⁅ソウル時事⁆北朝鮮は１０日の労働党創建７０周年に合わせ、「衛星」と称した長距離弾道ミサイル発射の可能性を示唆したが、準備の動きを見せていない。党創建日までの発射は困難とみられ、金正恩第１書記が、失敗の恐れなどを考慮して慎重に判断しているもようだ。
　北朝鮮の国家宇宙開発局の局長は９月１４日、朝鮮中央通信記者の質問に答える形で、党創建７０周年に触れつつ「世界は今後、党中央が決心した時間と場所で衛星が天高く打ち上がるのをはっきり見るだろう」と言及。国威発揚のため、７０周年の「祝砲」としてのミサイル発射を示唆したと受け止められた。
　２０１２年４月と１２月に発射した際は、それぞれ約１カ月、約２週間前に、国家宇宙開発局の前身である宇宙空間技術委員会が報道官談話を出し、具体的な時期や方向を予告。国際海事機関（ＩＭＯ）にも通告した。１２年４月の場合は、２０日近く前にミサイルが北西部・東倉里の基地に搬入されたのが観測され、１２月のケースでは、予告前の１１月から準備の動きが伝えられていた。
　しかし、韓国国防省当局者は２日、「平壌の兵器工場から東倉里への列車の動きはない」と述べ、ミサイルの搬入がまだ行われていないと指摘した。報道官談話による正式な予告も出ていない。
　北朝鮮は１２年４月、故金日成主席生誕１００周年の直前、長距離ミサイルを発射したが失敗。金第１書記の威信が大きく傷ついた。安燦一・世界北韓研究センター長は「失敗すれば７０周年の祝賀ムードが台無しになる。最終的に撃つ可能性が高いが、少し遅らせる方が賢明と判断しているのかもしれない」と述べている。（2015/10/03-06:33）

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&rel=j7&k=2015100300068

１９９３年　５月　ノドン１号を日本海に向け発射　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　９４年　７月　金日成主席死去　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　９８年　８月　テポドン１号発射。１段目は日本海に落下。２段目が日本列島を通過
　　　　　　　　　し、三陸沖の太平洋に着弾　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
２００２年　９月　小泉純一郎首相（当時）が訪朝。ミサイル発射凍結を含む日朝平壌宣
　　　　　　　　　言　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　０６年　７月　テポドン２号発射。空中爆発し失敗　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　１０月　初の核実験　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　０９年　４月　長距離弾道ミサイル発射。１段目が秋田沖の日本海に落ち、２、３段
　　　　　　　　　目は日本上空を通過して太平洋に落下　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　５月　２度目の核実験　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　７月　ノドンなどを日本海に向け発射　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　１０年　３月　韓国哨戒艦沈没事件　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　１１年１２月　金正日総書記死去　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　１２年　４月　長距離弾道ミサイル発射。直後に爆発し失敗　　　　　　　　　　　
　　　　　１２月　長距離弾道ミサイル発射　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　１３年　２月　３度目の核実験　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
（時事）
金日成（キム・イルソン）、金正日（キム・ジョンイル）（2015/10/03-07:05）

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2015100300081

　北朝鮮の「衛星打ち上げ」　北朝鮮は弾道ミサイル発射を「人工衛星打ち上げだ」と主張してきている。長距離弾道ミサイルは大気圏外に打ち上げ、弾道を描いて地上に落下する。発射は技術的にはロケットで大気圏外に衛星を打ち上げるのと変わらない。これまでのミサイル発射では１９９８年は人工衛星「光明星１号」、２００９年は「光明星２号」、１２年末は「光明星３号（２号機）」の打ち上げに「成功した」と主張する。ただ、軌道上に衛星らしいものが国際的に確認されたのは最後の光明星３号のみ。発射直後に爆発した１２年４月は「光明星３号（１号機）」の打ち上げ失敗ということになる。一方、０６年の発射失敗では、なぜかミサイルと認める発表を行った。（時事）
光明星（クァンミョンソン）（2015/10/03-06:32）

http://www.jiji.com/jc/c?g=tha_30&k=2015100300067