http://www.asyura2.com/15/cult15/msg/113.html
Tweet |
60年代が変革の時代だったとするなら、70年代は幻想の時代だった。まがいもの、眉唾モノのオンパレードである。70年代というだけで、笑みがもれるものである。もう、ありえねえことの連続なのである。
石原慎太郎はスコットランドまでネッシー探検に出かけた。いうまでもないが、ネッシーというのは想像上の生物であり、そんなものが捕獲されることはないのだが、集団で伝説を信じれば期待に光はさしこむのであった。
五島勉はノストラダムスの紹介で予言ブームを起こした。いうまでもないが、ノストラダムスというフランス系ユダヤ人の書いた詩から現実になにかが転写されることはない。全くのこじつけにしかすぎないのだが、集団で謎を信じれば予言は現実としてよみがえるのであった。
三島由紀夫は武装して陸上自衛隊でクーデターを試みた。いうまでもないが、そんなことはできない相談であり、ただのコスプレごっこにしかすぎないのだが、国際的な有名文士が横浜国立の思想学生と事を起こしたなどというと、ありえないフィクションに現実色の照明があたったのだった。
アメリカのスーパーヒーロー、モハメッド・アリは日本で東洋人相手に防衛戦をする表明をした。それにのっかったのが新日本プロレスのアントニオ猪木。いうまでもないが、プロレスとボクシングが試合になるわけがない。しかしそんな滅茶苦茶な企画が20億の予算で実現されるような絵空チックな時代だったのだ。
冷静に考えれば、ばかばかしいだけの話でも、文化的指針を失った当時の日本人はなんにでも飛びついて幻想を満足させたものである。
さて時代的にはノストラダムスの後になるが、アメリカから入ってきた新たな幻想体系。眉唾の似非科学。
それはバイオリズムといった。つまり人間は人それぞれ天体の影響を受けており、生年月日に応じて人を律する運気が個人別に巡回するというセオリーである。
アメリカでは星座占いのように、このバイオリズムを元にした運勢の占いが雑誌や新聞にも頻繁に登場するようになった。70年代を代表するブームの一つといってもいいだろう。レーガン大統領夫人が天文占いにこっていた、というのもこのころの如何わしい似非科学の影響かもしれない。
アメリカではジッテルソンの書いたハードカバーの「バイオリズム」シリーズが話題となり、中でもモハメッド・アリやOJシンプソンをはじめとする有名スポーツ選手の運気を天体的に占うという電波バリバリの『バイオリズム・スポーツ占い』は書店の入り口棚を飾った。
アメリカで流行するものはなんでも日本に持ってくればいいということで、日本にもジッテルソン本を翻訳するような電波企画がもうけられた。今ではアメリカでも誰も相手にしないような信憑性の全くないアホアホ大法螺ネタ情報詐欺だということがばれてしまっているが、当時はまだ集団で関心を持てば実用的かも・・・というような無知のベールに包まれた心地よさの中で夢をみることができたようなのだ。
それを翻訳したのは、輿水厚という日本人である。なんかどっかで聞いたことがあるような名前だなあ。
オカルト電波本の翻訳なんかしているところも、やっぱこの姓名を持って生まれてきた山梨系男子の宿命なのかもしれんね。
ま、私はガチンコ派なので、とぼけることはこれくらいにしておこう。
この電波本翻訳をした輿水厚こそが、こないだ他界されたリチャードの親父さんなのだ。
輿水厚さんは、バイオリズムを研究してアメリカの大学で博士号までとったという。以前、輿水が池田大作の名誉博士号など自分の親の博士号に比べたら偽物だ、と豪語していたことがあるが、親父さんの学位とは疑似科学だったという、また笑うに笑えないオチを提供する香具師父子であるなあ。
そのうち、ノストラダムスの新説を発表したらアメリカの大学から学位が届いた〜などという奴もでてくるかもしれないな。むろんPhdなんてジョークではなく、その場合は臨床心理学だろうが。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。