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リチャード・コシミズ。ネットで陰謀論ネタを随時披露、騙された全国の信者から公演だ、ビデオだ、入会金だ、メルマガだ、と寄付金を受け取ることで生きながらえるセミプロ詐欺師である。
妄想の上にも１０年という通り、コシミズとて昨日や今日はじまった勘違いの上に陰謀論講釈師を任じるわけではない。高度経済成長期の５０年代に生を受けたコシミズの６０年に渡る人生が凝縮されたのが現在の狼少年ネット芸なのである。（ユダ金がきたぞ〜〜）
彼がおかしくなったのは一説にはマレーシア駐在時代に原因があるようである。コシミズいわく、青山学院大学時代より懇意にしていた女性Aさんとの遠隔交際のもつれが破局に至りそれがコシミズの反日感に大きく影響したらしい。もう日本人なんか知らない、俺は華僑シナ人と手をとりあって生きていくぞう。
中国系モドキのリチャードさん、と改名して新たな人生を歩み始めたコシミズは現地の中国人と結婚して、中国人・韓国人という日本を敵視する人種とばかり交友・交流を広め、それは現在までに至る貿易業における『９９％の取引先＝中国・韓国』にも如実にあらわれる人生上の転機だったようである。
そして帰国後、現代元禄のバブル期にコシミズは玉手箱を開くことになる。コシミズの頭にあるのは全て青春期の日本、あの６０年代〜７０年代前半の激動のカウンターカルチャー期の興奮と感傷だけなのだ。時代はすぎ、原宿のホコ天を歩きながらコシミズは「ここは・・・・日本じゃねえ」と悟ったのだった。
吉本隆明も日本の戦後は８０年代前半あたりを境に変わったと言っていたが、さほどずれた見解ではないだろう。それまでの日本の文化的基底にあったような湿った薄明の世界が、あっけらかんとしたシラケ世代の侵食により合理的でグローバルな価値観へと敗退していったのがその時期である。そして時を待つことなくして日活ロマンポルノは廃業となり転換期の一つの象徴、１１PMは終了を迎えた。
いやだいやだ！こんな日本は認めないぞう〜。とワガママを爆発させるコシミズ。
どうしてもカウンターカルチャー期への復古を押し通そうとするサラリーマン輿水は現実とのズレを顧みることなく暴走して、まだジュリアナも浦安ディズニーランドも無かった日本へ想いをはせる。
昔はよかったな〜
輿水が本格的に狂いだした金字塔となる事件とは、勤務する会社で起こったよくある業務上死亡事故である。輿水はこれを事故だととらえず、「創価学会が会社とつるんで起こした保険金殺人事件だ」などと言い出し、警視庁に告発までしたのである。
無論、証拠が何一つない天啓に導かれたかのような主張であったため、警視庁からも相手にされず、会社からは失業保険に加え精神疾患者用の障害者手当を申請するよう進言される。
この時、コシミズを行動に駆り立てたのはなんだったのか？この答えはコシミズが中学から大学にかけて自宅でみていた民放ドラマにある。そのタイトルは『プレイガール』。たぶん覚えているのは昭和３０年代生まれ以前だけだろう。『プレイガール』とはただセクシーな若い女性が遊んでいるだけのドラマではなく、彼女たちにはれっきとした「国際秘密保険調査員」という任務があったのである。つまりは保険詐欺を暴く探偵業である。
輿水はドラマの中の登場人物たちに自分をなぞらえ、平成の時代に『プレイガール』デビューを飾ろうとしやがったのである。おえ〜〜〜。
輿水の頭の中は青春期である６，７０年代に放送されていたドラマでいっぱいであった。おそらく朝はヘッドフォンをしたままでトマトを齧ることから始まり、時間がくるといつも「時間ですよ〜」などと叫び、力石の命日には渋谷まで出向いたはずだ。
独立党とはコシミズ個人が忘れることのできない『青春思い出教』なのである。
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