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ユニクロ、3カ月で出店中止
中国ネット通販2位「京東」で アリババに配慮?
ファーストリテイリング傘下のカジュアル衣料品店ユニクロが21日までに、中国インターネット通販2位の京東集団の仮想商店街サイト「京東商城」を通じた商品販売を中止した。4月の出店からわずか3カ月だ。ユニクロは最大手アリババ集団のサイトに先に出店している。突然の閉店の裏にはユニクロという目玉を巡る中国のネット通販競争があるようだ。
中国の消費者向けネット通販市場(取扱金額ベース)ではアリババがシェア6割程度、京東が2割程度とされる。だが売上高では直販型の京東がアリババを上回る。2014年の売上高は185億ドル(約2兆3千億円)と13年比66%増えた。
ユニクロが京東商城に店を開いたのは4月17日。「消費者の反応は極めて好評で、最初の1カ月の販売額は計画の2倍に達した」(京東関係者)という。それがなぜ閉店になったのか。
異例の厚待遇
「ユニクロのために物流ソリューションを用意しました」。4月初め、北京で開いた京東とファストリの提携記者会見。京東の劉強東・董事長兼最高経営責任者は京東のキャラクターが入ったユニクロTシャツを着て蜜月ぶりをアピールした。
劉氏のそばにはファストリの中国事業を統括する潘寧グループ上席執行役員の姿もあった。一体で中国でネット通販事業に取り組むかに見えた。
京東はユニクロ向けに異例の「特別サービス」を用意。ユニクロ専用の大規模倉庫をつくることと、ユニクロ京東店だけの上海市内なら6時間以内に商品を届けるという速達サービスだ。だが、この「京東・ユニクロ連合」と言わんばかりの入れ込み方はユニクロ側には想定外だったようだ。
ユニクロの中国・台湾での2014年8月期の売上高は前の期比7割増の2081億円と急成長している。このうちネット通販の売上高が5%以上を占め、将来目標として10%台を掲げる。それをけん引するのが、アリババグループの仮想商店街サイト「天猫(Tモール)」などを通じた販売拡大だ。京東との連携はあくまで販路を広げる取り組みの一つだった。
背景に競争激化
ファストリの柳井正会長兼社長は事業提携を検討する際、「あらゆるところと公平に組む」ことを信条とする。ただアリババ創業者の馬雲(ジャック・マー)氏とはともにソフトバンクグループの取締役を務め、同社の孫正義社長とは盟友関係にある。今回の閉店は馬氏への「配慮」ととることも可能だ。その理由は競争が激しさを増す中国ネット通販市場にある。
「(アリババ系サイトの)天猫などより、京東の方が品質がいい」。北京市内の外資企業に勤める30歳代女性は言う。京東は自社で商品在庫や物流を管理しており品質には定評がある。
京東は14年春には5億人が利用するチャットアプリ(応用ソフト)「微信」を展開するテンセントから約15%の出資を受け入れ、ネット通販事業を統合し、「アリババ包囲網」の構築に動いた。アリババも無視できない存在になってきた。
若者を中心に人気のユニクロとの提携は京東には絶好機だった。それだけに京東関係者はユニクロの閉店について「アリババが横やりを入れてきたからだ」と声を潜める。
ファストリは「京東商城で3カ月間営業した結果、提携内容に改善余地があると分かり、いったん出店を中止した」(コーポレート広報部)とし、詳細は明らかにしていない。ただ当初狙ったネット通販の複線化構想は棚上げした形になる。
(北京=阿部哲也、川上尚志)
[日経新聞7月22日朝刊P.13]
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