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<中国は今!>北京で霊柩車使用料がたった8kmで2万円、高騰する葬儀費―北京市の警察が取り締まり強化
http://www.recordchina.co.jp/a108978.html
2015年5月16日(土) 13時46分
中国の北京など都市部で葬儀費用が跳ね上がっている。通常、車をチャーターする際、10km以上走る場合は1km当たり5元(約100円)が相場なのに、遺体を霊柩車に乗せて、病院から葬儀場までのわずか8kmの距離を運ぶだけで1000元(約2万円)が請求されるのが普通になっている。葬儀費用全体では1万元(約20万円)以上かかるなど、葬儀会社は暴利をむさぼっている。
この実態を北京紙「新京報」が報じた翌日、北京市公安局(警察)が通達を出して、違法な葬儀社の摘発を宣言しており、葬儀代の高騰が深刻な問題になっていることを示している。
同紙によると、北京では北京戸籍を持つ人々が2008年から13年までの6年間で7万人から8万人が死亡しており、1日当たり200人余りになる。北京市政府は「北京市葬儀管理条例」で市公認の葬儀社を定めており、それ以外の民間の業者や個人業者が葬儀にかかわることはできない。
ところが、同紙が調べた葬儀社は市政府から公認されていない「もぐり」の業者であり、同紙の報道をきっかけに、北京市公安局が実態調査に乗り出した。
それによると、北京市内では霊柩車のほか、埋葬する際の棺や葬儀で着る衣装など葬儀関連費用が全部で1万元から2万元にも達しているという。
中国では13年の都市部住民の平均年収が5万1474元(約100万円)だけに、葬儀費用だけで年収の5分の1から3分の1に達するという異常な事態に陥っている。
さらに、北京市内では墓不足が深刻で、平均的な墓の値段は12万5000元(約240万円)にも達する。これは年収の2倍だ。同紙によると、このような相場は全国の都市部で共通しており、葬儀費用はここ数年急騰しているという。
しかし、中国では葬儀費用をけちると、死者があの世でひどい目に遭うとの迷信がはびこっているほか、世間体を気にして、高い葬儀代を無理して支払う傾向も強まっている、と同紙は指摘している。
◆筆者プロフィール:相馬勝
1956年、青森県生まれ。東京外国語大学中国学科卒業。産経新聞外信部記者、次長、香港支局長、米ジョージワシントン大学東アジア研究所でフルブライト研究員、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員を経て、2010年6月末で産経新聞社を退社し現在ジャーナリスト。
著書は「中国共産党に消された人々」(小学館刊=小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品)、「中国軍300万人次の戦争」(講談社)、「ハーバード大学で日本はこう教えられている」(新潮社刊)など多数。
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