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『ニューズウィーク日本版』2015−6・30
P.43
「腐敗撲滅で狙われるスーパーリッチ2世たち
中国:親の財産ばかりか国の未来も食いつぶすと
金はあってもモラルはない若者が新たな標的に
中国の習近平国家主席は13年の就任以来、中国共産党の刷新を目指して、党幹部の汚職摘発に力を入れてきた。党幹部たちによる富と浪費の誇示を抑え込むことから始まった習の反腐敗キャンペーンだが、ここへきて矛先を民間の富裕層の子供たちに向けようとしているようだ。
中央統一戦線工作部(中央統戦部)によれば、中国のスーパーリッチの2代目や若き起業家に対する指導を強化して、「甘やかされたドラ息子」との彼らのイメージを変えようとする狙いがあるらしい。「民間部門の実業家、特に若い世代の実業家を指導して、自分たちの富がどこから来ているのか、裕福になったらどう振る舞うべきかについて考えさせる」よう、習から要請があったという(中央統戦部は党中央委員会直属の組織で、党外のエリートとの連携を担当している)。
「裕福な若者の中には自分が金持ちだということだけは分かっているが、そのカネがどこから来ているのかまったく分かっていない者もいる」と中央統戦部は指摘している。
だが指導に乗り出すのは倫理的というよりむしろ実際的な理由からだ。「富を誇示する方法は知っていても、富を生み出す方法は知らない。家族経営企業がそういう後継ぎだらけになって、民間起業家全体のイメージダウンや民間企業に対する社会の借用低下につながれば、経済だけの問題では済まなくなる」
ネット上で金持ち自慢も
習を悩ませているスーパーリッチ2世たちの問題は、今に始まったことではない。
中国では近年、富裕層の台頭を受けて階級問題が生じている。「富二代」と呼ばれる富豪の2代目たちは、世間から色眼鏡で見られてきた。
富二代のイメージダウンにつながる事件は10年に起きた。河北省中部の工業都市である保定の河北大学で、22歳の李啓銘が酒に酔った状態で車を運転し、暴走。女子学生2人をひき逃げし、死傷させる事件が起きた。警備員や学生たちに制止された李はわめいた。「できるもんなら訴えてみろ!俺は李剛の息子だぞ!」。李の父親は地元公安局の副局長だった。この話はあっという問に中国全土に広がつた。
李の事件ほど深刻ではないものの、下品なケースや悪趣味なケースもある。
13年、中国のスーパーリッチが参加するわいせつなセックスパーティーやドラッグパーティーの写真がインターネットに流出した。そこには若い中国人モデルや富裕層の子女が大勢写っていたようだ。
売春の疑いを掛けられたモデルが「お金には困っていない」と銀行預金残高のスクリーンショットを公開したのをきっかけに、ソーシャルメディア上での預金残高公開合戦に発展。真偽は不明だが最高額は37億元(約735億円)に上ったという。
こうした「ご乱行」に、中国版マイクロブログの微博には批判の声が。「ひと握りのリッチで暇を持て余している富二代が、お気楽な暮らしぶりを見せびらかしているのは実に不愉快だ」
ミシェル・フロルクルス」
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