08. 2015年5月25日 08:06:34
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○comprador(買弁):GHQが占領統治政策として利用した報道組織。 ○日本新聞協会:消費税率引上げを正当化し、新聞には減税適用を求める利権者の団体。 ○電波利用料:総売上げの0.2%以下に設定された総務省によるテレビ業界への便宜供与。 ○クロスオーナーシップ:新聞社がテレビ局を経営し情報を独占する制度。 ○NIE(教育に新聞を):学童を早期に洗脳する官民一体のプロジェクト。 ○新聞購読:金を出して洗脳される行為。 ○ナイラ証言:虚言がメディアによって喧伝され戦争へ発展した一大事例。 ○記者クラブ:官公庁が年間100億円を投じて運営する情報カルテル。 ○知力放棄の文化:思考という人間の基本的営為を報道者に委ねる国民的気質。 ○共約不可能性:知識の多寡によって物事の見え方が全く異なり会話が成立しないこと。 ○原子炉事故を契機に活字メディアと電波メディアが厳戒に統制されているとおり、その第一目的が地価と株価の下落防止であることは明らかだ。構造改革によって会計制度が変更されて以降、企業群は資産評価を取得した簿価ではなく時価によって義務づけられているのだが、「時価会計制度」とは、それを強要した米国においてすら、あまりの破壊性ゆえにリーマンショック以降から停止されているシロモノである。放射線による不動産の汚染は直接的にバランスシートに反映され、株価を直撃することになるだろう。
○首都圏に隣接する原子炉が崩壊し、収束はほぼ不可能であり、いまだ膨大な植物質が放出されているにもかかわらず、住民や児童を避難させるわけでもなく、むしろメディアは定住と汚染食品の摂取を励行している。我々は現実が対処能力を超えることにより発生する不快(認知的不協和)を疎み、つまり都合の悪い事実は存在しないというアパシー、あるいは過剰に現実逃避するという「ポリアンナ症候群」に陥っているのだと思う。ノージックは「体験機械」という概念を提唱し、仮想現実に生きるのか、現実世界に向き合うのか問いかけた。 117 清水馨八郎(千葉大学名誉教授) >「GHQが最も活用したのは情報発信の中枢NHKと朝日新聞と岩波書店であった。」 ○大本営の核心であった日本放送協会、新聞各社、書籍取次会社などはGHQの占頷下においても解体されることはなく、むしろcomprador(買弁)として活用され、侵略者のプロパガンダを先鋭化しているのであり、あらためてメディアの本質とは権益集団の支配ツールであると認識すべきだろう。日本新聞協会が財務省に対し新聞購読の軽減税率を要求しているとおり、報道集団は扇動の代価として権益を担保しているのであり、かくも読者を、あるいは視聴者を冒涜しているのであり、つまり我々は反逆するほどの知性も無いとなめられている。 ○民放127のテレビ各局が支払う電波利用料は、総売上げの僅か0.2%の7億円程度であり、その額は米国のテレビ企業が支払う利用料総額の100分の1以下だ。メディアが総務省の所轄事業として便宜供与を受け、報道と行政が癒着し共謀関係にあることは明らかだろう。小沢一郎は国庫財源として電波の適正使用料を設定し、電波入札制度を導入するよう提言し、さらには資本による情報寡占を抑制するためクロスオーナーシップ(新聞社によるテレビ局経営)の解体を目指していたことから、これによりメディアがバッシングに狂奔したとする見方が強い。 ○OECD加盟国は電波入札制度を導入し、競争原理によって適正化を図り、電波利用料を国庫源としている。日本国でも入札制度化の議論が高まるが、総務省は900MHz帯と700MHz帯との両帯域を合わせ約2兆円の新規歳入を確保するという「電波オークション制度」の試案を見送り、従来どおりの事業者選定方式を採用すると発表した。2013年には生活保護費の削減が決定されたのだが、増大傾向にある生活保護費予算の補填財源がこの同額と試算されていたことから、国民の福祉よりもテレビ業界の権益を重視したのだろう。 121 ゲイリー・アレン(米国の作家) 「教育を支配する者は、数匿代にわたって国民を支配するであろう。」 ○広告業に過ぎない新聞社が学校現場へ介入し、私企業によるイデオロギー(社会思想)教育を実践している。原発事故の楼小化、支配構造の不可視化、ネット言論の卑猥化、新聞・テレビという旧メディアの権威化か目的とされ言説行為は早期洗脳に等しい。NIE(Newspaper In Education=教育に新聞を)は他国においても先例があるのだが、日本国の新聞社は省庁に与する実質のプロパガンダ機関なのであり、そもそも政治的な中立性を担保することなく言説の党派性すら容認されているのだから、この制度は若年層の知育教育において著しく偏向をもたらすことになるだろう。 ○次世代に求められているものは新聞の読力ではなく、多様なソースから情報を精査し、背景にある現象と発信者の意図あるいは作為を洞察するというリテラシーだろう。書物という体系が知識の断片となり、「創発」というプロセスを経て、脳内にあらたな知識体系を構築するのに対し、新聞記事のビット(情報断片)はワーキングメモリー(短期記憶)から速やかに揮発するのであり、知識体系の構築にはほとんど寄与することがない。 ○我々の社会とは無知と軽薄によって成立している。言い換えれば情報統制とプロパガンダによって現実は遮蔽され、あるいは娯楽番組やスポーツ中継など低劣なコンテンツによって人間性は後退し、我々は考えているのではなく報道者のストックフレーズ(常套句)を自分の言説として口にしているのであり、つまりは思考体系を他者に委ねるという「知力放棄の文化」によって支配構造が維持されているわけだ。 ○2012年、日本新聞協会は、消費税率引き上げは正当であると主張しながら、新聞に軽減税率を導入するよう国会に求めた。これを受け超党派の国会議員が構成する「活字文化議員連盟」は新聞協会の声明を採択する。読売新聞は「新聞・書籍を現行税率で」などと題し、国民の活字離れが一段と進むような方向での知識課税は望ましくない、新聞は日本の文化にとってコメである、などと主張を一方的に報じた。国民には過度な税負担を押し付け、自らの税率軽減を主張するという論理破綻ぶりなのだが、新聞社も購読者もその欺轍に気付くことがないほど知的に劣化し続けている。 ○テレビ各局は消費税率引き上げの正当化言説を繰り返した。しかし20年以上にわたり消費税額100%相当の金が多国籍企業と富裕者減税の原資として投入され、資本金1億円以上を有する大企業の65%以上が法人税すら払っていないことなどは決して報道しない。 ○イラクのクウェート侵攻を機に、1991年、国際連合は派兵を決定し湾岸戦争へ突入した。当初、米国の世論は反戦が多数を占めていたが、公聴会でナイラというクウェートの少女が「イラクの兵士が産院の乳児を保育器から取り出し、次々と床に叩きつけて殺しているのを見た」などと証言したことから開戦論は高まる。その後、ニューヨーク・タイムズの調査により、少女は駐米クウェート大使の娘であり、病院のボランティア経験もなく、一連の「ナイラ証言」は広告代理店・ヒルトン&ノートン社のシナリオによる虚偽であることが判明。しかし、すでに戦闘は終結し、3万6000人のイラク軍兵士と2600人の市民が爆撃によって死亡、さらに膨大な劣化ウラン弾がイラクにばら撒かれていた。 ○メディアはカダフィ体制の崩壊を「独裁の終焉」と報道し、戦争行為を肯定した。しかしリビアでは新婚世帯に約5万ドルの住宅購入補助金を支給、失業者には公共住宅を提供、車購入の際には補助金50%を支給し、全てのローンは無利子、さらには所得税などもゼロだった。水道や電気、医療費は無償なうえに、国内で必要な治療が受けられない場合は外国での治療費と渡航費までもが援助されるシステムだ。カダフィは特に教育政策に力を注ぎ、初等教育から高等教育、さらには大学まで全てを無償化した。対し米国では4700万人が医療保険に未加入であり、350万人が路上生活を強いられ、大学生の70%以上が2万5000ドル平均の学資ローンを抱え苦しんでいる。 ・・・響堂雪乃著「略奪者のロジック」 第5章 メディア より
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