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スクープ告白! 側近幹部が「命がけ」で初めて明かす「私が見た金正恩の狂気と真実」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43535
2015年06月03日(水) 週刊現代 :現代ビジネス
32歳の若すぎる独裁者は何を考え、この世界をどうするつもりなのか
本誌編集次長 近藤大介
「核の小型化に成功」と宣言したものの、いよいよ孤立感を深める北朝鮮の「暴君」。面従腹背を続ける側近幹部の証言は、いまの平壌は、すでに崩壊寸前であることを雄弁に物語っていた。
■「あの国防相はミスをした」
金正恩第一書記を間近で見る側近幹部が、口を開くことはまずない。だが今回、ある方法によって、国境を挟む「中国」を経由する形で、信頼できる人物を通して、北朝鮮幹部から最新の話を得ることに成功した。以下は、その一問一答である。
*
—5月13日に、韓国政府の情報機関である国家情報院が、「金正恩第一書記の側近である玄永哲人民武力部長(国防相)が4月30日頃、高射砲によって公開処刑された」と、韓国国会の情報委員会に衝撃的な報告をした。処刑された理由は、最高司令官である金正恩第一書記に口答えしたからとか、金第一書記の訓話中に居眠りしたからとかいうことだった。
この情報は、事実なのか?
「日本人はなぜ、南の傀儡(韓国政府)の主張を信用するのか?奴らがこれまで、何百回、何千回とデマを飛ばしてきたことを知らないのか?
そもそも、わが方の幹部が粛清された際には、こちらの当局がすぐに堂々と発表してきたではないか。'12年7月の李英浩軍総参謀長の時も、'13年12月の張成沢党行政部長の時も、間髪容れずに発表した。
それが今回は、朝鮮中央テレビが5月に入っても連日、金正恩第一書記に寄り添う玄永哲大臣の過去の姿を映し出しているではないか。幹部が粛清されたら、恥ずべき存在をすぐに削除するのが、わが国の流儀だ」
—それなら、玄永哲大臣の身には、何も起こっていないのか。5月に入って、金第一書記の視察に、玄永哲人民武力部長が同行したという北朝鮮メディアの報道はない。
「玄永哲に最近、問題があったのは事実だ。一言で言えば、ミスリードがあったのだ」
■「われわれも悩んでいる」
—それは、金正恩第一書記がロシア訪問をドタキャンしたことと関連があるのか?金第一書記は、5月9日にモスクワで開かれた対独戦争勝利70周年記念式典に参加する予定でいた。実現すれば第一書記に就任して3年余りで、初の外国訪問となるところだった。ところが、4月末になって突然、「不参加」とロシア側に通告した。
「まさにその件だ。第一書記ロシア訪問の担当責任者だった玄永哲は、当初は随分と大きな話を吹聴し、金第一書記を喜ばせたものだ。世界中から国家元首がモスクワに集結するが、金第一書記だけ特別扱いだとかいう類いのことだ。
ところがフタを開けてみたら、話が全然違った。プーチン大統領が特別扱いするのは、中国の習近平主席だったのだ。
それに、わが国の最高指導者が、初となる外遊先に選んでやったというのに、石油大国のロシアは、相応の見返りも出さないという。
玄永哲は私利私欲を優先させ、事実をそのまま第一書記に上げなかった。こうした問題から、玄永哲には、『少し休んでいろ』ということになったのだ」
—しかし玄永哲大臣の立場に立ってみれば、正直に報告しても責任を取らされるし、黙っていても叱責を受ける。そのような状況下では、側近たちは金正恩第一書記について行くのが難しいのではないか?
「それは確かに、われわれ共通の悩みだ。
一例を挙げれば、金正恩第一書記は、かつての金正日総書記と同様、『周囲に(クーデターなどの)不穏な動きを知ったらすぐに通報しろ』と命じる。実際、金正日総書記に不穏な動きを報告すると大変喜んで、密告者が大抜擢を受けたものだ。
ところがいまの第一書記は、報告を受けた後、密告者まで、『知り得てはいけない機密を知った』として処刑してしまうのだ。一事が万事で、これでは誰もが、大事な情報を上げなくなってしまう。
そのため最近幹部たちが、よく使う手段は、『故意の病欠』だ。重要な現場にいなかったことで、難を逃れられることがままあるからだ」
■自信がない男
—それでは今後とも、玄永哲は表舞台に姿を見せないのか?
「そんなことはない。南の傀儡(韓国政府)がいかに嘘つきかということを示すには、『高射砲で公開処刑された』はずの人物に登場してもらうのが、一番ではないか。
朴槿恵(大統領)は、6月中旬に訪米し、オバマ大統領と首脳会談を行うのだろう。晴れ舞台で、たっぷり恥をかかせてやる」
—金第一書記は、今回ロシア行きを断念したが、近く外国を訪問する予定はないのか?
「外遊の予定はない。おそらく当分は出国せず、外国の国家元首を平壌に招いて首脳会談を行うこともないだろう。
金第一書記は、極めて内向的な性格だ。もしかしたら、自分に自信がないのかもしれないが」
—普段の金正恩第一書記は、どんな様子か?
「食事中だろうが小用に立った時だろうが、常にタバコを吹かしている。声が大きくて、何か言っては自分でよく笑うが、周囲は顔を引きつらせている。いつ豹変して怒り出すか知れないからだ。
また、自分が話をする時は、周囲の誰もがメモを取っていないと機嫌を損ねる」
—金第一書記の周囲に、いろいろと進言するアドバイザーはいないのか?
「かつては3人いたが、そのうち二人、すなわち前述の李英浩と張成沢は粛清された。残る金敬姫書記(金正日総書記の妹)は、糖尿病の悪化と(夫だった)張成沢処刑のショックで、もはやいつ『労働新聞』に訃報が載ってもおかしくない状態と聞いている。
'12年以降、第一書記の妹・金与正と夫人の李雪主も、側近として支えてきた。だが金与正はいま産休中で、李雪主夫人はこのところ、すっかり表に顔を見せなくなった」
—軍トップの黄炳瑞総政治局長や、前総政治局長の崔竜海書記らは、最側近の実力者ではないのか?
「二人とも、単に重要ポストを与えられているだけで、ほとんど実質的な権限は持っていない。かつ、いつまで側近でいられるかも未知数だ」
—5月21日に、南北和解の象徴だった開城工業団地を、潘基文国連事務総長が初めて訪問する予定だった。しかし、前日になって北朝鮮当局から「受け入れを拒否する」と通告された。これは国連に対する復讐なのか?
「いまの国連は、わが同胞が事務総長を務めているというのに、一体何をやっているのか?人権理事会でわが国を非難するかと思えば、5月9日にわが国がSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の発射実験を成功させると(左ページの写真)、国連安保理が制裁を科す協議を始めるとか言い出している。
そもそも主権国家であるわが国が、なぜ核兵器を開発してはいけないのか。わが国がアメリカのような超大国からの攻撃を防ぐには、核武装以外にどんな方法があるというのか。5月20日に国防委員会が警告の声明を発表したが、わが国の自主的な権利を、国連が非難すること自体がおかしい」
—それでは北朝鮮は、再び核実験を準備しているのか。過去には'06年10月、'09年5月、'13年2月と計3度、核実験を強行し、そのたびに国連から非難決議や制裁決議を受けてきた。
「核実験に関しては、わが国がやると言ったら、誰が止めようがやる。金正恩第一書記は『核大国と経済建設』を政権のスローガンに掲げているではないか。
小型化した核弾頭を、アメリカ本土まで正確に撃ち込めるようになった時に初めて、わが国の安全が保障される。だから絶対に、核開発を放棄してはならない—これが金正日総書記の『遺訓』だ」
—北朝鮮は、これまで2年半から3年半に一度、長距離弾道ミサイルの発射実験と核実験をワンセットにして行ってきた。そのタイミングで言えば、今年後半から来年前半にかけてが、ハイリスクな時期に当たるが、近々予定しているのか?
「今年10月10日は、朝鮮労働党創建70周年の重要な祝祭日ではないか。金第一書記は党創建70周年を、わが国と世界に向けた祝砲≠ナ祝うという意向を持っている」
—しかし70周年を祝うというが、経済は相変わらず好転していないのではないか?
「正直言って経済問題は、本当に頭が痛い。もはや軍にも、十分な食糧が行き渡らなくなってきている状態だ。
それでも金第一書記は、『食糧を100%国産化しろ!』と発破をかけるのだから、辛いところだ。大きな話題となった大同江スッポン養殖工場には同情を禁じ得ない」
5月19日、朝鮮中央通信が突如、金正恩第一書記が平壌市内の大同江スッポン養殖工場を抜き打ち視察し、罵詈雑言を浴びせたという異例の記事を配信した。指示を与えて2年経ってもテナガエビの養殖場が完成せず、金日成・金正日父子の偉業を称える「革命史跡教養室」も工場内に設置されていなかった。金第一書記がそうした過誤を一つひとつ列挙した上で、いかにブチ切れたかを記した、政権の末期的状況を伝えるかのような記事だ。
■「平壌にあるのは恐怖だけ」
—日本との関係についてだが、北朝鮮は昨年7月初旬に、日本人特別調査委員会を立ち上げた。そして、「1年をメドに調査の結論を出す」とした。
まもなくその1年になるが、調査は進展しているのか。特に日本人拉致問題の調査結果を、日本人は心待ちにしている。
「わが国は、たしかに昨夏、日本人調査委員会を立ち上げたが、『1年で結果を出す』とは言っていない。それはあくまでも、日本側の勝手な解釈だ。
また調査は、拉致被害者だけでなく、日本人の遺骨や日本人配偶者、残留日本人、行方不明者などを対象に、総合的に行うとした」
—では日本人の総合的な調査は、現在進んでいるのか?
「われわれは日本側と、『行動対行動』を原則にすると取り決めた。日本側の『行動』がないのに、なぜこちらだけ『行動』するか。今後、日本が『行動』を起こせば、わが方も同様に『行動』を起こすまでのことだ。
ただ1年前に比べて、わが方の現場レベルでの権限は、非常に縮小されている。正直言って、ほんのちょっとしたミスでも金第一書記に粛清されるリスクがあるため、誰もが身動きが取れない状態なのだ」
—そんな状態で、金正恩第一書記はこの先、長期政権を築けるのか?
「まだ年齢的には若い(満32歳)が、先のことは分からない。ただ平壌上層部の雰囲気が、金日成・金正日時代とは、まるで違うことは事実だ。
トップの部下に対する信頼もなければ、部下のトップに対する敬愛の念もない。いまの平壌にあるのは、恐怖≠セけだ」
「週刊現代」2015年6月6日号より
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