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ロシア人専門家:蔡英文氏は中国本土との建設的関係を維持するだろう[スプートニク日本語]
2016年01月16日 02:16
16日、台湾で立法院(国会)選挙と共に、総統選挙が実施される。台湾の馬英九(マー・インチウ)総統は、木曜日「与党国民党以外の候補が総統になった場合、台湾を待つのは予測不可能な未来だ」と述べた。一方、専門家の大部分は、総統選挙では民進(民主進歩)党の蔡英文(ツァイ・インウェン)候補が優勢だと見ている。台湾発展の将来について蔡候補はどう考えているのだろうか? スプートニク記者は、アジア・アフリカ諸国大学のアンドレイ・カルネーエフ副学長に意見を聞いた。以下、その内容を抜粋して、お伝えする。
まず指摘すべきことは、かつて同じく民進党から立候補して総統になった陳水扁(チェン・ショイピエン)氏と比べて、選挙における蔡候補の状況は、ある部分では楽だが、別の部分では困難だという点だ。一方で民進党は、台湾全島規模での国家統治の価値ある経験を手にしている。民進党は、陳氏が総統を務めた2000年から2008年の間のあまり成功したとは言えない統治経験、そして支持率の深刻な低下から、言うまでもなく教訓を引き出したことだろう。これに関連して、蔡候補と彼女のチームは、競争相手に非難の口実を与えないよう、最大限注意を払うに違いない。
又陳政権は当時、国会で国民党が多数派を占めていたことにより、民進党が提案した法案がことごとく否決されるといった状況のため、事実上、手足を縛られ身動きできなかった。一方現在の状況は、そうした状況を変えることが可能だ。もし民進党が、単独過半数を超えた明らかな多数勢力にならなくても、少なくとも民進党と国民党という二つの政党が、所謂「緑の陣営」と「青の陣営」と言われる彼らの同盟者と共に、おおよそ同じだけの議席を得れば、変化は可能だ。又ある意味で、ついに時代も「緑の陣営」に有利になっている。なぜなら、新しい世代の有権者が投票するからだ。彼らは、両親達よりも自分達と中国本土との「遺伝子的絆」を強く感じていない。
新しい世代の有権者の登場という意味で、特筆される現象となったのは、昨年の春から夏にかけて展開された「ひまわり運動」だった。そこでは、若者の間で、中国との統合の不可避性について訴える美辞麗句が、多様に受け止められ、時には否定的反応を呼び起こすことを、これまで以上に示すものとなった。専門家の一部は、台湾政治の第三の勢力として、完全に新しい政党「新時代党(中国語では時代力量)が組織される可能性がある事に注目した。この政党は、半世紀にわたる若者達の抗議の気持ちを形にするものとして生まれたものだ。
しかし蔡候補には追い風ばかりが吹いているわけではない。15年前に陳氏が総統になった時に比べ、台湾の今の経済状況は、蔡候補の今後を心配させる、はるかに多くの悲観的な根拠を与えている。多くの分析専門家らは、近く、台湾は不景気の時代に突入すると予言している。今中国本土で、ハイテク産業が大規模に発展している一方で、台湾では、徐々に産業の空洞化が起きている。蔡候補は、中国本土との交流を優先的な柱にすえるのをやめてはならないと主張し、地域の他の国々との交流をもっと積極的に発展させ、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加を通して、台湾経済の競争力を上げるという問題の解決を図るよう訴えている。
TPPへの参加が、必要な配当金をもたらしてくれるかどうか、それは全く分からないが、中国当局との関係冷却化は明らかに、マクロ経済的状況の改善を促すことにはつながらない。なぜなら、現在に至るまで、中国本土と台湾との間の経済的相互関係には、非常に大きなものがあるからだ。近代化された台湾の発展、特にビジネス界にとっての中国というファクターの重要性を理解しつつ、蔡候補は、選挙戦の中で、最大限の注意深さを持って様々な発言をしている。彼女は、国内の有権者ばかりでなく、国際社会に向けても「自分が総統の座についても、新政府の政策においては、いかなる激変もないから、心配には及ばない」と伝えようとしている。そうしたことから、恐らく蔡英文氏が総統になっても、台湾と中国本土との建設的関係は保たれるに違いないと思う。
http://jp.sputniknews.com/asia/20160116/1442606.html
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