http://www.asyura2.com/15/cult14/msg/524.html
Tweet |
1990年が日本のバブル崩壊元年とされている。実際には88年の地価高止まりをきっかけに、水面下で金融機関の不良債権問題が起こり始めており、そのような見解が正しいだろう。
その後、財務省と日銀は一気に緊縮財政を行ったものだから、金融機関はもろにその煽りを喰った。株価は下げ止まらず、地価は暴落に近い下げ幅を記録した。
そして、暗黒の20年間。魔のデフレ不況が日本全体を覆った。
この間の政府の無為無策ぶりはまた別の機会に譲るとして、第二次安倍政権になり、ようやく政府と日銀が音頭をとり世界標準の経済対策を打ち出すことになる。
デフレ不況の出口に関して、クルーグマンやフリードマンは2005年頃から金融緩和政策を打ち出すことを提唱してきたが、小泉政権下で僅かに持ち直した景気を背景に、この時点ではまだ日銀と財務省は及び腰を隠せていなかった。
面白いのが、日本のバブル崩壊をきっかけに中国経済が躍進を遂げているという事実である。デフレと円高に苦しむ日本企業は当然ながら、人件費の安い中国へと進出することになり、欧米の企業も右へ倣え状態になった。ケ小平が打ち出した「社会主義市場経済」という言葉をよく理解していなかった中国共産党幹部であったが、そのケ小平が提唱した新たな時代の幕開けは、世界的な不況の受け皿に中国がなるということで実現したわけだ。当然ながら、人民元を意図的に安くし可能な限り外資の誘致を図ることが政策の中心に据えられたにも関わらず、世界でも稀有な格差社会を生み出すことにもなった。この中国経済の好調の尻馬に乗っかったのが、リチャード・コシミズこと輿水正が契約社員当時、盛んに中国に売り込んだ機械類だろう。もっともその工場は日本から誘致した企業が生産するための工場で、デフレ不況下にも関わらず多くの日本企業が延命できるきっかけともなった。もっとも、輿水正のような営業マンは、当時日本にゴマンと存在していたのも事実だ。
多くの日本企業、特に地方経済を支えていた中小企業が中国に進出し、円高と株価低迷は企業業績を悪化させ、企業の内部留保は進んだものの、高い失業率と経済の閉塞感はその解決策すら思い浮かばない状態がこの20年間であった。
その間、一体どれほどの日本の富が消失したか読者の皆さんはご存知だろうか?
輿水正とその取り巻き連中がユダヤ金融資本が日本の富を収奪した!と言うと予測されるので、機先を制してここで否定しておく。別に1995年から現在までの20年間で失われた日本の富は、アメリカに渡ったわけでも誰かの懐に入ったわけでもない。単純に物の価値が下がったためにバブルだった資産価値が目減りしたということであって、誰かが何かを持ち去ったわけでも何でもない。
その額、実に400兆円である。小泉政権下で一時的に持ち直したものの、その後再び株価低迷、円高、東北震災により国富全体は3100兆円前後に落ち込んだ。
アベノミクスにより株価が2万円台に乗り、1ドル115円で推移していると言っても100兆円ほどの実質資産の上昇でしかない。言い換えると80年代のバブルがいかに想像を絶する金余り現象であったかがよく分かる。
2012年現在、アメリカの国富は日本の約3倍、中国はおおよそ2倍(但し、中国は正確な数字を公開していない)であるが、中国では国民の10%近くが未だに年収1万円程度と言われている。多くの外資系企業を誘致している都市部との年収格差は100倍近くになってしまっている。これを格差という。
ここでよく日本人がカン違いしている点について触れると、「アベノミクスは日本に格差を生み出す」というのは大きな間違い。アベノミクス以後、有効求人倍率も失業率もジニ係数も全て好転している。大事なのはそれらをよく分からないで増税論者の巣窟である財務省と日銀官僚に踊らされた時の政府に問題があるのだ。置き換えると、中国でジニ係数の計算は不可能である。また、悪名高き「シャドーバンキング融資」の総額は債券に置き換えられているので、実は中国政府も正確な数字を掌握仕切れていない。そのシャドーバンキング融資が生み出す金利は年率で13%以上である。つまり、中国のGDPは550兆円あるが、実に1600兆円もの金融資産が誰の手に渡ったかを正確に中国政府が掌握できていないのだ。こんなことは先進国では有り得ない。また、中国政府は他国の格付け会社の参入を許可しない。これを認めてしまうと、中国国内の債券取り扱い会社の2割が格付け不能になると言われているからだ。
そのような危うい経済状況の中で、まことしやかにささやかれている噂は、中国の真の狙いは世界経済の超Aクラスの先進国である日本だということである。世界一の国家になるには、日本の協力なくしては不可能なのだ。中国の狙いは、どのように13億人の国民を飢え死にさせないで国を発展させるかしかない。それには先進国の協力が不可欠であり、戦争を起こす暇があったら経済的な強力関係にイニシアチブをとることが最も手っ取り早い。その為の共産党内の粛清であり、AIIB設立なのだ。その思惑がはっきりし過ぎているから、アメリカも日本も安易にAIIB設立には乗らない。インドネシアで日中首脳会談が実現した背景は、シビレを切らした習近平と中国共産党による歩み寄りと見るのが正しいだろう。アメリカと日本、とりわけ日本の加盟なくしてAIIBは実現しない。仮に実現したとしても成功はしないだろう。私はこの会談の背景に日本参入を条件に、AIIB加盟を表明した国が糸を引いていると見ている。「お前だけで何が出来る」と叱咤されたということだ。
「世界の十傑」「世界最高の頭脳集団」と自画自賛する輿水正と独立党なのだから、それくらいのことは分析済みだろうと思う。
そこで、更に掘り下げて中国を礼賛する輿水正の本音を邪推してみた。
中国では習近平主導の反新自由主義路線が活発になり、古き良き共産党が栄華を誇った時代に回帰しようという動きがあるとの見方がある。つまりカネかイデオロギーかという問題であろう。
国内情勢に不安を抱えつつ、国際社会での発言権を担保できる有り方を模索している中国なのだが、これらは二律背反している問題である。そこで中国から広報活動を命じられている(とは思わないが・・・)輿水正としては、必死に中国を褒め称えることで援護射撃を行いつつ、時には批判記事を載せたりして、なんとなく中立を演じてみたりしている。
また、日本経済新聞の中身の5%程度しか理解できないので、とりあえず「不正選挙」「人工地震」「プーチン万歳」「AIIBサイコー!」のキーワードで毎日のブログ記事を埋めることにしている。
輿水にとって問題なのは、世界経済がどうなろうと知ったことではない。問題は日々の暮らしなのだ。「自分以外は全部バカ」と思っているニートに対して、「四の五の言わないでオレ様の言うとおりしとけやーオラ!」と集金活動を行い、安酒を他人の財布で呑むのである。
輿水の本音など、せいぜいそれくらいのものである。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。