1. 2015年10月20日 01:46:44
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韓国社会の暴力性を見せつけたキャットマム殺人事件 「猫は魔物」か「生きたまま煮込んで薬用」かという風習も残り・・・ 2015.10.20(火) アン・ヨンヒ おしゃれすぎる猫カフェ「MoCHA」新店舗、渋谷にオープン 東京・渋谷にオープンした猫カフェの猫〔AFPBB News〕 筆者がもしペットを飼うとしたら猫を飼いたいと思っている。あの誰にも媚びることのない堂々とした姿、しなやかな体、かわいらしい仕草が大好きだ。 しかし、猫アレルギーがあり夢はかなえられそうにない。だからたまにアパートの庭に出没するノラ猫を見つけると餌を与えたりするのが楽しみである。 だが、先日韓国で起きた恐ろしい事件によって、ノラ猫に餌づけすることが命がけになることを知った。それは、猫好きにとってはとてもショッキングな事件だった。 10月8日、ソウルの郊外にある某アパートの花壇で出産したばかりのノラ猫親子に猫の家を作ってあげようとしていた男女がいた。猫好きの彼らに思わぬ災難が降りかかってしまったのだ。 頭上にコンクリートブロック落下 50代と20代の男女2人は猫を愛する「キャットマム」仲間。 その人たちの頭上に突如コンクリートのブロックが落ちてきた。先に50代の女性の頭に当たり、跳ねたブロックが20代の男性に当たった。2人は救急車で病院に運ばれたが、50代の女性は死亡、20代の男性も重症を負った。 これまで彼らは団地のノラ猫たちに餌づけをしていて、団地の人たちから苦情はなかったという。先週の金曜日(10月16日)までは目撃者情報も監視カメラに犯行現場も写っていなかった。 そのため、アパートの住民全員が捜査対象となっており、捜査は迷宮入りかと思われた。 この事件は、瞬く間に韓国で「キャットマム」に対する議論を呼び起こした。ちなみに「キャットマム」とは、都市部でノラ猫に餌づけをする女性たちのことである。 女性は「キャットマム」、男性の場合は「キャットダディ」と呼ばれる。ソウル市の発表によると、ソウルにはこうした人たちが3000人はいるという。 「キャットマム」に賛同する人たちは、「生命の尊さは動物も人間も同じだ」というスタンスを持っており、餌づけすることでごみ箱を荒らしたりすることがなくなり、時には手なずけて避妊・去勢手術をすることで、自然に個体数を減らしているという。 流行する「キャットマム嫌悪症」 反対する人たちは「猫が大嫌いなのに、餌づけする輩によって、どんどん猫が増える」というスタンスで、猫嫌いからそれらに餌づけをするキャットマムたちまでが憎くなり「キャットマム嫌悪症」という言葉も誕生した。 今回の殺人事件もこうした「キャットマム嫌悪症」による犯行と考えられた。いつ殺人事件を起こしてもおかしくないと思われるほど嫌悪症の人たちの嫌悪感は強いのである。 気になってネットで調べてみると、あるある。キャットマム嫌いの人たちがあまりにも多いことに改めて驚かされた。 実は、韓国ではもともと猫を嫌う傾向がある。猫は魔物だと言われているからだ。 そうかと思えば、昔から猫は薬用にされている。猫のしなやかさのせいで、猫を生きたまま大鍋で煮た汁を飲むと、関節炎などが治るという迷信がまかり通っているからだ。最近でもノラ猫を捕らえて薬用に売っている輩もいる。 ネットでは「キャットマムに一杯食わせる方法」というカテゴリーで、彼らの餌づけを邪魔する具体的な方法まで出回っている。 例えば、キャットマムが餌づけ用に器を置いたらそれを取り上げるといった簡単なものから、マグロの缶詰を与えた場合、缶詰の中の油を捨ててその代わりに不凍液を入れる、などの殺意が感じられるものまで様々だ。 実際に猫を殺す人もいる。殺した後、キャットマムの車の後ろに彼らが餌づけしていたノラ猫の死体を置いたり、餌づけ用の器に首のない猫の死体を置いていたり、毒物をばらまいて猫を殺したりと、変質者さながらの行為が見られる。 予想外の結末 今回の「キャットマム殺人事件」は、「キャットマム論争」を巻き起こし、弱者に対する韓国社会の暴力的な一面をまざまざと見せる事件となった。 しかし、この事件は予想もしない決着を見ることとなった。当初は迷宮入りするかと思われたが、犯人がしばらくして見つかったのだ。キャットマム論争とは全く関わり合いのない人物が犯人だった。 小学生3人が屋上からコンクリートブロックを落として何秒で落ちるかを測っていたというのである。科学への純粋な好奇心から重力の実験を行ったらとんでもない悲劇を引き起こしてしまった。 小学生たちは怖くなって実験していたことが言えなかったという。アパートの監視カメラに、屋上に上る小学生たちの様子と事件後に急いで降りてくる映像が見つかり、警察官が事情聴取して"犯行"が発覚した。 今回の事件では、小学生に殺意は全くなく、また未成年であるということで責任を問われることはないようである。割を食ったのは猫好きだった被害者だ。 だが、小学校の理科の授業には落下実験がないことから、一部では小学生に本当に殺意がなかったのか疑問視する意見も出ている。また、子供たちの責任は親が果たすべきと主張する人たちもいて、キャットマム論争とはまた違った方向へ問題が拡大している。 猫好きはキャットマム嫌悪症の人たちからだけでなく、不可抗力からも身を守らなければならないということだろう。今のところ殺人事件ではなかったとは言え、韓国社会の生命を軽く見る風潮には一石を投じることになってほしいと願う。 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45018
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