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昨年初めから、2、3カ月に1回北京など中国の都市を訪れているが、このところ思うのは、中国人観光客のマナーがアップしてきたということだ。写真は北京首都国際空港。
<中国は今!>「爆買客」取り込みに積極的に動く日本企業や自治体―中国人観光客のマナーもアップ?
http://www.recordchina.co.jp/a119255.html
2015年9月19日(土) 13時46分
昨年初めから、2、3カ月に1回北京など中国の都市を訪れているが、このところ思うのは、中国人観光客のマナーがアップしてきたということだ。
羽田空港で北京行きの旅客機に乗り込む際、私の前に10人くらいの中国人観光客が並んでいた。その後、知り合いとおぼしき数人の中国人観光客が姿を現したので、これまでの経験から「割り込まれても仕方がないか」と半ば諦めかけた。ところが、私の前にいた中国人女性が、彼らに「後ろ、後ろ」と声をかけて、手を後方に振って、最後尾に並ぶように指示したのだ。
これも私の体験だが、都内のある有名なラーメン店で1時間ほど並び、「もうすぐだな」と思っていたところ、私の前にいた中国人とおぼしき男性が携帯電話で仲間に連絡して、10人くらいの中国人グループが突如、姿を現し店側とトラブルになったのを目撃したことがある。空港でも昨年、同じようなケースで、割り込まれたこともあったが、今回の場合は様変わりだ。
ネット上では列の中国人観光客のマナーの悪さが話題になっていることもあって、「汚名返上」とばかり、マナーアップを心がけている旅慣れた中国人観光客も少なくないようだ。実際、日本を訪れる中国人観光客への有効期限3カ月のビザ発給条件は年収10万元(約200万円)で住宅もしくは自動車の財産証明をもつ富裕層が主。いわば「特権階級」だけに、今後、マナーアップは急速に進んでいくのではないか。
昨年、日本を訪れた外国人観光客は1200万人を超え、そのうち中国大陸からの観光客は300万人を占めている。今年は500万人を超えるとの予測もあり、日本にとっては無視できない存在になっている。
日本の大手ディスカウントショップのなかには、中国人観光客の誘致に本腰を入れて取り組んでいるものも少なくない。ある企業は今年初め北京事務所を開設し、初代所長に日本語が堪能で、日本の国内事情に精通している北京の日本旅行専門会社の社長を起用した。
また、関東の自治体のなかには、中国からの団体を受け入れ、ホテルなどの宿泊施設の他、会議場なども斡旋する事業を始め、北京に拠点を作り、やはり日本事情に精通した中国人の代表を任命しているという。
北京でそれらの代表に話を聞くと、「日本に旅行したいと思っている中国人は非常に多い。入国の条件が緩和されれば、訪日客はすぐに1000万人を超えるだろう。われわれも彼らに日本でのマナーを教えるので、日本人が不快になるケースは少なくなってくるに違いない」と話す。
いま、中国経済は「バブル崩壊」だとか、「失速が著しい」といわれるが、個人のレベルでの落ち込みはそれほど大きくはなく、購買意欲は衰えていない。
中国経済が悪い状態だからこそ、逆に日本企業や自治体はこれまで以上に、「1000万人爆買客」の市場を開拓するために今後はむしろ中国に積極的に打って出ることも必要となってくるのではないか。
◆筆者プロフィール:相馬勝
1956年、青森県生まれ。東京外国語大学中国学科卒業。産経新聞外信部記者、次長、香港支局長、米ジョージワシントン大学東アジア研究所でフルブライト研究員、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員を経て、2010年6月末で産経新聞社を退社し現在ジャーナリスト。著書は「中国共産党に消された人々」(小学館刊=小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品)、「中国軍300万人次の戦争」(講談社)、「ハーバード大学で日本はこう教えられている」(新潮社刊)、「習近平の『反日計画』―中国『機密文書』に記された危険な野望」(小学館刊)など多数。
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