２０１４年度に県や市町村の移住相談窓口などを通じて県内へ移住した人数が、統計を取り始めた０８年度以降で過去最多の４１１人に上ったことが、県のまとめで分かった。北陸新幹線の開業で首都圏からの所要時間が大幅に短縮したことが追い風になったとみられる。人口減対策の一環として、県はさらに移住者を増やすため、対策の強化に乗り出している。

　県によると、県内への移住者は、０８年度の２０７人から０９年度に１８９人といったん落ち込んだが、１０〜１３年度は３００人台で増え続け、１３年度は３５９人まで上がった。１１〜１４年度は増加幅も年々伸び続けている。

　１４年度に移住した世帯について、世帯主の年代別内訳をみると、３０歳代が３４・６％で最も多く、２０歳代２９・９％、４０歳代１７・７％、５０歳代８・４％などの順。子育て世代の２０〜３０歳代が６割以上を占めた。

　また、県や各市町村への移住に関して寄せられた相談件数も、１４年度は８８６件に上った。統計を取り始めた０８年度以降で最も多く、１３年度の４７５件から大幅に増えた。１５年３月の新幹線開業で、富山への関心が一気に高まったとみられる。

　都会から地方への移住を支援している認定ＮＰＯ法人「ふるさと回帰支援センター」（東京）が発表している「ふるさと暮らし希望地域ランキング」でも、富山県は１３年に７位、１４年は９位と２年連続で１０位以内に入っている。

　県は今月７日、東京・有楽町の同センター内に、県内移住後の仕事探しも含めて一元的に相談を受け付ける窓口「富山くらし・しごと支援センター」を開設。首都圏での態勢を強化した。富山を訪れた移住希望者に、県内を案内する相談員を１人から３人に増やす予算も計上している。

　２６日には、県が移住のモデル地区に指定している朝日町笹川地区で、空き家となっていた古民家を国や県の補助で改修した移住交流体験施設「さゝ郷（ささごう）　ほたる交流館」が完成。隣接する畑で農業を体験したり、伝統芸能を通じて地域住民と交流したりできるようにした。移住後の生活の魅力を体感し、具体的イメージを描いてもらうことで、移住決断を後押しする狙いがある。記念式典に出席した石井知事も「県内各地の移住・定住の促進につなげていきたい」と期待を寄せた。

　県地域振興課の担当者は「相談体制の強化や施設の充実に、市町村と一体で取り組みたい」と話している。

2015年05月29日 The Yomiuri Shimbun

家作り
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-2006.html