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中国の習近平国家主席が抗日戦争勝利と反ファシスト戦争勝利70周年の記念式典で、中国人民解放軍の30万人削減を発表したことについて、軍内では将校を中心に不満が高まっていることが分かった。将校の場合、年齢が高いことから再就職が難しいためだ。写真は人民解放軍。
<中国は今!>中国人民解放軍の30万人削減、軍内で習近平への不満高まる―再就職困難な地方幹部ら、司令官に怒りぶつける―ジャーナリスト・相馬勝
http://www.recordchina.co.jp/a120668.html
2015年10月11日(日) 7時40分
中国の習近平国家主席兼中央軍事委員会主席が9月3日の軍事パレードに先立つ抗日戦争勝利と反ファシスト戦争勝利70周年の記念式典で、中国人民解放軍の30万人削減を発表したことについて、軍内では将校を中心に不満が高まっていることが分かった。削減されるのが非軍事部門のほか、給料の高い将校クラスが主で、特に将校の場合、年齢が高いことから再就職が難しいためだ。
習氏は記念式典で、「中華民族は一貫して平和を愛しており、発展がどこまで至ろうとも、中国は永遠に覇権を唱えないし、永遠に領土を拡張しない。中国は今後、軍隊の人員を30万人削減する」と宣言した。
しかし、30万人削減については、事前に軍の将校らには伝えられておらず、突然の発表だったために、テレビの生放送を見ていた地方軍区の将校らは顔色を変え、パレード終了後、地方軍区の幹部らは司令官らに食って掛かり、不満を口にしたという。
今回の軍削減について、軍機関紙「解放軍報」は「非戦闘部分などを削減して、戦闘力を高めることで、中国の軍事力を増強させて、他の国から攻撃を受けないようにする」しているが、元陸軍少将の徐光裕・中国軍制御削減協会理事は同紙に対して、削減の主な対象は陸軍で、旧式の歩兵部隊が中心であり、現在の地方の7大軍区のうち2大軍区を整理すれば17万人が削減され、残った18個師団のうち3個師団約3万人を整理するというもの。
さらに、これに加えて医療、通信、文化宣言工作団など非戦闘部隊計10万人を加えて、30万人の削減を実現しようというものだ。新華社電によると、30万人の人件費だけで年間600億元(約1兆2000億円)節減できるが、これに年間の防衛費の伸びを加えれば、兵器・装備の一層のハイテク化が可能となると報じている。
つまり、今回の削減はていのよい将兵のリストラというわけだ。
中国では1978年末の改革・開放路線導入以来、85年のトウ小平の100万人、97年には江氏の50万人、2003年の胡氏による20万人の計3回実施されたが、削減とは名ばかりで、国防費は年々二ケタ成長を続け、兵器もハイテク化が進んできた。
北京の外交筋は「非戦闘部門のスタッフの場合、一芸がある分、再就職は比較的容易だが、高齢の陸軍将校や兵士は切り捨てられる運命にあるだけに、軍内ではクーデターが起こりかねない状況だとの情報もある」と指摘する。
◆筆者プロフィール:相馬勝
1956年、青森県生まれ。東京外国語大学中国学科卒業。産経新聞外信部記者、次長、香港支局長、米ジョージワシントン大学東アジア研究所でフルブライト研究員、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員を経て、2010年6月末で産経新聞社を退社し現在ジャーナリスト。著書は「中国共産党に消された人々」(小学館刊=小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品)、「中国軍300万人次の戦争」(講談社)、「ハーバード大学で日本はこう教えられている」(新潮社刊)、「習近平の『反日計画』―中国『機密文書』に記された危険な野望」(小学館刊)など多数。
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