とまで言って牽制した。
会期中に350以上の開催が予定されている市民主体のパブリックフォーラムでも、原発関連のテーマは数少ない。福島から来た参加者の1人は「フクシマが終わったことにされてしまう気がする」と危機感をあらわにしていた。
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