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車田正美という漫画家がいる。
そもそも、筆者は余り漫画というものに興味はないのだが、掘り出し物を探しに古本屋へはよく行く。本探しのついでに漫画本の棚も見るのだが、たまたま、見つけた本に車田正美著のものがあった。確か『聖戦士星矢』という題名だったと思う。主人公の名前に星矢というホストみたいな名前を付けている時点で少々きな臭いものを感じていたが、中身を見て思った通りだと感じた。
主人公全員がナルシストというのもそうだが、髪型以外に見分けのつかないキャラクター設定や、ストーリーの単調さ等、何でこんな漫画が・・・という思いになったものだ。帰宅後、色々と調べてみると、一時期は相当な収入があったらしく、なるほどどんな物でも需要はあるんだなと感心した。
小説を読みまくって青春を送った私としては、少々理解に苦しむところがあるのだが、自己を投影する意味では漫画も小説も同じなのだと感じた。
これは多少無理があると言われても仕方の無いことだが、現在のダーイッシュ(IS:イスラム国)に参加する若者にも、同じ臭いを感じてしまう。歪んだヒロイズムと表現すればいいのだろうか。
確かに自分が信奉する『神』という得体の知れない概念に捉われ、掴めない、見えない牢獄に自分を押しやることで心の平安を求めるという「思い」の世界は理解できなくも無い。スンナ派が主張する偶像崇拝の否定は、一方でカリフを御輿に据えることも同意ではないのか?という矛盾ですら、肯定してしまっている。SNSや動画サイトを駆使してリクルートする際にダーイッシュが主張する自分達のみを正当化する屁理屈と、聖戦という世界から見たら道理に合わない戦いですら、彼らにとっての正義が成り立っているのだ。そしてそれに触発されて参加する若者は、「神は偉大なり!」と叫びながら笑顔で自爆テロを行うのである。生きる場所、存在意義を感じられる場所を見つけたことは、個人の人生にとっては幸福なことかも知れないが、そこには最低限のルールが存在していなければ、その立ち位置すら無意味となるだろう。
『神』に縛られた結果、有志国連合の無慈悲な爆撃の藻屑となるのは、彼らの本意ではない筈なのだが、それでも彼らは銃弾の飛び交う戦場で死ぬことを選び続けるしかない。クルド人民兵やヒズボラ、イラク軍兵士、シリア軍兵士に比べれば余りにもお粗末な武器を駆使しながら、ロクな訓練も受けていない状況で、特攻精神で突っ込んでいく様を見ていると、既に死を覚悟した者の有り様を発見できる。
数多くの動画の中で銃弾に倒れる若者や自爆テロを行う若者、或いは米軍のドローンに爆撃される若者を見ていると、いつかも書いたが筆者はまるで映画の一場面のような空虚感を覚える。恐ろしいことだが慣れっこになってしまうのだ。ところが、よくよく考えると彼らは既に死を覚悟し銃器で戦場に向かう時点で死者なのだと思うようになった。「彼らにだって親兄弟がいるだろうに・・・」という、至極日本人的な解釈は通用しない。私はアラビア語は分からないのだが、英訳文を読んでいると、銃弾に倒れた若者をダーイッシュの兵士は「偉大なる神の仕事の担い手だ!」「彼は神のための聖戦に命を捧げた英雄だ!」と讃えている。
また、ダーイッシュの兵士の階級を上げるには、一人でも多くの人を殺すことが求められる。女子供は関係ない。それも可能な限り、残虐な殺し方をしたものほど階級が上がる仕組みになっている。信仰という框の中で、逃げ出すことも許されず、残虐行為を全員が行う集団心理は、戦争が生み出す悲劇の一端だろうが、そこにはヒロイズムが存在しているように思う。
同じ行為を皆で行うならより注目されるやり方に傾倒してしまうという集団催眠のようなものだろう。
そして、その根底に自分の居場所を見つけた者のみが分かち合える共感が存在しているから厄介だ。本心から「世界は銃器で変えられると信じているのか?」という問いに、「その通りだ」と返答できるダーイッシュが、果たして何人いるだろうか?かれらが求めているのは、根底ではもっと別のものなのではないだろうか?
一例を挙げれば、現在、国会前でデモを行っている連中にも同じことが言えまいか?
選挙で選ばれた国会議員が議論を尽くし、民主的な手法で議決した法案に対し、採決を欠席した野党の一部をこそ非難されるべきではないのか?
60年安保、70年安保の時も学生を中心に同様のデモ行動が行われたが、だからといって日本が赤軍派の革命で転覆したわけではない。国民は寧ろ、親の金で大学に行きながら勉学そっちのけでデモ行動を行ってきた学生を批判的に見ていた。今回の国会前のデモに参加している人の多くは、中核派や日本赤軍を源泉とする運動家が背後に暗躍しているという指摘もある。
民主主義的ではないやり方で今回の安保法制が衆院で可決したことを非難する人々は、では何故、2年以上前から安保法制を公約にした自民党に政権を任せたのか?
そもそも、テレビでインタビューを受けている人の大半は、安保法制の中身を読んでいる人などいない。「自分達の子供の世代が戦争に行かされる」などと真面目な顔して発言する人々の頭は大丈夫か?と問いたい。
それをそのまま報道するメディアも如何なものか。
これらは、明らかにその場の空気に右往左往している人の心理が行動に現れているに過ぎない。
車田正美の漫画にしてもシリアやイラクのダーイッシュにしても国会前のデモ参加者にしても反日カルト独立党のアホ共にしても、結局、その根底には同じものが流れているんじゃないだろうか?
つまり、何となく正論っぽいものに自分を委ねていることで居場所を見出しているだけじゃないのか?
それを金儲けに利用しているコシミズのようなアホに振り回されているだけじゃないのか?
ところでコシミズの信者は引きこもりの集まりでアニメや漫画のような二次元にしか興味が無い連中ばかりだろうから、車田正美ファンもいるかもな。
あ、中高生ばかりだから世代が違うか・・・
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