14. 2015年12月02日 17:00:27
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人民元、第3の国際通貨に IMF正式決定 産経新聞 12月2日(水)7時55分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151202-00000066-san-bus_all 【ワシントン=小雲規生】国際通貨基金(IMF)は11月30日の理事会で、準備資産「特別引き出し権(SDR)」の構成通貨に人民元を加えることを決めた。構成通貨は来年10月からドル、ユーロ、ポンド、円、人民元の5通貨となる。IMFのラガルド専務理事は理事会での決定後に記者会見し、人民元の採用について「中国経済の世界の金融システムへの統合に向けた重要な一里塚だ」と述べた。 仮想通貨であるSDRの価値を現実の通貨に換算する際に使われる比重は、ドル41・73%、ユーロ30・93%、人民元10・92%、円8・33%、ポンド8・09%。人民元は、ドル、ユーロに次ぐ3番目の大きさを占めることになり、中国経済の影響力を象徴した。 人民元の採用にあたり一部からは、人民元レートの変動幅が中国人民銀行(中央銀行)によって制限されていることや中国の資本市場の開放が不十分なことから、人民元は「自由に取引できる通貨」という構成通貨の条件を満たしていないとの声も出ていた。 これに対しIMFは、かつてはポンドや円も資本規制が残っている段階で「自由に取引できる通貨」として認定されたことを挙げ、問題はないとした。 米国は中国の金融制度改革の不十分さを指摘し、人民元の採用に慎重姿勢を取ってきた。しかし、理事会では賛成に回り、米財務省は決定後、「IMFの決定を支持する」とのコメントを発表した。 2015.12.1 19:59 【人民元SDR入り】 悪貨が世界を脅かす http://www.sankei.com/world/news/151201/wor1512010043-n1.html 中国人民元のSDR構成通貨入りを発表するIMFのラガルド専務理事。同氏は中国を味方に付け発言権を増すとみられている=11月30日、ワシントン(AP) 「悪貨が良貨を駆逐する」とは、金本位制の時代に限らない。いつの世も似たような法則が働く。現代版悪貨とは人民元である。 元は中国共産党の支配下にある中国人民銀行が基準相場を設定し、変動を基準値の上下2%以内に限って許容している。元の金融・資本市場は制限だらけで、取引不自由だ。公正に開かれた金融市場を基盤とし、為替レートが自由に変動する先進国通貨とは対極にある。ところが、国際通貨基金(IMF)は円を押しのけて元にドル、ユーロに次ぐ特別引き出し権(SDR)シェア第3位のお墨付きを与えた。 IMFを背後から突き動かしたのは国際金融界である。2008年9月のリーマンショックでバブル崩壊、収益モデルが破綻した国際金融資本が目をつけたのはグローバル金融市場の巨大フロンティア中国である。その現預金総額をドル換算すると9月末で21兆ドル超、日米合計約20兆ドルを上回る。 中国の習近平党総書記・国家主席は元の国際通貨化工作に大号令をかけてきた。対外膨張戦略のためには国際通貨元が欠かせないからだ。ラガルドIMF専務理事は3月下旬に訪中して「元のSDR入りは時間の問題よ」と李克強首相らにささやいた。元決済機能誘致を北京に陳情してきた英国を始め、欧州主要国はこぞって支持に回った。 米オバマ政権の中枢はニューヨーク・ウォール街出身者が占める。同政権は当初こそ態度を留保したが、北京がこの夏、金融の部分自由化を約束した途端、「IMFの条件に合えばSDR入りを支持する」(ルー財務長官)と豹変した。ウォール街ではシティ、JPモルガン、ゴールドマン・サックスら大手が中国の大手国有商業銀行と組んで元決済センター開設準備がたけなわだ。 今後、世界では何が起きるか。元は世界最大の通貨発行量を誇る。国際通貨になれば、元は国際市場でドルとの交換が保証される。経済面ばかりでなく、政治、軍事の分野で元の威力はさらに増すだろう。 北京は最近、元の国際通貨化をうたい文句に、国際的な元決済システム「CIPS」を構築した。ドル決済システムの代替で、米情報当局による監視から逃れたい「ならず者国家」は元を使えばよい。党支配下の企業はカネにモノを言わせて、日本を排除しては東南アジアのインフラを手中に収めている。日米欧のハイテク企業などを対象に「爆買い」攻勢をかけている。 悪貨の膨張を防ぐ手段はただ一つ。元の為替制度と金融市場を他のSDR通貨と同程度に完全自由化させることだ。党による支配は自由市場から嫌われ、資本の逃避や元の暴落を招く。 ところが肝心のIMFは「市場改革が進むかどうか今後も監視していく」(ラガルド氏)と弱々しい。約束違反しても罰則はない。IMFへの資金の貢ぎぶりでは世界一の日本は、もういい加減、口くらい出したらどうか。(編集委員 田村秀男)
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