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南シナ海 対中国で緊張 東南ア各国、軍備増強
あすからのASEAN関連会議で焦点に
【マニラ=佐竹実】中国が埋め立てや施設建設を進める南シナ海を巡り、同国と領有権で対立する東南アジア各国の緊張が再び高まってきた。中国は埋め立て完了の宣言後も施設の建設を続けている。これに対し、フィリピンは近く旧米軍基地に戦闘機や艦船を配備する予定。ベトナムは潜水艦を追加配備する。4日に始まる東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の外相級会議でも大きな焦点になりそうだ。
マレーシアの首都クアラルンプールでは4日から3日間、ASEAN関連の外相級会議が相次いで開かれる。4日のASEAN外相会議に続き、5日にはASEANが日本、中国などと個別に設ける会議がある。6日にはASEAN加盟10カ国と日中韓のほか米国やロシア、北朝鮮を含む26カ国と欧州連合(EU)が地域の安全保障問題などを話し合うASEAN地域フォーラム(ARF)が開催される。一連の会議では南シナ海の緊張緩和が主要な課題の一つになるとみられている。
「空軍の能力増強のために、スービックは最適の場所だ」。比国防省の報道官は7月16日、記者団に語った。比軍はかつて米軍基地があった北部ルソン島のスービックに、韓国から購入した戦闘機やフリゲート艦を2016年にも配備する。
念頭にあるのは、スービック湾から西に約200キロ離れたスカボロー礁(中国名・黄岩島)だ。中国は12年から、同礁に艦船を停泊させて実効支配している。1992年の米軍撤退後、比政府はスービックを経済特区として整備してきたが、スカボロー礁をにらみ、特区の一部を活用する。
ほかの東南アジア諸国も南シナ海における中国の行動を懸念する。
ベトナムは南部のカムラン湾にある基地に、ロシアから購入した潜水艦を4隻配備した。年内にも2隻を追加配備する予定だ。この基地は中国が埋め立てを進める南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島に800キロメートル、西沙(パラセル)諸島に600キロメートルと近い。
ベトナムにとって中国は最大の貿易相手国であり、同国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立協定にも署名した。経済では中国を重視しながら、外交では警戒感を強める。7月にはベトナムの最高指導者、グエン・フー・チョン共産党書記長が訪米してオバマ米大統領と会談した。米からの武器の輸入も視野に入れている。
AFP通信によると、マレーシアも最近、中国船を監視するため南シナ海のルコニア礁近くに軍の艦船を派遣した。
中国は6月末に南シナ海の埋め立て作業の完了を表明。だが、その後も施設建設を続けている。南沙諸島のファイアリークロス礁では大型の航空機が発着できる3千メートル級の滑走路がほぼ完成したほか、軍事関連施設とみられる建物などは建て続けている。
中国メディアによると、中国は7月下旬に実弾を使用した大規模な軍事演習を南シナ海で実施した。ARFを前に中国に批判的な各国をけん制したとみられる。南シナ海は中東産の原油など資源を運ぶ際にも重要な海上交通路(シーレーン)を含む。水深が深くて潜水艦を捕捉しにくく、軍事的にも重要だ。中国は南シナ海のほぼ全域について「争う余地のない主権を持つ」との立場を崩していない。
[日経新聞8月3日朝刊P.7]
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