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官僚は「責任逃れ」に必死? 中国・天津爆発事故〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150824-00000011-sasahi-cn
AERA 2015年8月31日号より抜粋
中国・天津市で起きた爆発事故は、死者が100人を超える大惨事に。原因や背景が分かるにつれて、事故は人災の色合いを強くしている。
現場一帯は、中国政府肝いりの経済開発区「浜海新区」。そこには発展を最優先してきた中国がおろそかにしてきたものが、はっきりと表れている。
爆発現場から500メートルほど離れた宿舎の2階にいた建設作業員の羅興貴さん(57)は、8月12日深夜の爆発が起きる前後の様子をこう話す。
「午後11時ごろ、炎が見えたので窓から顔を出して見ていた。火の勢いはどんどん増すばかり。30分ほどたったころ、バンと大きな爆発が起きた。驚いてベッドに座り込むと、さらに大きな爆発が起きて建物ごとなぎ倒され、気がついたら地面に打ちつけられていたんだ」
爆発が起きたのは、化学物質の保管施設。約40種類、計約3千トンの危険物を貯蔵していた。水と接触すると引火する物質も含まれていたとみられるが、火災の通報を受けて駆けつけた消防隊員たちは、炎を上げるコンテナに何が入っているのかも知らされぬまま放水を続け、爆発に巻き込まれて命を落とした。
爆発を起こした保管施設は2013年、この新しい街の隣に造られた。周囲1キロの範囲に住宅地などがある場所で、こうした危険な施設を建てることは、法律で禁じられている。にもかかわらず建設の許可が下りた結果、住民たちは爆発に巻き込まれた。07年に河北省から浜海新区へ出稼ぎに来た男性、張さん(38)は憤る。
「我々の命など、政府や業者の頭にはこれっぽっちもなかったのだろう」
建設を許可したのは誰か。危険物のずさんな管理を見過ごしてきた疑いもある。今回の爆発事故は、政治の腐敗が絡んだ人災の様相を呈している。
習近平(シーチーピン)国家主席は爆発の翌日に出した重要指示で、「原因を究明し責任者を厳しく処分せよ」と強調した。北京の外交筋は、こう明かす。
「現場は中国屈指の開発区。ここで成績を上げて出世したり、利権に群がったりした官僚が山ほどいる。彼らが考えているのは、いかにこの事故の責任から逃れるかだろう」
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