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湖北省武漢市内の共産党公園に鎮座するアニメ人形調の紅軍兵士
中国でプロパガンダ氾濫 文革の紅衛兵世代実権握ったためか
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151229-00000009-pseven-cn
SAPIO2016年1月号
中国湖北省の武漢市に中国共産党のテーマパーク(コンセプト公園)がオープンし、連日賑わいを見せている。党と中国との歴史を遊びながら学べるとの触れ込みだが、実はこうした庶民の日常の「政治化」は中国全土で進行中である。小学校に、巨大な宣伝看板が出されたり、大学などでも政権を賛美する展示がなされたりしているという。ノンフィクションライター・安田峰俊氏がレポートする。
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「共産党公園の登場や、国内にプロパガンダが溢れる現象の一因として、まず中国の官僚気質が指摘できます」
現在タイに亡命中の中国人民主活動家・顔伯鈞氏は、一連の背景をこう説明する。彼は習近平が学長を務めた党の最高教育機関・中央党校を修了。共産党エリートとして養成された経歴を持つ人物だ。
昨今の現象は、党幹部らが政権の意向を過剰に忖度して引き起こした面もあるという。
「例えば、近年中国では人権派弁護士が100人単位で拘束されましたが、習近平自身の意向は『少し脅しておけ』という程度かもしれない。しかし、末端の幹部は出世の点数稼ぎを目的に、目立った成果を挙げることを好みます。現在の過剰なプロパガンダの蔓延にも、同様の構図があることでしょう」
もっとも顔氏は、真の要因は別に存在すると話す。
「習近平時代に入り、社会の決定権を握る人間の多くが、文革の主人公だった紅衛兵世代に代替わりしました。文革は毛沢東が個人崇拝と大衆扇動的なプロパガンダを通じて起こした政治運動。多感な十代でこれを味わった彼らには、毛沢東式の手法こそが『政治』の本質だ、とする観念が刷り込まれています」
考えてみれば、子どもの「洗脳」や文化施設へのプロパガンダを重視する政策とは、まさに文字通りの「文化大革命」ではないか。
事実、共産党公園がある湖北省をはじめ、習政権のプロパガンダ政策が特に強烈に実施されている陝西省・湖南省などのトップ(党委書記)を調べると、全員が例外なく紅衛兵世代である。いずれも習近平と同じく、若き日に下放(地方労働)を受けた経験を持つ「文革の子」だ。
彼らは歳を取って変になったのではない。変な人たちが歳を取っただけなんだ。──現在、中国ではこんなジョークが流行している。青春時代に教条的で暴力的な政治運動の洗礼を受けた人々の統治は、必然的に荒っぽいものにならざるを得ないというわけだ。
「習政権の10年間は、リベラルな中国人にとって暗黒の時代です。しかし、こうした政策は決して長く続きません。これが世代的な問題である以上、彼らの退場後に中国の夜明けが必ず来ます」(顔氏)
とはいえ、そんな習近平の政治手法は、貧困層を中心とした庶民の間で絶大な支持を獲得している。毛沢東が発明した「文革式」の統治は、中国人民を巧みにまとめあげる上では最適解のひとつとも言えるのだ。
共産党公園の蔓延は、時代遅れの「文革の子」による最後の悪あがきか、それとも中国共産党が「統治の最適解」を見つけた証しなのか。のどかな市民公園の背後に、異形の国家の未来が見える。
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