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MERS禍ではキムチまで注目されることに
韓国でデマ大発生 「キムチがMERSに効く」議員の発言で急拡大
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150622/frn1506221537012-n1.htm
2015.06.22 夕刊フジ
中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染が拡大する韓国でデマ騒動が起きている。与党議員の発言などで「キムチがMERSに効く」との情報が流れた。この真偽不明の発言を韓国メディアが大きく報じ、専門家が慌ててその効用を否定する事態に発展したのだ。172人が感染し、うち27人が死亡している恐怖の感染症だけに隣国の混乱ぶりはまだまだ収まらない。
「コチュジャン、キムチをたくさん食べる韓国人は、MERSより恐ろしいSARS(重症急性呼吸器症候群)を克服した。MERSも必ず克服できる」
驚きの発言が飛び出したのは18日に行われた与党・セヌリ党の議員総会。韓国メディアによると、この場で、同党の代表を務める金武星(キム・ムソン)議員がこうぶち上げた。
まるで韓国の伝統食であるキムチやコチュジャンが、2002〜03年にかけて世界的に流行したSARSの治療に効果があったかのような内容だが、もちろんそのような効能は確認できてはいない。
だが、これが思わぬ波紋を呼んだ。
インターネット上では、金議員によるトンデモ発言が飛び出す前からキムチや韓国料理に使われるニンニクが「MERS予防にいい」などという情報が拡散していた。そんな“下地”があっただけに、デマが急拡大する事態になったのだ。
過熱する真偽不明の情報を受けて、ケーブルテレビ局「JTBC」は、専門家の「いい食品なのは事実だが、(MERS予防とキムチやニンニクとの)直接的な関係があるという研究結果はまだない」との解説を紹介。「MERSによる死亡者がキムチやコチュジャンを食べていなかったという確認もされていない」と報じるなど火消しに乗り出した。
当然のようにツイッターなどで金議員への反発が相次ぎ、「亡くなったお年寄りはキムチやみそを好んで食べていたはず」との皮肉や、「キムチでかぜを治してから言って」などとその無知ぶりを嘆く声が噴出した。
韓国では、MERS拡大の責任の一端が、朴槿恵(パク・クネ)大統領率いる政府の対応のまずさにあったとの批判は根強い。それだけに政権与党の代表でありながら、軽はずみな発言をした金議員への風当たりは強くなる一方だ。
『徹底比較 日本vs.韓国』(河出書房新社)などの著者で韓国事情に詳しいノンフィクションライターの高月靖氏は「韓国では何か大きな出来事があるたびにデマが広がってきた経緯がある」と指摘する。
「2008年には、米国産牛肉輸入をめぐって怪情報が飛び交い社会が大混乱した『狂牛病パニック』が発生。日本の福島第1原発の汚染水問題に絡んで悪質な偽情報が広まり、昨年4月の旅客船『セウォル号』事故でもデタラメの情報がネットで飛び交った。政治的思惑などが絡んだ他のデマ騒動と今回の件は違った側面もあるが、今回もまた情報リテラシー(情報を正しく扱う技術や能力)の低さを露呈してしまった」(高月氏)
混乱が混乱を呼んでいる。
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