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韓国のソウル中心部を埋め尽くした10万人規模のデモ隊。朴政権への怒りはすさまじい=14日(聯合=共同)
朴政権の支持率“急降下” 微妙に絡む「親日」問題と10万人デモ 高月靖氏
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20151119/frn1511191140002-n1.htm
2015.11.19 夕刊フジ
韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権が危機に直面している。「中高の歴史教科書を国定版に一本化」という方針に野党と市民が猛反発。14日には10万人規模のデモ隊が首都ソウルを占拠し、機動隊と激しく衝突した。教育行政への関与を強める政権に対して、「歴史クーデター」「独裁の始まり」などの声も挙がり、支持率下落に歯止めがかからない。現地事情に詳しいノンフィクションライター、高月靖氏が緊急リポートする。
強気の南北協議が国民に支持され、9月には1年ぶりの高支持率を記録した朴政権。だが、10月第3週から支持、不支持が逆転し、同月第5週には支持44・5%に対して不支持が50・0%に。その後も不支持が上回る状態が続いている。
火種はほかでもない「歴史教科書」問題だ。
「韓国も日本と同様の教科書検定制度がある。しかし、朴政権はこれを廃止し、政府が定める『国定歴史教科書』に一本化する方針を示した。これに世論が猛烈に反応した」(現地日本人メディア関係者)
14日には、ソウル中心部にある市役所前に教科書問題などをテーマにした市民団体と労働組合らが集結。10万人規模(警察推計約6万人)まで膨れあがり、「朴大統領は退陣しろ!」などシュプレヒコールをあげ、大統領府を目指した。その際、機動隊と激しく衝突、放水などで重傷者が続出する事態となった。
複数の世論調査機関によれば、教科書問題の国民の賛否は10月第1週までほぼ半々だった。だが、野党が歴史教科書の国定化を「歴史クーデター」「独裁の始まり」と批判し、阻止に向けて総力戦の構えをみせると状況は一変。10月末の調査では賛成38・1%、反対56・0%と拡大した。
国定教科書については「権力が唯一の歴史観だけを国民に押しつける」といった批判がある。だが、韓国社会で賛否を生む理由はそれだけではない。
「金武星(キム・ムソン)・セヌリ党代表ら与党幹部は、従来の検定教科書が『進歩派』と呼ばれる左派系の影響を受けすぎていると主張してきた。歴代政権の悪い面ばかり強調してきたとの批判で、保守層の不信感は根強い」(同)
その一方で、進歩派で最大野党・新政治民主連合は、国定教科書について「民衆を弾圧した軍事独裁政権を美化する画一的教育」と指摘。経済発展の一方で民主化弾圧でも知られる朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領をめぐり、娘の朴氏が父親の独裁を正当化しようとしていると批判している。
「民主化以前の歴代政権が独裁、弾圧、不正選挙まみれだったのは事実。国定化すれば政権側に都合のいい内容ばかりになるのでは、との危惧がある」(現地筋)
ややこしいのは、論争に「親日」問題もからんでいることだ。
「戦前に日本陸軍士官だった朴正煕元大統領のほか、セヌリ党の金代表の父親も日本統治時代に財を成した政財界の大物だ。左派陣営からすれば、彼らは日本の朝鮮半島支配に協力した『親日派』で『裏切り者』。そうした『親日派』を父に持つ朴氏らが『歴史を美化しようとしている』とも指摘している」(同)
14日のデモでは、放水で地面にたたき付けられた男性(68)が脳内出血を起こし、意識不明の重体になっているという。過剰対応の責任を問う声もあり、政権への逆風は強まるばかりだ。
■高月靖(たかつき・やすし) ノンフィクションライター。1965年生まれ。兵庫県出身。多摩美術大学グラフィック・デザイン科卒業。韓国のメディア事情などを中心に精力的な取材活動を行っている。『キム・イル 大木金太郎伝説』『独島中毒』『徹底比較 日本vs韓国』『韓国の「変」』など著書多数。
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