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波乱の安保理 日本が再び議長国に/鴨志田郷・nhk
2024年03月07日 (木)
鴨志田 郷 解説委員
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/300/492295.html
ガザ情勢やウクライナ情勢など世界で緊張が続く中、日本は今月、国連の安全保障理事会の議長国を務めています。どんな舵取りが求められているのでしょうか。国連担当の鴨志田解説委員です。
Q1、
安保理の議長国、そもそもどんな任務を負うのでしょうか?
A1、
安保理の議長国は、15の理事国が毎月アルファベット順に持ち回りで務めていて、1か月の間、世界のあらゆる紛争や人道危機などをめぐる会合で、議事の進行や議論のとりまとめにあたります。この間、議長国の外交官たちは、いっときも気を抜けない多忙な日々を送ります。日本が議長国を務めるのは、去年1月に非常任理事国になってから、ほぼ1年ぶりの2回目です。ただ前回に比べて国際情勢は一段と混迷を深めているだけに、安保理を差配するのは容易ではなさそうです。
Q2、
ロシアによるウクライナへの侵攻が始まって2年がたちましたが、出口は見えません。
A2、
ウクライナ情勢をめぐってはこの2年間、国際社会の批判をよそにロシアが頑なな姿勢をとり続け、欧米が非難決議案を提出するたびに、常任理事国の特権である拒否権を使って廃案に追い込んできました。アメリカからの軍事支援が滞っているウクライナの苦戦が伝えられる中、いまロシアはむしろ自信を深めています。折しも来週行われるロシアの大統領選挙で圧勝を目指すプーチン大統領は、国内に戦果をアピールしようとしていて、ロシアは安保理でもますます軍事侵攻を正当化していくものと見られます。
Q3、
パレスチナのガザ地区での戦闘も、多くの犠牲を出しながら収束する兆しがありません。
A3、
イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突が続くガザ地区では、すでに3万人以上が死亡して深刻な人道危機が広がっていますが、停戦の見通しは立っていません。安保理ではこれまで各国が即時停戦を求める決議案を繰り返しまとめてきましたが、イスラエルを擁護するアメリカが、こちらも拒否権を使って採択を阻止してきました。アメリカもことし11月に大統領選挙を控え、バイデン大統領はトランプ前大統領を前に苦戦すると予想されています。それだけに選挙の行方に強い影響力をもつ国内のユダヤ系団体に配慮して、アメリカはこの先もイスラエルを擁護する姿勢を崩さないのではないか、と見られています。
Q4、
「2つの大国の選挙」が「2つの戦争」の行方に影を落としているわけですね。
A4、
そう言わざるを得ない状況です。お膝元の選挙戦に追われるロシアとアメリカが、それぞれ
ウクライナやガザの戦争をめぐってますます頑なな姿勢をとれば、安保理での対立や分断はいっそう深まってしまいます。日本は今月、国連の本来の役割である「紛争の予防」や「核軍縮」といったテーマでの会合を開く予定ですが、大荒れの安保理で果たしてそんな冷静な議論をどこまでリードしていけるのか、議長国としての手腕が問われることになります。
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