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日中韓首脳会談が約3年半ぶりに開かれ、安倍首相(左)と、朴大統領(中)、中国の李克強首相は握手を交わした=1日、ソウルの青瓦台(共同)
【新・悪韓論】朴大統領を待つ「憂鬱な日々」 日中韓首脳会議の成果は「パンダ2頭」だけ?
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20151105/frn1511051140002-n1.htm
2015.11.05 夕刊フジ
前後3日間の祭りで、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が得たものは「パンダ2頭」だけだったとは言えまいか。祭りが終わってみれば、輸出は6年ぶりの大幅落ち込みを見せ、「歴史教科書の国定化」に反対する運動が急拡大している。まもなく韓国は、中国発のPM2・5(微小粒子状物質)に覆われる。朴氏にとって「憂鬱な季節」の始まりだ。
韓国人は「取り仕切る」ことが大好きだ。
李明博(イ・ミョンバク)前大統領は、韓国がG20(20カ国・地域)の開催国=議長国に決まるや、帰国の飛行機の中で万歳三唱をした。G20の開催国なんて「持ち回り」なのに…。いやいや、韓国の大統領任期は5年だから、4人に1人しかG20を「取り仕切る」大統領にはなれない。それで、恥じらいもなく万歳三唱をしたわけだ。
そこへ行くと、日中韓首脳会談は3回に1度はホスト国が回ってくる。それなのに韓国の政権が独り興奮していたのは、今回の3カ国首脳会談を「わが国が中国と日本を引き会わせてやる場だ」と、勝手に位置付けていたからだ。
米国に対して、韓国は「米中等距離」にいること、つまり「中国寄り」ではないことを示す場とも位置付けていた。だが、結果としては「中韓ベッタリ」を示す場になった。パンダ2頭は、そのお礼だろうか。
韓国の通信社も、日本の通信社も「慰安婦問題の早期解決で合意」と速報したが、日本側の「解決済み」との姿勢は変わっていない。「解決済み」との基本認識で「早期解決」とは、「解決済みであることを認識してもらう」しかない。韓国側が認識しないなら、「早期解決を目指す努力」が続くだけのことだ。
米国に“いい顔”を見せ、日本を屈服させ…そんな夢から覚めてみたら、(1)10月の輸出額(速報値)が前年同期より15・8%も落ち込んだ。輸出入とも10カ月連続の減少だった(2)14年の製造業売上高は史上初めて「前年比マイナス」で、営業利益だけでは借入金の利子を払えない企業の比率が32・1%になった(3)造船危機の中でも最大の爆弾とされる大宇(デウ)造船海洋に、国策銀行がとうとう4兆ウォン(約4224億円)超の緊急パッケージ融資(1兆ウォン=約1056億円=は増資引き受け)する事態になった−など、深刻すぎる現実がある。
さらに、安倍晋三首相には「正しい歴史認識で…」と、さんざん叫んだのに、足元では歴史教科書の国定化に反対する声が、与党圏にまで広がり始めた。韓国教育省は、まだ執筆陣の人選も終えていないのに、国定教科書の固有名詞だけ先に発表した。その名は、驚くなかれ「正しい歴史」。歴史教科書国定化に反対する勢力は、年末に向けて街頭に進出してくるだろう。
朝鮮半島の異常乾燥=干ばつは長期化する見通しというから、PM2・5の人体への影響は増大するだろう。
誰よりも朴氏にとって「暗くて憂鬱な日々」が続くのだ。
■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に「韓国人の経済学」(ダイヤモンド社)、「悪韓論」(新潮新書)、「呆韓論」(産経新聞出版)、「ディス・イズ・コリア」(同)などがある。
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