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中国の銀行間債券市場、海外投資家への開放拡大
ANJANI TRIVEDI
原文（英語）
2015 年 5 月 22 日 14:56 JST
中国人民銀行（写真）は、国内銀行間市場の海外投資家への開放を進めている NG HAN GUAN/ASSOCIATED PRESS
中国の株価急伸が大きな注目を集める中、同国の大規模な資本市場の中で、あまり知られてはいないものの最大級の規模を誇る部分がひっそりと、しかし過去最大のペースで海外投資家に開放されようとしている。
中国人民銀行（中央銀行）は今年、さらに32の海外機関投資家に対して、6兆1000億ドル規模の銀行間債券市場への参入を許可した。同市場は、銀行に加え多様な投資家が利用している。政府は2014年、34の投資家に許可を出しており、今回の決定によって承認された海外の機関投資家数は合計152（政府系ファンドや中央銀行は含めず）となった。
人民銀によると、海外の機関投資家が運用する中国国内債は7130億元（約14兆円）に上り、13年12月から78％増加している。これは国内株式保有高の6010億元を上回っている。
中国は人民元国際化に向けた方策の一環として、このような大規模な承認に踏み切った。政府は、人民元を国際的な準備通貨に押し上げようとしている。
こうした動きはまた、中国からの資金流出を埋め合わせるうえでも貢献している。さらに、債券市場への潤沢な資金流入は安定性に寄与するため、より多くの海外投資家を国内の債券市場に呼び込むことは、景気が減速している中国経済を支えることにもつながる可能性が高い。
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのスバシュ・ピライ氏は「他の条件が変わらなければ、投資家の種類が増え、投資の動機や保有期間が多様化することは流動性にとって支えとなる」と指摘する。
さらに、債券市場への資金流入は、企業や地方政府の借り入れコストを引き下げ、減速する経済を浮揚させようとしている中国政府にとって、助けとなっている。マッキンゼー・グローバル・インスティテュートによると、2014年半ばまでに同国の（政府、企業、家計を合わせた）債務残高合計は28兆ドルと、07年の4倍近くに膨れあがっている。
ただ、政府が金利規制を緩和しようとするさなか、海外投資家の参入拡大によって、国内の債券市場は海外の動向に一段と左右されやすくもなる。
これまでのところ中国は、過去数週間に見られた世界の債券相場下落（利回り上昇）の影響を受けてはいない。中国の5年物国債利回りは21日現在、4月17日から0.31％低下し、3.117％で推移している。これによって、企業や地方政府の借り入れおよび借り換えのコストは抑制されている。こうしたことは世界的に見ると異例の状況と言える。例えば、5年物米国債利回りは同じ期間で0.26％上昇している。
人民銀行はコメントへの要請に応えなかった。
http://si.wsj.net/public/resources/images/AM-BJ082_CBONDS_J_20150521115110.jpg
左：参加承認された海外投資家数の累計、中：銀行間市場の参加の内訳、右：銀行間市場で取引されている商品の内訳
中国には三つの債券市場が存在するが、最も機関投資家が活発に売買しているのはいわゆる銀行間市場だ。そもそも同市場は1994年に銀行間資金調達のため創設されたが、現在では多様な投資家が参加している。同市場では、中央政府および地方政府の発行した債券、国有銀行や政府系機関が販売する債券で構成される政策銀行債券、そして企業が発行した短期債などが取引されている。
売買する債券の種類が限られる取引所市場や個人向け国債が販売される店頭市場は、国内の債券市場に占める割合がずっと低い。
銀行間市場を開放し、海外投資家が低リスクの国債に投資する新たな場所を提供することは、人民元の国際通貨基金（IMF）特別引出権（SDR）のバスケット通貨入りを狙う中国にとって支えとなるだろう。同バスケット通貨は現在、ドル、ユーロ、英ポンド、日本円で構成されている。IMFは年内に、人民元の同バスケットへの組み入れについて検討を行う。
UBSグローバル・アセット・マネジメント（運用資産6800億ドル）でアジア債券責任者を務めるアシュレー・ペロット氏は「投資家は準備通貨として人民元を大量に保有するつもりなら、（中国の債券市場に）アクセスする必要がある」とし、「そうした資金を（政府保証債など）比較的安全な資産へ投じられるような場所が必要だ」と述べた。同社のシンガポールと香港の事業所は、2つの投資家制度全体で中国への投資割当額が総額18億5000万ドルあり、中国債券の保有を増やしている。
ペロット氏のファンドは、3年〜5年物の中国国債と政策銀行債券に投資している。投資家らは、期間が長めの債券は取引頻度が少なく売却が難しいという理由で、こうした年限にとどまりたいとしている。
投資家はオフショア（海外）市場で販売される中国の債券を買うことは容易にできるが、国内市場への参入には資本規制があり、認可が必要となる。
その方法の一つが、中国銀行間債券市場プログラムを利用することだ。ドイツ銀行は、政府が同プログラムの下で海外投資家に1兆2000億元の投資許可を与え、その50％は海外の中央銀行と政府系投資ファンド（SWF）に割り当てられたと見積もっている。これに関する公式統計はなく、割り当て分が全て使われているわけではない。
もう一つの方法は、海外投資家がオフショアで調達した人民元で本土株式・債券を購入することを認める人民元適格外国機関投資家（RQFII）制度の利用だ。この制度は最近スイスとルクセンブルクの投資家にも開放され、総割当額は4月末時点で8700億元となった。
パインブリッジ・インベストメンツ（運用資産759億ドル）の新興国債券共同責任者兼アジア（日本除く）債券責任者、アーサー・ラウ氏は「中央銀行が小さく踏み出す歩みの一つ一つが、人民元の完全交換性に道を開くためのものだ」と述べた。同氏は政策銀行債券を選好しているとし、「低リスクだが高利回りを提供できるものは現時点で（他に）ない」と語った。調査会社の上海万得信息技術（Wind資訊）によると、3年物の政策銀行債の利回りは現在3.4％。パインブリッジは投資家制度全体で3億8000万ドルの割り当てを持つ。
アナリストらによると、投資家への銀行間債券市場の開放が急加速しているのは、中国からの資金流出を埋め合わせる狙いもあるという。BNPパリバの推計によれば、1-3月期の資金流出は約2090億ドルと、記録的な流出額だった。中国経済が減速し、人民元の一方的な上昇期待が薄れる中、投機筋は資金を引き揚げ、企業は元の保有に一段と慎重になっているとアナリストらは語る。
ドイツ銀行のアナリストらによれば、中国外為当局は国内経済で高まる圧力に屈する形で、企業による人民元の交換・利用をいっそう容易にすることを目的とした規則をこの1カ月に発行している。
確かに、中国では現在、国内市場で国債残高に占める海外投資家の保有比率が新興国でも有数の低さとなっており、昨年末時点では2.4％だった。これに対し、メキシコでは59％、ブラジルでは34％。
だがアナリストらは、向こう3〜4年で状況が変わると予想している。スタンダード・チャータード銀行のアナリストらは、海外投資家がこの期間に元建ての債券保有を「現在のどの新興国債券の持ち高をも上回る」規模まで増やすとみている。同行の推計によると、人民元が2020年に国際通貨基金（IMF）の特別引き出し権（SDR）の構成通貨へ加わった場合、海外投資家が中国国内市場で保有する債券は同年に7440億ドル〜8350億ドルへ達し、今年加わった場合は1兆1000億ドルにも上る可能性がある。
スタンダード・チャータードのアナリストらは先週、顧客向けのリポートで「中国の資本勘定は、大部分の国際投資家が予想していたよりも急速に開放されている」と指摘した。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB4QqQIwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10690484242962743932404581000703545736290&ei=Y-teVeztE4rm8AX8oIGIBQ&usg=AFQjCNHUYCt-97eaT8LoxgTR485kQvRH5Q&sig2=Ows7YZINki4Rdx3pG43o_w&bvm=bv.93990622,d.dGc
香港市場で漢能薄膜株が暴落、会長1日で1.7兆円失う
By WAYNE MA AND CARLOS TEJADA
原文（英語）
2015 年 5 月 22 日 11:20 JST
漢能薄膜発電の李河君会長は1日で1.7兆円を失った Associated Press
【香港】李河君氏（47）はわずか1日でほぼ140億ドル（約1兆6900億円）の資産を失った。李氏はその日、北京で開催されるクリーンエネルギーの展示会出席を理由に同氏が会長を務める会社の株主総会を欠席した。
漢能薄膜発電の株価急落、中国の太陽光業界に暗雲
20日の香港証券取引所で、同氏が所有する太陽電池メーカー、漢能薄膜発電の株価が50％近く暴落し、売買停止となった。李氏は同社の大株主で、一時は中国一の金持ちとみられたが、この日の株価暴落で資産の多くが消滅した。
21日には、企業への短期融資を行う金融ブローカーで、漢能薄膜のアドバーザーだったことのある高銀金融の株価が、同じく43％の暴落に見舞われ、時価総額のうち120億ドルが失われた。高銀金融のオーナーが所有している不動産開発会社の高銀地産も41％暴落し、時価総額が46億ドル減少した。
これら株式の暴落で、中国のエネルギー・セクターに特化した上場投信（ETF）の所有者を中心とする投資家が大きな損害を被った。中でも中国大陸の投資家にとっては大打撃だった。クレディスイスによれば、大陸から香港への流入資金はここ数カ月間急増し、4月には7480億ドルに上った。香港取引所のハンセン指数は年初来で17％上昇した。
特に漢能薄膜、高銀金融、高銀地産の3社は暴騰を演じてきた。香港の企業統治提唱者のデービッド・ウェブ氏は、「これら3社はバブルだった。ファンダメンタルズを反映した株価になるには、まだまだ下げ局面が続こう」と述べる。
漢能薄膜の親会社である中国の再生エネルギー大手、漢能集団（本社・北京）は21日、同社が香港子会社の漢能薄膜の経営悪化説が原因との説を否定し、「我々のグループは平常通り営業しており、事業はすべて順調で、資本状況は健全である」の声明を出した。漢能薄膜は暴落前には、香港市場で値上がり率が最も大きい銘柄の1つで、20日の売買停止時点でも年初来42％の上昇で、1年前に比べ3倍強の高値で、今でも上げ過ぎと広く見られている。
同社株は最近上昇を始める前は目立たず、2013年に同社の大株主となった漢能集団にとっては比較的小規模な子会社だった。漢能薄膜の主要製品である薄膜パネルは、安価だがエネルギー転換効率が低い。
香港証券取引所に提出された資料によれば、漢能と高銀金融は以前関係があったが、それが高銀の暴落をもたらしたのかどうかははっきりしていない。漢能が2月に公表したところでは、漢能は以前、漢能薄膜製の太陽電池の調達に際して独立のアドバーザーを務めた。香港の証券先物委員会（SFC）は3月に、高銀金融は会長が株式の70％を保有しているのをはじめ、20人の株主だけで株式保有比率が99％弱に達しているとして、投資家に「強い警告」を発した。
漢能のウェブサイトによると、李河君氏は広東省の客家出身で、同省で小規模ダムの建設・買収に従事していたが、雲南省の ダム建設で財務基盤を固めた。その後李氏は、太陽電池事業に注力し、クリーンエネルギー革命を提唱するようになった。香港証取への届け出によれば、同氏は現在漢能薄膜の株式のほぼ5分の4を所有している。中国の国政諮問機関の全国政治協商会議（政協）のメンバーでもある。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB8QqQIwAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10690484242962743932404581000402635182290&ei=tOteVaqtMcLi8AWOrIH4BA&usg=AFQjCNGuDkVV9iL-NK06XiZ-pBhRxJlnnQ&sig2=WRG8Lrq_4jQA__apfiZ6Ww&bvm=bv.93990622,d.dGc
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