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対ロシア制裁の壊滅的結果に直面する日本
2022年7月26日
ウラジーミル・ダニーロフ
New Eastern Outlook
アメリカと同盟諸国がロシア嫌いの狂乱で、より厳しい対ロシア制裁、特にロシア石油価格を制限する可能性を積極的に論じながら、当該の欧米による制裁政策は西側諸国自身に益々多くの打撃を与えている。そして、これは世界のエネルギー市場、特にガス市場で特に明白だ。
春に、アメリカはロシアとのガス戦争を始め、EUは、いわゆる「モスクワへのエネルギー依存」から解放されて、ロシア・ガスに相当する水準の確実なLNG供給をすると保証した。だが実際は、アメリカは、最近そうする能力がないと分かっただけでなく、EUのエネルギー安全保障を酷く傷つけた。最近世界のLNG輸出業者間で、カタールとオーストラリアが首位を競う中、主にヨーロッパ消費者に「ブルーフューエル」を輸出しているアメリカ・プラントにおける一連の原因不明事故のためアメリカは大きく負けている。
良く知られているように、アメリカLNG生産者の問題は、6月初旬、輸出用アメリカ・ガス処理の約20%を占めるテキサス州キンタナ島のフリーポート・ターミナルでの爆発で始まった。だが施設所有者と救助隊による最初の発言が「小規模な三週間の」修理だったのに対し、まもなく、遙かに長期の補修作業だと主張された。
正確に1カ月後、オクラホマ州メドフォードの類似のOneOk施設が、似たような理由で事業を停止した。目撃者によれば、工業プラントを巻き込む炎は短期修理問題でないほど広がったが、「完全に燃え尽き」た生産ユニットの稼働継続の不可能だった。
オクラホマでの事故と、ほとんど同時に、テキサス州モントベルビューで重大事故が起きた。地下パイプライン爆発と、続く火事がローン・スター液化天然ガス貯蔵施設に酷い損害を与えた。
結果的に、アメリカ当局によれば、相当な修理作業経費以外に、大規模投資が必要なため、被害にあったアメリカ生産施設の稼働は年末まで延期された。破壊されたプラントの所有者は連邦政府に頼る可能性が高い。
これらアメリカ・プラントの閉鎖に起因する世界エネルギー市場の損失は大規模で、国内、海外の燃料消費者双方とも、今度の暖房時期に、はっきり感じるだろう。だが、ロシアから供給されたエネルギーを、アメリカのもので置き換えることを狙ったワシントンの対ロシア政策の結果、5月以来、ヨーロッパが、アメリカLNGの主要輸入者となり、旧世界が液化燃料輸出全体の3分の2に及び、アメリカ・エネルギーに依存するようになったのは強調されるべきだ。結果的に、対ロシア制裁政策の結果、アメリカ生産者燃料に頼るEU加盟国のエネルギー事情は劇的に悪化している。だがそれは世界の他のエネルギー市場、特にヨーロッパとガスのため競合しなければならないアジアで不安定をもたらした。
これらのアメリカと西欧同盟諸国によるグローバル・エネルギー市場に対する制裁「悲惨な」帰結を、最近Yahooニュース!Japanが強調したが、それは、まさに以前ロシア大統領ウラジーミル・プーチンが、アメリカと西欧同盟諸国がしかけるロシア嫌い政策に歯止めをかけようと警告していたことだったのを想起させる。特に、プーチンは、モスクワが、ロシア自身より、西洋に遙かに多くの打撃を与える、どんな対ロシア制裁にも対応する準備ができていると強調していた。プーチンの予想を裏付けて、Yahoo!ニュースJapanは、対ロシア制裁のため、今後12カ月で、ユーロ圏経済が景気後退に陥る可能性は既に45%で、インフレは7.6%と予想されると述べている。
EU加盟諸国が、パイプライン・ガス輸入を減らし、液化天然ガス(LNG)置き換える傾向の中で、生産量が際立って増加する可能性がないため、LNG市場での競争は、今後数カ月から数年、激化すると日本のエネルギー専門家は考えている。短期的に、石炭生産増加政策が失敗した中国で予想される電力不足のため、状況は悪化するだろう。
この文脈で、日本のエネルギー安全保障予測は、無意識に、ロシアのせいにしている。だが、アメリカの影響の下で、公然とロシア嫌いの路線をとった日本が、ロシア石油価格を制限する政策を実行すれば、ロシアのガソリンを買うのは不可能だというロシア連邦安全保障理事会議長代理ドミトリー・メドベージェフによる最近の声明は、東京の考えを明るいものではなくしている。日本の恐れも強まり、7月1日に、ロシア有限会社を液化天然ガス(LNG)プロジェクトのオペレーターにするというロシア決定の結果、日本企業がサハリン-2プロジェクトの権利を失いかねない可能性が強くなったと共同が報じた。
シドニーでのエネルギーフォーラムで、アメリカとオーストラリアに液化天然ガス生産を増やすという日本の経済産業大臣萩生田光一の要請に関して発言し、アナリストでポスト石油戦略研究所代表の大場紀章は、二国がそうできる可能性はありそうにないと言った。
これを念頭に、萩生田光一経済産業大臣は、三井と三菱は、サハリン-2プロジェクトの彼らの株を「堅持」すべきだと述べた。7月16日、岸田文雄首相と会った後、萩生田大臣は、日本企業のそれ以上の決定がロシアの状態に依存すると日経が意見表明したにもかかわらず、新しいロシア企業がプロジェクト・オペレーターになった後、東京は、サハリン-2の株主であり続けるよう、これら日本企業に要求したと強調した。
現状での東京に対するモスクワの態度については、最近のG20イベントでの林芳正外務大臣による明示的なロシア嫌い行動を含め、このような状況下では対話が非常に問題になる。7月6日、日本のロシアに対する極めて非友好的な姿勢は、協力やエネルギー対話に貢献しないとロシア大統領報道官ドミトリー・ペスコフが述べた。
「日本はロシア連邦に対し極めて非友好的な姿勢だ。いずれにせよ、このような極めて非友好的姿勢はエネルギー対話を含む合意の発展や経済関係に全く貢献しない。」
ウラジーミル・ダニーロフは政治評論家、オンライン誌「New Eastern Outlook」独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2022/07/26/japan-faces-catastrophic-consequences-of-its-anti-russian-sanctions
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