11. 2015年3月18日 15:43:21
: KG4pFOry1g
2015.3.18 05:03 【主張】 中国主導の投資銀 恣意的運営を防げるのか http://www.sankei.com/column/news/150318/clm1503180002-n1.html 中国主導で年内の設立を目指すアジアインフラ投資銀行(AIIB)に先進7カ国(G7)から初めて英国が参加し、他の欧州諸国も追随する可能性が出ている。 設立には、米欧や日本が構築してきた国際金融秩序を崩す狙いが指摘される。英国の参加はG7の結束を揺るがしかねない。一方、経済覇権の動きを強める中国には追い風となろう。 問題は、中国による恣意(しい)的な組織運営への懸念が依然、払拭されていないことだ。中国が経済・外交的な影響力を高めようと、投資銀を使って甘い審査で資金をばらまくなら、途上国の健全で持続的な発展は望めない。 出資国として透明性を確保する責任をどこまで果たせるかが、英国には問われよう。 公正な統治の確立や融資方法に不安が残るとの判断から、日本が現段階で参加を見送る方針をとっているのは妥当だ。共に距離を置いてきた米国とともに、英国と連携し、中国への働きかけを強めてほしい。 AIIBは途上国のインフラ整備に融資するのが目的だ。中国は最大出資国として初代総裁を出すとともに、組織運営も掌握するとみられている。 中国は、世界銀行や国際通貨基金、アジア開発銀行などの場で、経済力に見合った影響力を行使できないのが不満だった。アジアの旺盛なインフラ需要に対応するには、既存の枠組みだけでは不十分であり、AIIBが役割を果たす余地はある。 だが、それには国際機関の名にふさわしい運営が欠かせない。環境や腐敗・汚職に目配りせず、お手盛り融資や返済能力を度外視した過剰融資を行うことは許されない。中国には景気減速で生産設備が過剰になった問題の解決をインフラ輸出に求め、人民元の国際化を図ろうとする狙いもある。 英国の参加は、AIIBが市場で資金調達する際の信用力を高めるだろう。英国にとっては、巨大市場を抱える中国との関係強化が魅力だ。英国や他の欧州諸国は、日米と比べれば安全保障面で中国と向き合っておらず、参加のハードルは高くないのだろう。 日米と中国が新たな経済秩序構築でせめぎ合う構図は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)などの通商交渉でも同じだ。肝心なのは日米の緊密な結束である。 2015.3.18 12:30 中国主導の投資銀に独仏伊も参加表明 中国財政省が発表 G7で欧州と日米に溝、カナダにも働きかけ http://www.sankei.com/world/news/150318/wor1503180039-n1.html 【上海=河崎真澄、ベルリン=宮下日出男】中国財政省によると、ドイツ、フランス、イタリアの3カ国が17日、中国が主導して年内にも設立予定の国際金融機関「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」に参加を申請すると発表した。英国による12日の参加申請に続く動きで、先進7カ国(G7)のうち欧州4カ国が参加を表明したことで、AIIBとは一線を画す日米と溝を深めている。 中国財政省はドイツなど3カ国の参加表明を「歓迎する」との声明を発表。AIIB参加表明国はこれで計31カ国になった。中国は3月末までの表明国をAIIB創設メンバーに加える予定で、月内にさらに申請が増える可能性がある。 中国はG7で残されたカナダへの働きかけを強めている。先進国ではニュージーランドが参加を決めているほか、オーストラリアが最終検討に入っている。 ドイツ財務省も17日、フランス、イタリアを加えた3カ国がAIIBに参加するとの声明を発表。この中で、AIIBがアジアのインフラ整備の支援に「重要な役割」を果たすと強調し、設立時から参加することで新たな国際金融機関の組織統治で「最善の基準と実践」が確保されるよう支援する考えを示した。 ドイツのショイブレ財務相は同日、訪独した中国の馬凱副首相と会談後、「銀行設立のためにわれわれの長い経験を生かしたい」とした上で、「独企業が活動しているアジア経済の発展に寄与したい」と述べた。 17日付の中国共産党機関紙、人民日報(海外版)は論評で、欧州の先進国が加わることでAIIBが発行する債券の格付けが高くなると指摘。「高格付けで資金調達コストが抑えられる結果、日米主導のアジア開発銀行(ADB)の影響力が大幅に弱まる可能性がある」などとADBへの対抗意識をむき出しにした。 日米はAIIBの機能がADBに重なると主張しているほか、融資基準や組織統治などで、世界銀行やADBのような高い透明性を持てるかどうか疑問を呈している。米国は英国によるAIIBの参加表明に不快感をあらわにしている。
|